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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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自分から遠く、遠くへ | わたしの本棚(2024/5)

なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆

自分から遠く離れた文脈に触れることーーーそれが読書なのである。

なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆

5月に読んだ本で一番面白かった。読書の歴史も興味深かったし、「花束みたいな恋をした」を引き合いに出しながらの紐解いていくのも知っている映画だからこそ読みやすかった。「仕事と趣味」の両立の難しさ、これは永遠の人々の悩み。わたしは、割と趣味も大事にできているかなと自分では思ってるけれど、自分の中で「仕事と生活」の境目が少ないからかな〜とか考えていた。

じゃあどうしたら読めるようになるのか、ということに関しての提唱は意外性がないものだったけれど、改めての再認識として納得感はあった。
「文脈という名のノイズ」を受け入れられるような日々を、余裕を、守ることは読書が好きなわたしにとってかなり重要なことかもしれない。


センスの哲学/千葉雅也

日常のささいなことを、ただ言葉にする。それはもう芸術制作の始まりです。

センスの哲学/千葉雅也

本質的な本。センスがよくなるというよりは、人生をちょっとプラスに楽しむためのヒントが散りばめられていた。あまり構えずに読んだ方が、楽しめる気がする。脱意味化の話はよく刺さった。わたしは”意味”を求め過ぎてしまうところがあるから、そうではなくてもっと”リズム”や味を楽しむこと、それは難しいことではなくて、ちょっと意識をすればできるようになりそうだなぁという気持ちになった。『勉強の哲学』『現代思想入門』も読み直してみよう〜

幸せへのセンサー/吉本ばなな

ばななさんの新刊。何度でも読み返したい本。旅に持っていきたいのでkindleで購入した。「誰と何をしたか、いちいち人に言わない。自分しか知らないことを作る」「普段は仮面をかぶって、自分らしさは家族や友人など少数の人に発揮する」「シュミレーション通りに行かないことを情熱を持ってどんどんやってみる」お守り本。

夜明けのはざま/町田そのこ

死を通して見つめる人生。必ずやってくる人生の最期。誰にでも、いつでも起こりうる。最後の結末が自分の予想とはちょっと違くて面白かった。いつも選択をしながら生きる私たち。当たり前のことだけど、人それぞれに生き様があって、人それぞれにいろんな事情や、苦労や喜びがある。そういうことは随所随所で意識しないと、どうしても自分の考え方が前に出てしまうから。何度でも気づこう、と思った。

◆メモ

推し燃ゆ/宇佐美りん

正直なところ、未だに”推し”というものが分からないのでいまいち入り込めなかった。多分30年後くらいに読んだら、この時代を思い出しながら読んだら面白い。

オレの宇宙はまだまだ遠い/益田ミリ

安定に心安らぐ就寝前の1冊。現実世界にもきっといるだろうな、あるだろうな。


映画

市子

ドラマ『アンメット』での杉咲花ちゃん愛が再熱して、ずっと観たかった『市子』を。相手役が若葉さんなのは見始めたてから知って、最強タッグだったのだなと。『ある男』とか、『嘘を愛する女』に近い感じがしてちょっと苦手なジャンルだったけれど、見入った。愛する人の知らない側面みたいなことが描かれているのだけれど、最後まで長谷川くんが市子に対して真っ直ぐで、必死なのが救いだった。家族の辛い過去系の話はどうも苦手だ。

ノッティングヒルの恋人

王道なのだけれど、やっぱり美しい映画。ジュリア・ロバーツが可愛い。先月『食べて、祈って、恋をして』を観たのでその流れで。これは『プリティ・ウーマン』も観なければ。しがない本屋の店主とハリウッド女優の大恋愛。ちょっとあり得ないけれど、ギリギリあり得そうで、世の中のたくさんの芸能人のスキャンダルの裏側にもこういうロマンチックな物語があるはず、と信じたい。

パストライブス/再会

男女のストーリーとなると、結婚とか、離婚とか、付き合うとか、別れるとか、不倫とか。どうしてもそういうものに帰着してしまう話が多い。そう、ではない。カテゴライズ好きな現代人がカテゴライズできない何かについて、丁寧に描いているのがよかったのだ。そしてわたしはこういう類の話が好きだ。世の中の一般論や定義で語り切ることができない、はかり知れない誰の心の奥底にもある何か。その何かをいつも探しているからなのかもしれない。そしてそれらはいつもロマンチックだ。

(以下、ややネタバレを含みます)

最後のシーン。あそこでもしも、ふたりが触れ合ってしまっていたら、この映画はただの大人の恋愛映画になっていただろう。でも、全員が、あのシーンに映っているひともいないひとも、自分の気持ちに素直になりながら、誰かを想った。彼女が想ったのは、夫だったかもしれない。母親だったかもしれない。目の前の相手のみだったかもしれない。それは知る由もないし、知りたいとも思わない。知ってはいけない気もする。彼が想ったのは、彼女のことだけだったかもしれないし、彼女の夫のことだったかもしれない。とにかく全員の人間らしさが美しかった。


今やサブスクで手軽に映画が見られるわけだけれど、やっぱり映画館で観たい。会社近くのシネスイッチ銀座、下高井戸シネマ、Strangerに行きたい。でも結局TOHOが上映スケジュールが選択肢があって行っちゃうんだよなぁ。そうだ、スペイン語の勉強初めました✅ あと最近はkindleで読んでいます。むつかしい。。。

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Yuuri
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