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【詩】噂

ここにとても美味しいと言われる飴がある。美味しさを想像するとじわじわと雨が降り出し、口の中に虹が出る。するすると透明の花が伸び、あたり一面に光が咲く。そんな飴を誰もが食べたいと言うが、飴はここにひとつだけ。幸福の可能性は限りなく広く、深い、らしい。そこに潜む味を美味しいと言った人がどこにいるのか、誰も知らない。真実と現実は北と南くらい離れているんだってことも、まだ誰も知らない。

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小鳥遊 ゆに (Yuni Takanashi)
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