朝5分の過ごしかた
「こーくんも、りーくんを迎えに行くわ。」
今春から小学生になった兄を登校班の集合場所まで送るという弟。
次男はいつも「送りに行く」と「迎えに行く」がゴッチャになる。未だに「おかえり」と「ただいま」の使い分けも微妙な4歳児…大丈夫か?
さて、話を戻そう。
兄を見送りたいとは、実に微笑ましい。
しかし!!
母は仕事だ。長男を見送ったら今度は次男を保育園に送って出勤しなければならない。朝の貴重な5分!できれば家に留まっていただきたいのだが、止めれば泣きだして余計に時間がかかるし…まぁええか~と一緒に集合場所まで行かせることにした。
集合場所までは徒歩1分ほどで家の前の道路を横切って少し住宅街の中に入ったらすぐの所。兄を見送ってから一人でも帰ってこれるだろうと、兄についていきたがる次男の気持ちを優先した。
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ある日の朝、一本のLINE通知が届く。
「Aくんのおかあさんがこーくんを家まで送ってくれてるで。ひとりは危ないわ。」
長男の同級生のお母さんからだった。
「ひゃー、いつも送ってもらってたんやー。」
正直、次男が集合場所からひとりで家に帰ってくることに全く抵抗を感じなかったわけではなかったが、いつも遊んでいる生活道路だし、割と小さい頃からストライダーと自転車で一緒に出掛けて交通ルールを覚え込ませていたつもりだったので大丈夫だろうと判断していた。しかしながら、他のお母さん達からすると心配で仕方なかったようだ。現に、同じ登校班にいる長男の同級生のお母さんが代わるがわる送ってくれていたことを後になって知った。
いやぁ、どうしようと思いつつ、まずはAくんのお母さんにお礼のLINEを送った。
そして、お母さん達に迷惑もかけるし、やっぱりついていくしかないんかなぁと、なんとなくモヤっとしながら考えているとAくんのお母さんからの返信が届いた。
そのLINEには彼女の優しさがあふれていた。
「こーくんのおにいちゃんについていきたい気持ちを大事にしたいし、ほんとちょっとの距離だけど、もし何かあったら後悔するから勝手に送らせてもらってます。」と書いてあった。
「これで、ゆるりさんから送らなくていいって言われたり、こーくんがお兄ちゃんについてこなくなったら、すごく悲しい。」と。
実際にはもっと長文だったが、私を責めるわけでもなく、私の気持ちに配慮して丁寧に綴られたLINEの文章に心が溶けた。
「他のお母さんたちにもやることがいっぱいあって、余計な手間をかけるのはすごく迷惑だし、やっぱり自分が付き添っていくしかないわ。」と、そのLINEを読むまでは思っていたのだが、ふいに「Aくんのお母さんに頼ったらいいか~.。」と思えた。
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私たち夫婦の両親は他界しており、私は結婚で今の土地に移り住んだこともあって、頼れる人が周りにおらず、長男が生まれたときから2人で(というか、私が)必死に子育てしてきた。もちろん、7年近くの子育て期間に色々なことがあったし、助けてもらったことも山ほどある。だけど、もともと人に頼ることが苦手で、これまでもたいがいのことは自分がやればいいって思いこんで生きてきた。
でも、子育ては地域も含めてみんなでするもんだなぁとつくづく思うし、子どもが色々な人との出会いを繋いでくれてるなとも感じる。
そして、なにより…ひとりで頑張るのは
「ムリ~!!」(笑)
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そのLINEを貰った次の日から私は集合場所まで次男を迎えに行っている。
長男と次男を玄関で見送って、3分ほど身支度をしてから出発。少々遅れたときはAくんのお母さんが送ってくれる。
「抱っこして~!」と、15㎏の次男を抱えて徒歩1分の帰り道。これぐらいの距離ならまだ抱っこできる。
あと1年ぐらい、こんな朝の5分を過ごしてもいいじゃないか。
追記:数日後の兄の学級通信に載っていた。
なーんか全て繋がってるよなぁ~。
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