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くまモンに学ぶ仕事の流儀

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くまモンの快進撃を紐解いていくと、その誕生から今に至るまで、ありとあらゆるビジネスのヒントが隠されている。
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2019年2月の記事一覧

ゆるキャラの教科書(1)基本編

以前ほどのブームではなくなったとはいえ、2018年末のゆるキャラグランプリでは、ご当地部門だけでもエントリー数507体。平均すると、各都道府県10体以上がエントリーしていたことになります。くまモンがプロフェッショナルで特集されたり、「にゃんごすたー」や「ちぃたん☆」などが話題になるなど、まだまだゆるキャラに期待を寄せる人達は存在しているんじゃないかな、と感じます。 ただ、これまでにすでに数多くのゆるキャラがこの世に生み出され、時に税金の無駄使いと罵倒されたり、子供達に蹴

くまモンに学ぶ仕事の流儀(12)キャラクターを超える

第4章 震災のあと その1   キャラクターとしての存在を超えた日 2017年4月に熊本県は大きな地震に襲われました。くまモンはその日からしばらく活動を停止し、毎日更新していたtwitterも途絶えました。 ただ(5)で書いたようにくまモンは以前にも震災で活動停止した過去があります。 きっとまたその時のように、復活を遂げてくれるだろうと信じていた人は多かったと思います。 そして5月5日の子供の日、避難所になっている幼稚園を訪問するところから活動を再開したわけですが… そ

くまモンに学ぶ仕事の流儀(13)転んでもタダでは起きない

第4章 震災のあと その2    転んでもタダでは起きない 実は、震災があった時、私はくまモンの復活を信じていただけでなく、これを機に、熊本県はさらなる快進撃を見せるだろうと予想していました。 全国から熊本への関心が集まることに加え、蒲島知事を中心とした県庁の結束力やデザイン思考が機能すれば、まさに「ピンチをチャンスに」するだろう、と思ったのです。 その予測はどうやら当たっていました。 震災後は、復興支援として各地で応援フェアが行われたり、熊本県産品が積極的に採用された

くまモンに学ぶ仕事の流儀(番外編・前編)プロフェッショナルなのは誰か

NHKプロフェッショナルに登場したくまモンを見て刺激され、くまモンのプロフェッショナルぶりにいかに仕事に活かせるエッセンスが詰まっているかを、全14回に渡り書き連ねてきました。ただ、時系列に並べてしまったので、その内容については話題が入り組んでしまってわかりにくかったかもしれません。また、「くまモン」はあくまでもキャラクター。彼をプロフェッショナルたらしめているのは彼を支える実在の人々です。そこで、くまモンを取り巻く人々とそのプロフェッショナルぶりをあらためて羅列的にご紹介し

くまモンに学ぶ仕事の流儀(番外編・後編)プロフェッショナルなのは誰か

前編では、熊本県知事、デザイナーの水野学さん、着ぐるみ制作会社をご紹介しましたが、後編は以下の3組をご紹介します。 ④県庁の皆さん プロフェッショナルでも取り上げられていたように、くまモンの活動を支えているのは知事直轄の「くまモングループ」(元くまもとブランド推進課)という部署に所属する県庁職員の皆さんです。彼らが、くまモンの利用許諾申請を審査しているだけでなく、くまモンの活動そのものを決定しているわけで、ある意味くまモンの頭脳とも言えます。ただでさえ、行政職員は自分達が