電話営業初心者向けノウハウ集
前提
コロナ化で、リモートワークが前提だからテレマやテレアポは通用しない!と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、まだまだテレマは有効な手段です。※実体験より
その上で、今回は電話営業のノウハウを共有します。。
私はテレアポではなく、テレマーケティング(以降テレマ)という考え方で育ちました。
テレアポは「アポを取ること」が目的だが、テレマはリストの情報拡充(鮮度維持)も含めた考え方です。
その上で、私は手前味噌ですが、テレマが得意でした。
最初はとても苦労しましたが、徐々に本を読み、実行し、改善していく中で私なりの最適解を見出しました。
「私なりの」というのは、性格によってやり方は千差万別だからです。
私のやり方は、経験上、割と広い層に活用できると思っていますし、過去に勉強会を経て結果を出してくれたメンバーもいました。
ただ、相性はあります。
自分に合うやり方を見つけてください。
注意点
テレマやテレアポに関する書籍やネット情報は膨大にあります。
注意して頂きたいのは、それらに感銘を受けて実行してみよう!と思ったら、先ずは先入観や過去のやり方を捨ててください。
1冊の書籍ならそのやり方を通して実行してください。
初めから終わりまで通さずに良いとこ取りをしようとするのは厳禁です。
なぜなら、成功のロジックはバックボーンがしっかりしているから成果に繋がるからです。
自分なりのアクションを加えるのも厳禁です。
必勝パターンをしらない人が勝手にアレンジしてしまっては、元も子もないからです。
アジェンダ
第1章:基礎
相手の気持ちを考える
基本無くして応用なし
テレマのマはマーケティング
計画性と戦略
第2章:テクニック
いけす
確度の活用
テレマリストの活用方法
PDCA
第3章:マインド
プッシュ型とプル型
モチベーションの保ち型
因果応報
質と量
第1章:基礎
相手の気持ちを考える
テレマは相手の立場で考えれば、知らない人から望んでいないはずの電話が突然掛かってくる。少なくとも気持ちのバロメーターで言えば中以下。
例えばそこに、威勢良く「こんにちわー!」と、ハイテンションで電話が来たら、印象には残るが、人によってはそれだけでネガテイブに感じる人もいる。
相手の気持ちを考えるならば、ボソボソとは言わないが、通常の話し方程度を心掛けるべき。何故なら、テレマリストは限りがあり、何度もコールしないといけない。
ポジティブにアポが取れそうなお客様なら良いが、極少数。
多くは断られる中で、「この前も断った人」と印象付いてしまうと、更にガードが固くなる。これは訪問していても大事。
テレマも訪問も大なり小なりお客様の時間を割いてもらう。
そこで有益な情報提供が出来れば感謝されるし、売り込みばかりのプッシュでは辟易してしまう。
お客様とは対等な立場である。だから、極端にへり下る必要はない。
※勿論高圧的に行くのは論外。こちらとしてはお客様にとって重要な情報提供してあげたい。気が付かない課題やその解決法を教えてあげたい。と言う気持ちが大事。
営業する上で、普遍的な考え方である。
断られて当たり前
自身が営業電話受けても、興味が無ければ断ると思います。電話営業も同じです。断られることを前提で電話して断られても、「やっぱりね」という気持ちであることが大事です。
基本無くして応用なし
テレマのマニュアルなどは過去多くの人たちの知恵と結晶
基本に忠実にやれば、アポは取れる様になる。
社会人経験を積んていると、自分のやり方、バックグラウンドから、独自路線でやりたくなるが禁物である。
基本がしっかりしていなければ上辺だけで継続的な成果に繋がらない。
上司の指示を、自己判断で必要無いなどと解釈するメンバーもいる。
はっきり言うと出来ないメソッドは出来ない成長しかない。
売れる営業になりたければ売れる営業を真似すれば良いだけ。
自我を芽生えさせると、売れない要素が入り込み、結果出ない。
それに気が付かず、真似ている”つもり”になっている人間を多く見てきた。
基本が出来て、結果を出せてから自分の色を出すことは良い。
ただし、生半可な気持ちやマインドでやろうとすると、薄っぺらくなる。
営業である以上、結果は大事だし、自分がやりたいようにするならば結果出すしかない。
まずは基本をしっかりマスターする。
テレマの「マ」はマーケティング
お客様の課題解決に繋がる提案を評価される事が多い。
大事なのは成果を創出すること、他社との差別化。
テレマではお客様の状況、動向、趣向、活動などの情報を予め保持しておくことが大事。鮮度が命!
1社をずっと研究するのではなく、テレマの電話を掛ける数分で1つの情報を収集することで、何度もコールすれば蓄積される。
その情報が多ければ、次回コール時や訪問した際も、事業理解が進んでいれば準備にも活かせる。
アポが取れるのには、取れた理由がある。
マーケティングで得た情報を分析すると傾向も見えてくる。
後述するPDCAする意味でも、しっかりと市場動向を把握する必要がある。
傾向が分かれば対策も考えられる。
一方では受けなかった話題が、他方では受けることもある。
1件ごとに考えるのではなく、業態・法人格・規模・上場などの枠組みで情報をしっかりと集めることが重要
計画性と戦略
遠くの商業施設まで所持金500円で、1番早く辿り着くにはどうすれば良いか?
電車・車等⇒手段が戦略
手段を用いて、どの様に所持金を使って目的地へ向かうか?が計画
電車:どこまで所持金を使うと効率良いか?
クルマ:どの様に手配するか?時間要するか?
目標に辿り着く為にはいろんな方法がある。
それをただ闇雲に目標へ向かうのではなく、戦略を考え計画を立てて行動する事が勝てる人間。
テレマも同じである。
戦略を考えることは、一過性のものでなく、継続的に使える
受付拒否リストを絞込み、突破を試みるイントロトークを考える。
戦略を立てることで、PDCAが行えるようになる。
計画はいつまでに誰が何をするか?が重要
テレマに限らず、常に計画を立てて遂行すること。
第2章:テクニック
いけす
大海原で釣りをするより、釣り堀で釣りをする方が効率的。
アポにならずとも、興味ありのお客様が居れば、いつならアポが取れるのか?
今忙しい、なぜ忙しい?決算だから?イベント前だから?年末だから?期初だから?
忙しい理由を聞けば、忙しくない時を推測する。
確度中高まで行かないが、きっかけなどがあれば取れる、押せば取れる案件などをピックアップしておくと、精神衛生上楽になる。
必然といつならアポが取れるのかが分かる。その集合が「いけす」。
当月アポ進捗次第では、押せば取れそうという案件も、敢えて取らないというテクニック。
アポ数コントロールすることで、初訪準備に掛ける時間確保にも繋がる。
確度の活用
前提として、ターゲットリストには確度(高・中・低)を付与するべきである。
確度を用いることで、今後数カ月先の状況を把握しやすくなる。
確度設定には定義が必要である。
ルールに則り、厳しい判断とする事が、継続的にアポを取るコツ。
確度は無駄に中高を上げると、本当に取りたい時に活かせない。
中高が多いと安心する、見栄え的に中高があると良い言う輩もいるが、ナンセンス。
厳しい判断で確度を振り分けなければ、いざという時(アポ欲しいとき)に取れない。
確度でソートしても有象無象であふれていれば、本当に取れるものが埋もれてしまう。
ターゲットリストの活用方法
業種など細かく記載する事で、要件ソートとかDBあり等で絞り込みが出来る。
トーク内容を均一化することに繋げられる。
均一化により、質問や疑問などを踏まえて改善も出来る。
備考には電話対応の性別や年齢を簡潔に記載する。
今まで受付で拒否されていたが、違う人と分かる事で、突破の可能性を把握できる。
業種業態、種別を細かく入力する。
業種で絞り込んで、採用に特化したトークなどの展開も出来る。
同じ課題があれば、それを別案件にぶつけたりすることも出来る。
担当不在も、電話した際に不在であればステータスを都度変更する。
ステータスや記載事項を細かく入力することで、戦略立てに役立てられる。
担当不在ソート、担当者NGソート、受付拒否ソート
複数サイト有無、会員サイト有無、データベース有無
コール数3ヶ月超え、担当者接触3ヶ月超え
PDCA
計画性と戦略を離したが、そもそも、明確な戦略を以て挑まなければ振り返りも出来ない。
闇雲にコール頑張りました、では何も得られない。
採用に特化してコールしたが、採用の需要が無かった。
採用に注目される時期があるのでは?募集始まる前にコールしてみよう。
計画通りには事は進まない。
たいていの物事は計画通りにならない。
計画を立てて実行し、振り返って結果出なければ見直す。
計画を実行し結果が出なかった時には、それ以外の要因が考えられる。
時期かもしれない。
トークかもしれない。
声のトーンかもしれない。
計画と戦略を明確に持っていれば、上司・先輩からも明確なアドバイスが貰える。
正しく計画を実行し、色々な可能性を自己分析した上で相談すること。
アポ取れません、という悩みには、正しく答えられない。
アポが取れない要因は山ほどあるから。十人十色だから。
第3章:マインド
プッシュ型とプル型
例えばお客様が担当不在という事に対して、以下の違い。
担当はいつなら居るか?を詳しく聞くのがプッシュ型。
空気を読んで、分かりましたと引くのがプル型。
人の感性や考え方による。
自身の性格や、実行してみて感じたことなどを踏まえて、適正な手法に取り組むことが求められる。
プッシュ型はハートが強くないと耐えられない。
常にプッシュした方が、真実は見抜けるかもしれない。
断り文句で担当不在と言う事はかなりあるから、明確な言葉で断られる事で真実をハッキリさせて次へ進むというのも1つの戦法。
プル型は平穏に進められるが、その分コール数は求められる。
空気を読んで次に進みつつ、タイミングが合うことを夢見ながら、ひたすらコールすることも戦法。
モチベーションの保ち型
アポが取れなければ気持ちも落ちるが、行動を示すことでモチベーションを保つ。
結果だけで評価しない側面もある。それが行動指標である。
行動=計画と戦略を事前に考え、実践することで、アポ取れずとも成長が見込めれば評価される。
結果出ずとも、この様な戦略を持って挑んだけどアポが取れなかったと、堂々と言えるくらい、しっかり計画を立てることが大事。それは評価される。
「いけす」理論で、予定表を埋めて、この先アポが取れると保証する事でモチベーション保つ事も大事。
因果応報
コールが少なければアポも減る。
テレマでコールしていないのにもかかわらず、コール10件したいとか、担当接触4件でした、とか、相手が望んでいないにもかかわらず取り敢えず資料だけでも送りますと言う資料送付数稼ぎする輩がいます。
コールしたのか?と言う指摘に、目標10件に対し、2.3件でもしました!と言う輩もいるが、それはコールしていないのと一緒である。
コール数報告は重要ではない。
自己申告でいくら目標達成しているように見せても、実が伴っていなければ、結果として売上が上がらないという事になる。
上長とか、社歴が長ければ色々な人間を見ているし、他部署も見ている。
テレマ時間の雰囲気を見れば、正直コールしているか否かは分かります。
コールするもしないも、報告の数字を誤魔化しても、結局売上という部分に返ってくる。
コールせずにアポを取るには蓄積が必要。「いけす」を作り、安定的にアポが取れるのは時間と経験が必要。
質と量
質とは何か?
お客様の顕在課題、潜在課題が見えている、又は共有出来ていることを意味する。
課題解決してあげられる営業手法、課題無くして営業は成り立たない。
だから、マーケティングという観点でお客様の趣向を把握して、課題を探し当てる事が大事。
真摯に情報提供する事で信頼されていれば声かけてもらえる。
量も大事。
闇雲に量を増やすという事ではなく、結果を出す為の法則を導き出す事が近道になる為に量が必要。
大数の法則って言葉があるが、その法則を導き出すのには、まず数が必要。
確率や分析においても、少数のデータでは、正確な数値が導き出せない。
勿論アポが増えれば訪問が増える。
訪問の数をこなせば経験値が上がる。
失敗もするだろうが、その失敗に気がつく事、そしてそれを繰り返さない事が大事。
アポの数は必要。
新人が、テレマで示せる数字はコール数とアポ数である。
特にコールすることは、能力云々以前に誰でも実行できる作業である。
まとめ
今回紹介したテレマのノウハウ集は、テレマを生業としている職種に就いた方に向けたものです。
以前の職場では、テレマのみが新規顧客獲得の手法だったこともあり、様々な経験から、自身の振り返りも兼ねてアウトプットしてみました。
DX化という時流によって、様々な手法がどんどん試されています。
場合によっては時代遅れになるかもしれませんが、現時点でも、テレマは有効な手段の一つです。
元々は新規リード獲得のアウトバウンドコールを前提に作成しましたが、SaaS界隈ではインサイドセールスという概念も当たり前になりつつある今、ナーチャリングを含めたインバウンドコールにも、一部流用できる部分があるのでは?とも思っています。
今回は、初めての記事として、今までの経験をまとめました。
今後も、色々アウトプットしてきますので、宜しくお願い致します。
10,000円を持っていて、「10,000円しかない」と思うか、「10,000円も持っている」と考えるか?の違いです。
とは言え、テレマと言いつつ、アポ数はKPIとして示されるので、人によっては「同じだよね」という声もありました。
ただ、重要なのは、「アポを取ること」に対する考え方です。