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生き方

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#日記

人の一生なんてたいしたものではないが、それでもいいものだー永井荷風の日記

人の一生なんてたいしたものではないが、それでもいいものだー永井荷風の日記

人の一生なんてたいしたものではない。どれほど有名になろうと、歴史に名を残そうと、しれている。

そう言い切れるほどの人生経験をぼくは持っていないが、有名人の日記を読むと、しみじみとそう感じさせられる。

永井荷風の日記

ぼくが愛読していて、そして気負って生きているすべての人におすすめしたいのは、永井荷風の日記『断腸亭日乗』である。

ただし荷風の人生は、傍目には決して地味なものとはいいがたい。む

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日々のあれこれ ほほえみ日記

日々のあれこれ ほほえみ日記

日差しが優しく穏やかな今日この頃、絵やパッチワークに写真、などなど、日々、自発的に生き生きとすごしていると、仕事に追われる日々もなんだかこころおだやかにすごせるものですネ♡。

ほんとうに大事な情報というのは、決してオープンな場所で語られたりはしないものだ。ただし、なにが「ほんとうに大事」なのかは人によってことなる。たとえば「おいしいもうけ話」こそが本当に大事な情報だと思っている人もいるだろう。

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無名性がクリテイティブな力になる

無名性がクリテイティブな力になる

ぼくは海外のポッドキャストを聴くのがスキで毎日散歩しながら聞いている。おもしろいポッドキャストを聴くとTwitterに内容をアップすることが多いんだけど140文字では窮屈なので今日はこっちに書く。

今日聞いたのはロドリゴ・アマランテというブラジル人ミュージシャンの話である。かれはブラジルでは有名なミュージシャンなのだが、そのことに飽き足らなくなってアメリカにわたってきたという。もういちど無名の存

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「あの世」はあったほうがいいのかないほうがいいのか

「あの世」はあったほうがいいのかないほうがいいのか

アメリカでは金持ちがチャリティを行うことが多い。金持ちのステータス誇示という面もあるが、そもそもキリスト教的な価値観を持っているからだともいえる。

しかし、中でもビル・ゲイツの活動は突出している。こないだNHKスペシャルでゲイツが出てきて、自分が慈善事業に励みだしたきっかけを語っていた。「アフリカの困窮をまのあたりにして考えが変わった」のだそうである。ふーん・・いかにももっともらしいが、でもちょ

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針の目

針の目

若いころには「可能性は無限だ」みたいなことが言われるけど、あれがウソか本当かいえばまあまあ本当である。

しかし、若い人には自覚がない。「ああ、たくさんの選択肢があるなあ」などと思いながら生きている人はおらず、ただ突っ走っているだけだ。あとになって振り返り「あっちの道を選んだらどうだったのかなあ」などと思ってみるだけのことだ。

逆に年をとって可能性がまったく無くなるかというとそうでもなく、環境を

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オヤジねはんでまつ

オヤジねはんでまつ

感情というのはまるっきりガソリンである。ガソリン「のようなもの」ではなくてモロにガソリンだ。

最初に点火するのは、ちょっとした正義の火花かもしれない。だがいったんボーボーと燃え広がり始めたら正義もクソもない。山火事のようにすべてを飲み込んで燃え上がるだけである。

それがわかっている人にはあらためてこんなことを言う必要はないし、わかっていない人にはいってもむだだ。

オヤジねはんでまつ

という

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天性の詐欺師―国利民福の会事件

天性の詐欺師―国利民福の会事件

いまどきの電車はだいたい自動改札がついているがかつては駅員さんが切符を切っていた。ぼくは高校生のころ、定期券の期限が切れていることを知らず3日ほどつかいつづけていたことがあるが、まったく気づかれなかった。

3日間も気づかれないということは、駅員さんは定期券に記載された日付は読んでいなかったということである。駅員さんが見ていたのは、日付ではなく不審な空気を出しているやつ、おどおどしているやつ、伏し

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孤独死したマンガ家さんの絶筆原稿に思う―『生ポのポエムさん』

孤独死したマンガ家さんの絶筆原稿に思う―『生ポのポエムさん』

Amazon Kindleに『生ポのポエムさん』というマンガがある。還暦直前に孤独死したマンガ家さんの絶筆原稿だ。

このマンガ家さん(以下ポエムさん)は、雑誌から次々に連載を切られた上に重度の糖尿病を患って失明の危機に追い詰められた。そこで生活保護を申請し、その過程をマンガに描くことでなんとか立ち直ろうとしていたが、その矢先に孤独死してしまったのである。作品は第一話だけで終わっている。ちなみに絶

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文章はデトックス

文章はデトックス

先ごろカナダ留学を決めた芸人の光浦靖子さんが『50歳になりまして』という本を出版したそうだ。その本は読んでないけどインタビューを受けている記事を読んでいていろいろ共感できるところがあった。一番共感したのは、本を書き終わってスッキリしたという感想だ。

――今回、本を書いたことで、光浦さんの中でどんな変化がありましたか?

光浦 デトックスじゃないけど、次のステップに行けるなと思いました。行こう行こ

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長渕剛と大滝詠一はどっちがグレートか?

長渕剛と大滝詠一はどっちがグレートか?

本当に影響を受けたものであるとか、心の底から好きなものについては、こういった場所ではなかなか語れないものである。思いがこもりすぎて語るのがおっくうになり、伸ばし伸ばしにしているうちにどんどん語りにくくなる。

たとえば、ぼくの好きな映画オールタイムベスト1についてはここでもほかのどこでも一度も書いたことがないが、それは自分にとっての「聖域」みたいなものであり、テキトーな言葉でおいそれとは語れないの

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家族の問題

家族の問題

悩みのない人はいるけど問題のない人はいないんじゃないだろうか。

悩みのない人というのはぼくのことである。まえにも書いたけど(「世の中にイヤなことはいっぱいあるけど、悩みというのはないような気がする」)僕は悩むということをしない性分だ。しかし悩みはなくても問題はたくさん抱えている。

正確には悩みはゼロではなく、5分くらいは暗澹たる気持ちになるのでアレが悩んでいる状態なのだろう。なので悩みは5分あ

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思い出のスプライト・・

思い出のスプライト・・

ぼくが子どものころ「青酸コーラ無差別殺人事件」というのが全国を震撼させたことがある。いましらべてみたら1977年の事件だからぼくは10歳か11歳の頃だ。小学5年生だったと思う。

東京と大阪の電話ボックスなどに「青酸入り」のコーラが置かれ、それを飲んだ人が次々に倒れ、死者を出す惨事となった事件です。

東京・品川の電話ボックスに置かれていたコーラを飲んだ16歳の男性が死亡し、つぎに同じく46歳の男

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「自分」より「真実」がスキ

「自分」より「真実」がスキ

ジャーナリズムは「なにが真実なのか」を追及するし、野党は「なにが真実なのか」をめぐって国会答弁をする。しかしかれらにとって「なにが真実なのか」はものごとの入り口でしかない。出口は別のところにあり「なにが真実か」という議論は「利益の追求」という目的ために使われる道具である。

野党が国会で真相を追求するのはそれが自分の党の得になりひいては自分の得になるからだ。ぎゃくに与党が真実を隠そうとするのもその

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大半の「なるようにしかならない」は気休めでしかないが本気でそう思っている場合もある

大半の「なるようにしかならない」は気休めでしかないが本気でそう思っている場合もある

世の中には意味のないことばというものがある。困ったときに「まあなるようにしかならないから」というのもそれだ。口癖のように使われるが、その割にはほんとうに「なるようにしかならない」と落ち着いていられる人はほとんどいない。

大半の「なるようにしかならない」は「まあ大丈夫だろう」と根拠なく言っているだけである。「取って食われるわけじゃなし」と言っているのと変わらず、無意味なコトバだ。暑いときに「暑い暑

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