関係修復のための共感セッション
うれしいことに、個人的に共感セッションを受けたいという人が増えてきている。
グループワークでは開示しにくいような、グループワークのような一定のプロセスではとらえにくいような、なんとなくもやもやした悩みだったりプライベートな問題だったり、あるいは長年にわたる深刻な問題を抱えているような人が、私の共感セッションを受けにくる。
その多くが、親しい間柄における関係性の問題だったりする。
夫婦や恋人など親密な関係、親子や兄弟などの肉親関係など。
当事者がふたりで受けてくれることもある。
また、ふたりで受けたいんだけどどうすればいいだろうと相談されることもある。
そんなとき、まず確認するのは、相手にもいっしょの場でセッションを受ける合意があるかどうか、ということだ。
合意がないのはもってのほかだが、ときには気乗りがしないけどこちらに気遣って、とか、強引に押し切られていやいや、というケースもあったりする。
そんな場合、ふたりの間にはいる私としてはかなり苦労することになる。
関係を修復するための方法として、NVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)では「調停」というスキルがある。
かなりパワフルな方法で、きちんとしたプロセスがあり、正式にやるとなるとそれなりに準備が必要となる。
そこまできちんとしたものでなくても、共感の方法を用いればもうすこし気楽に関係修復のプロセスを踏むこともできる。
いずれも共感的コミュニケーションという体系が底流にある。
関係修復をはかりたいのに、相手がセッションの場に出ることに同意してくれないときはどうするか。
そんな場合、まずは本人と話をして、なにが必要なのか、どんなことを大切にしているのか、相手を尊重しつながるためにどんなことができるのか、まずは日常のなかで具体的にできることやかけられる具体的なことばをいっしょに探してみることをおすすめしている。
それだけでも関係が修復に向かうことがよくある。
相手だって関係を修復したいと思っているのだ。
たとえ関係を修復したくない、あんたの顔なんか二度と見たくない、といっていたとしても、そのことばの奥にあるニーズに耳をすますことができるかどうか。
本当は大切に思うあまり、どうしていいかわからなくなっているだけかもしれない。
その耳を作ることのお手伝いを、私はすこしできるかもしれない。