マガジンのカバー画像

共感的コミュニケーション〔実践編〕

83
運営しているクリエイター

2018年8月の記事一覧

おならを嘆く

小さな子どもならまだしも、いい大人がおならをすると、なぜか無性に腹が立ったり、恥ずかしいという反応が起こる。

同居人がなにげなくおならをする、介護している親がおならをする。
相手には悪気はないとわかっているし、たんなる生理現象だと頭では理解しているのに、身体には反応が生まれる。
むかっ腹が立つ。
ときには暴力的な言動に出そうな自分すらいる。
そのことにたいして連鎖反応的に、自分自身にたいして責め

もっとみる

いちばん声の小さい人の声を聞く

共感強化練習会に参加してくれたある人から、こんな気がかりを聞いた。
若い人たちを指導する機会があるのだが、どうもみんな、お互いに気遣いをしすぎて、本音が出てこない。
つながりが薄く、表面的な意見であたりさわりなくやりすごしているような気がする。
とくに引っ込み思案の人はその人がなにをかんがえているのか、なにを求めているのか、いまどんな気持ちなのか、居心地がいいのか悪いのか、なかなか表現してくれず、

もっとみる

冷蔵庫に忘れて傷みかけたきゅうりを発見したときのニーズ

共感的コミュニケーションを学びはじめた人から、よく、
「ニーズのことばを知らないからうまく共感できません」
といわれることがある。
たしかにニーズリストにはたくさんのことばが並んでいる。

 尊重
 帰属意識
 一貫性
 相互依存
 親密さ
 本物さ
 秩序
 インスピレーション

いわれればたしかにそういうニーズはあるよな、と思うものの、普段あまり使わなかったり、自分の語彙にはない言葉だったりす

もっとみる

贈りものとして書く文章

共感強化練習会に参加してくれた鹿児島の牧師の久保木聡さんと話していて、はっとさせられたことがある。
詳しい文脈の記憶はぼやけてしまったけれど、久保木さんがある雑誌に文章を連載していることについて、「贈りものとして書く」というような表現を使われたのだ。

そのことばだけがハイライトのように私の意識をとらえて、そうだった、私ももともと、自分がなにかを書くのはだれかにたいする贈りものとしてなのだった、と

もっとみる

関係修復のための共感セッション

うれしいことに、個人的に共感セッションを受けたいという人が増えてきている。
グループワークでは開示しにくいような、グループワークのような一定のプロセスではとらえにくいような、なんとなくもやもやした悩みだったりプライベートな問題だったり、あるいは長年にわたる深刻な問題を抱えているような人が、私の共感セッションを受けにくる。

その多くが、親しい間柄における関係性の問題だったりする。
夫婦や恋人など親

もっとみる

「正直であること」と「わがまま」の違い

共感的コミュニケーションでは自分のニーズにつながり、自分が本当に大切にしていること、必要としていることを満たすためになにができるか、といういきいきとした行動が重要だと説かれている。
『NVC』の著者であるマーシャル・ローゼンバーグは、著書のなかでも、また公開されているワークショップ映像のなかでも、
「自分がやりたいことだけやりなさい。やりたくない、気が向かないことは一切やらないほうがいい」
と説い

もっとみる

8月の天白朗読と共感のコラボWS、終了

2018年8月5日、名古屋市天白区の古民家スペース〈アロマファン〉にて、水野生惠さんが世話人をやってくれて、午前は現代朗読のワークショップを、午後は共感的コミュニケーションの勉強会をおこなった。
参加者はいつもよりすくなめだったが、その分じっくりと取り組めたように思う。

共感的コミュニケーションは座学になることが多いが(私の場合はね)、なるべく「ニーズにつながる」「自分自身に気づく」「いまこの瞬

もっとみる

お祝い日記をつける(共感手帳)

共感的コミュニケーション(NVC)を身につけるためにとにかくおすすめしたいのが、書くことだ。
書くといってもごく簡単なメモ程度のものをささっと書きつける習慣を持ってほしい、という程度のものだ。

手帳、ノート、スマホ、なんでもいいのだが、自分がもっとも気軽にメモできるもの、いつも持っているものにさっと書きつける習慣を、まず身につけたい。
なにを書きつけるのか、が肝要だ。

なにかできごとが起こり、

もっとみる