朝勃ち減ったけど大丈夫?|ゆるり的勃起学|睾丸セラピストIzumi
お客様の自覚症状としてよく挙がるのが、「朝勃ちが減った」というもの。
朝勃ちは性機能低下や男性更年期障害のバロメーターとされますが、そもそも朝勃ちっていったい何なのでしょうか。
朝勃ちを知ると、EDも理解しやすくなります。
朝勃ちの正体
朝勃ちという呼び方が一般的になっていますが、正式には「夜間陰茎勃起(夜間勃起)」一部であり、睡眠中に繰り返される勃起の最後の状態が目覚めたときに持続している現象です。
睡眠中に3~5回程度の夜間勃起が起きるといわれています。つまり夜中パッと目が覚めた時に勃起していたら、それも朝勃ちにカウントして大丈夫です。
レム睡眠と夜間勃起の関係
夜間の睡眠には、「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」があります。
通常は2つの睡眠を交互に繰り返して(90分1セット)、朝の目覚めを迎えます。
夜間勃起は、主にレム睡眠と呼ばれる睡眠段階で発生します。
レム睡眠は、夢を見ることが多い、浅い睡眠の一部です。この段階では、脳が活発に働き、身体の筋肉が一時的に弛緩します。
レム睡眠中に神経系が活性化され、陰茎への血流が増加することで自然な勃起が起こります。
自律神経系の働き
勃起は副交感神経の支配を受けています。
副交感神経が活性化されると、陰茎の平滑筋が弛緩し、海綿体に血液が流れ込みます。これにより勃起が起こります。
レム睡眠中、副交感神経が優位になることで、夜間勃起を引き起こされるとされています。
テストステロンの役割
睡眠中に分泌されるテストステロン(男性ホルモン)も夜間勃起に影響を与えます。
テストステロンの分泌に必要なのが、深く質の良い睡眠です。睡眠不足や睡眠リズムの乱れが原因で、テストステロンが減少すると、夜間勃起げ減るとされています。
また、テストステロン値は早朝にピークを迎えるため、それも朝勃ちに影響があるようです。
朝勃ちの意義
勃起機能の確認
朝勃ちは、勃起機能や血管系の健康を示す重要な指標です。
心因性の勃起不全では朝勃ちは維持される一方、器質性(血管や神経の異常)の場合、朝勃ちが見られなくなることがあります。
EDかもと感じた時は、朝勃ちの有無を確認しましょう。
ED+朝勃ちがない→器質性EDの可能性あり
ED+朝勃ちがある→心因性EDの可能性あり
陰茎組織のメンテナンス
夜間勃起がなぜ起きるのかということはわかっていませんが、陰茎組織(血管や筋肉)のメンテナンス、試運転と考えられています。
筋肉は使わないと萎縮して行き、柔軟性を失います。それを防いでくれるのが夜間勃起をいうわけです。
朝勃ちの誤解
おしっことは関係ない
上記にあるとおり、睡眠との連動で起こる生理現象なので、おしっこが溜まっているから勃つというわけではありません。
お客様にトイレ行きたい時は勃ってるといわれることがありますが、それは眠りが浅い時にトイレに起きているということでしょう。
性的興奮とは関係ない
朝勃ちは、性的な興奮や夢と関係ない場合がほとんどです。純粋に生理現象として起きるものです。
朝勃ちがない=ED、ではない
朝勃ちがないからと言って、EDや男性更年期障害というわけではありません。
夜間レム睡眠中のみ勃起し、朝には勃起が収まっていることもあるので、目撃できていないだけという場合もあります。
朝勃ちが減る原因
睡眠不足、睡眠の質が悪い
ストレスや疲労
テストステロンの減少
血管や神経の問題(動脈硬化など)
私個人としては、睡眠の質の影響が大きいと思います。
睡眠の質は、熟睡感や寝心地、目覚め感などへの満足度だけでなく、日中の生活や体内リズムの状態も含め多面的に評価されます。
加齢とともに、睡眠は浅くなるだけでなく、時間も短くなっていきます。
睡眠自体が乱れるので、睡眠と連動している朝勃ちも乱れる。
夜勤があったり、生活時間が一定でないお客様が朝勃ちの減少を訴えることが多いので、血管や神経に問題がない場合は、睡眠の質を見直してみましょう。
睡眠の質向上については、また別の機会にお話しします。
これだけ覚えて
朝勃ちは睡眠との関連
朝勃起がない=ED、ではない
朝勃ちはEDのタイプ判別の手助けになる
朝勃ちは血管や筋肉の試運転
朝勃ちが減ったら睡眠を改善してみよう