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*日常に色を添えてくれる大切な本*

小学生の時は、毎日図書館に通って、朝の読書の時間はチャイムが鳴るのが惜しいくらい本が大好きだったのだけど、いつの間にか本を読まなくなっていた。

だけど、自分の中に芽生えた感情や、心の動きを上手く表現したい、言葉にしたいと思って、昨年から読書を始めるようになった。

よしもとばななさんの「イヤシノウタ

図書館で借りて、読むと一つ一つの言葉が心のすき間にスっと染み込んできて、じわーっと心が温かくなる本。
わたしは基本、一度読んだら読み返すことはあまりないので買わないようにしていたのだけど、この本は手元に置いて何回も読み返したいと思い最近購入した。

落ち込んだ時、嬉しい時、愛しい時、傍に置いておきたいなぁと思った。

この本は、物語ではなく、
81篇のエッセイが綴られている。

「なんてことないように思えることが、あとですごくだいじになるよ」
鳥は世界をその声で清めるために存在しているのだ。鳥たちが毎日絶え間なく清めているから、世界は美しいのだと。

どのエッセイも、脈絡はないのだけれど、
共感したり、
「こんな考え方ステキだなぁ」って
思ったり、
「そうそう、上手く言葉にできなかったけど、私の気持ちを代弁してくれているなぁ」
って味方になってくれたり。

毎日を過ごしていく中で、気づかずに過ごしてしまっている、繊細な気持ちが表現されていて、日々の当たり前だけれど愛しい、大切なことを考えさせてくれる。

人生ってなんてすばらしいんだろう。
そんなささいな、しかし毎年更新される夏の思い出をきっと私はまだ当分持つことができる。
それだけでもう踊りだしたいくらい嬉しい。

イヤシノウタの中の、去年の夏という話。
夏のいちばんの思い出といわれれば、家族みんなで旅行に行って温泉で巨大プールに入ったということなはずなのだが、
子どもと一緒に流行りのポップコーンのお店の行列に並んだこと。
そのあとにカレー屋さんで家族でカレーを食べたこと。
そんなことを真っ先に思い出す。

「ささいなことほど覚えているものだよなぁ、分かるなぁ。」
って思いながら、読み終えた後になぜだか涙がこぼれていた。
きっと、わたしも大切にしたいと思っている家族との思い出、季節ごとの思い出。

それができていないから悲しいゆえの涙なのか、
いつか、その思い出たちを忘れてしまう日が来ることへの切なさへの涙なのか。

分からないけど、わたしもその思い出たちをこれから更新できることの喜びを噛み締めて、ステップを踏んで踊ろうと思う(笑)


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