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【倫理の指導案】実存主義(ヤスパース・ハイデッガー・サルトル)×何のために生まれて、何をして生きるのか

本授業のターゲット生徒
倫理があまり得意ではない生徒

とっつきにくい倫理
中でも人間について考えるならこの分野
考えやすいに
考えやすいを掛け合わせよう


そうだ 人気アニメで、哲学しよう。



|授業の概要|

分野:実存主義(ヤスパース・ハイデッガー・サルトル)
テーマ:何のために生まれて、何をして生きるのか。
目標:直視すべきものを直視し、変えるべきものを変える。

|筆者の紹介|

この記事を書いている人:
ゆとりんり
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
ブログで「ちょっと変わった授業アイデア」まとめてます。


|このページの見かた|


\導入(鬼滅の刃で考える)/

まずはあの人気アニメ『鬼滅の刃』から導入です。映画の無限列車編の内容です。ですが映画を見てなくても大丈夫なようにしております。

こちらの展開、皆さんならどうですか?死ぬかもしれない戦い、皆さんなら戦いますか?

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先の質問は映画「鬼滅の刃 無限列車編」の煉獄杏寿郎が対面した場面からでした。実際、絶対に勝てない勝負を前に、煉獄さんはこのような誘いを敵から受けます。自分ならどうしますか?

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煉獄さんは内臓までボロボロになりながら、それでも戦う道を選ぶのです。鬼には限界がありませんが、人間には限界があるのです。

人間には限界があります。鬼になればその限界も突破できるのですが、できるならばしたいですか?そもそも、人間としての限界とは何でしょうか?

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\展開(ヤスパース)/

人間の限界からヤスパースの思想につなげます。倫理が苦手な人をメインターゲットに添えた今回。思想もできるだけ簡単にしています。

倫理の共通テストも「この人物はこういう思想」とざっくりと理解できているかが大切になりますので、簡単にと言っても侮れません。

ヤスパースは人間として超えられない壁を「死・罪・争・苦」としています。そしてその壁を目の前に挫折します。でもヤスパースは言います。それはメッセージなのです。その中でベストを尽くして生きろというメッセージなのです。と。

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煉獄杏寿郎の答えも載せています。映画を見てない人のためにもこちらをどうぞ。

さて、煉獄さんはどういった答えを示したのか。見てみましょう。

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煉獄さんは、老いることも 死ぬことも 人間という儚い 生き物の美しさだ と言っています。
つまり、死があるから尊いのが人間だということなのです。死から逃げず、直視した時に生の美しさに気づけると煉獄さんは言っているのです。

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\展開(ハイデッガー)/

次はハイデッガーです。教科書に合わせて「ハイデガー」に変えていただいても大丈夫です。

煉獄さんの思想はハイデッガーの思想に似ています。人間は死を直視せず、他のものに意識を向け、没個性人になっています。だからこそ「人間は死への存在である」と自覚しろとハイデッガーは言っています。

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仏教のような「いつかは死ぬのだから」という考え方だと、むしろ「結局死ぬからいいや」と主体性が失われるのでは?とも思われます。

そこで考えなくてはならないテーマが次です。

人間は死への存在。というのはわかったとしましょう。でも、死ぬのであれば、何のために生きているのでしょうか?考えたことありますか?

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\展開(アンパンマンで考える)/

アンパンマンマーチを真剣に聞いたことはありますでしょうか。高校生にこそ聞かせたい内容なのです。

皆さんもこちらはぜひ聞いてみてください。歌詞の一部を授業では生徒に見せます。必要なら聞かせてあげても良いでしょう。私は毎年流しています。

「なんのために生まれて」アンパンマンマーチの歌詞です。皆さんは答えられますか?「こたえられないなんて そんなのはいやだ」と歌詞でも言ってますね。

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生徒から意見を集約した上で、サルトルを紹介します。サラッと紹介だけでは勿体無い人物ですので、ここは少し掘り下げます。

サルトルは人間について「実存は本質に先立つ」という言葉を残しています。これは道具と違って、目的があって生まれるのではなく、自分で自分の可能性を未来に投じることで、自分を作っていけるのが人間であるということなのです。

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サルトルを深めます。サルトルに関するエピソードを少し生徒に理解しやすく変えてスライドにしました。本来は売春婦にかけた言葉ですが、現代ぽく辞めたい人にしています。

悩んでる友達がいたとしましょう。皆さんならなんと声をかけますか?
2つ例をもってきました。どっちがひどいと思いますか?

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一見かけてしまいそうなのはお坊さんの方ですよね。でもこれってサルトルからすると、人間をモノとして扱っているのと同義だそうですよ。未来を選べないですよね、あなた。それってモノですよね。と言っていると思ったら、少し考え方を改める必要ありそうですよね。

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人間には自由があるだけではありません。自由と同時に責任があります。特に皆さんは18歳になったらその責任を自ら負うことになります。口では簡単に責任という言葉を使えますが、意味をしっかり考えましょう。選択できるけど、責任があるのです。

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\まとめ(サルトル思想を自分へ)/

モノにならないために考えさせます。思想の日常への活用が私の考える授業の真骨頂。

環境のせいにしてきたものはありませんか?逃げてきたものと向き合ってみましょう。自分で選んでこそ人間です。さて、みんなが逃げてきたソレ、これからどうしますか?

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最後の最後に1枚おまけスライドを入れています。使わなければ消しちゃってください。漫画「BLEACH(ブリーチ)」には巻頭ポエムがありまして、2巻からの引用です。

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