「死とは何か:別れの悲しみと旅立ちの意味」
「死とは何か:別れの悲しみと旅立ちの意味」
「死」とは何でしょうか?
「死」は悲しいものでしょうか?
私が「死」というものについて深く考えるようになったのは、
母方の祖母の死がきっかけでした。
最後に会ったときの祖母の変わり果てた姿、
そして亡くなってから顔を見た瞬間の悲しみは、
今でも鮮明に覚えています。
しかし、
その夜、私の枕元に立った祖母の姿は、
これまで見たこともないような満面の笑顔でした。
私たちが「死」に直面したとき、
喪失感が大きくのしかかり、
「ただただ悲しい」と感じることが多いでしょう。
しかし、亡くなった人にとっては、
むしろ「旅立ち」という意味合いが強いのではないかと、
枕元で笑っていた祖母から感じました。
また、私のもとに相談に来た方の中にも、
親族が抗がん剤治療で苦しみながら亡くなっていく姿を見て
「私は絶対に抗がん剤をしたくない」と訴える方がいました。
その人が見た「死」は、非常に「苦しいもの」だったのです。
しばらくして夢の中に現れた時は
大好きだったご主人と共に、
顔色も戻りふっくらとした笑顔を見せてくれていました。
まるで「解放」されたかのような印象でした。
「死」とは何なのでしょうか?
愛する人がいなくなることは寂しいですが、
それは感情として理解できるものの、
生物学的には世代が移り変わる自然な流れです。
生と死は、
誕生→成長→成熟→老化→死→誕生というサイクルの一部に過ぎません。
私たちは「今」を生きていますが、
やがて死んだ後にどんな未来を残せるのか、
どのような社会を次世代に繋げられるのかを考えることも大切だと感じます。
私にとって「死」とは旅立ちです。
最愛の人が亡くなっても、
いずれその人がいないことが当たり前になり、
現実を生きる必要が出てきます。
人が死ぬことで一時的な悲しみはあっても、
いつまでも悲しみに浸っていられる時間はありません。
それが「死」を乗り越える方法のひとつではないでしょうか。
祖母の死には悔いが残ります。
ひ孫の顔を見せられなかったことが心残りです。
しかし、今は墓前にひ孫の顔を見せたいと思っています。
【大森裕介】
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