【感想】『若い読者のための宗教史』リチャード・ホロウェイ著、上杉隼人、片桐恵里訳、すばる舎(2019年)
このシリーズは歴史をさらうのに、フラットな解釈をされているので、ゼロの状態から学ぶのに適していて、好きです。
宗教も学問も人間の感情と密接になっているので、きれいごとでは済まされない判断が何度も起きています。
ヨーロッパ、中東にヨーロッパ、中東において、たくさんの血が流れてきました。その原因の一つが政治と宗教が密接に関係したからです。
だからこそ、アメリカ合衆国は宗教に社会の支配権を与えず、指導者の権限を宗教集団の中にだけに抑えたことは画期的な方策だと思いました。
ひとつのところに権力が集中すると、周囲との関係は歪んでいきます。
大きなエネルギーはまわりに影響を及ぼしていくのと一緒ですね。
もちろん、多くの人々を救ってきた実績もあり、手放しで非難することはできません。厳しい環境にある人たちにとって、拠り所は必要になります。
しかし、宗教という言葉を聞くと、日本人はあまりいいイメージを持たない人が多いのではないでしょうか。豊かである証明だと思います。
自分は◯◯教、◯◯派だよと言える人は現代日本人では少なくなってきているのでしょう。もしかしたら、世界中で減ってきているのかもしれません。
超自然的な解釈が科学によって解明されているためですね。
今後は「科学(学閥)」=「宗教」
となるのかもしれません。
何にせよ、価値観の違いから起こる争いによって、血が流れてほしくないものです。