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出版業界のすみっこで

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出版業界のすみっこからみる、本や出版についてのはなし
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#ビジネス

「読書会」とはなにか? なにがおもしろいのか?

「読書会」とはなにか? なにがおもしろいのか?

『なぜ「読書会」で出会えるのか?』では、「読書会」の構造から、人と出会える理由を考えた。読書会は、共通する趣味や関心を持ち、本を読んでくるという障壁を超えた人が、同じ目線で話ができる場だ。だから、参加者同士の共感が生まれやすい。話も盛り上がりやすい。設計しなくても、ある程度、「本」という間に入る存在によって、安全と安心が担保され、人と人がつながりやすい構造になっているのだ。

今回は、本を読んでき

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冬の"熱風"が背中を押してくれた。スタジオジブリ『熱風』11月号を読んで。

冬の"熱風"が背中を押してくれた。スタジオジブリ『熱風』11月号を読んで。

スタジオジブリの『熱風』11月号の特集読んだ。谷底に落とされたような感覚になった。わかっていたつもりの、社会のこと、歴史のこと、日本のこと、そして「自分自身」について、なにも"わかっていないこと"を突きつけられたのだ。でも、なぜだか、興奮しているのは、「知らないということを教えてくれた」ということと、その中で「どう生きるのか」を問われている気がしたからだ。

11月号の特集は、『座談会 経産省

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ベストセラーコードは物語を均一化させるのか。それとも発酵させるのか。

ベストセラーコードは物語を均一化させるのか。それとも発酵させるのか。

だいたい1カ月も前に読み終わったというのに、いまだその興奮から覚めていない。会社のデスクの置かれた『ベストセラーコード』には、他の本よりも多く付箋が貼ってある。それに端がよれている。はやくこれを実践してみせろよ、と言われているかのようで、胸がそわそわする。

この本が特異なのは、この"1冊だけ"がおもしろいわけではないことだ。もちろん、この本自体はとてもおもしろい。だが、この1冊を読むことによって

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コンテンツマーケティングと雑誌

コンテンツマーケティングは、おそらく有効な手段なんだろう。だけどたまに、ちょっとだけ違和感があるのは、コンテンツが何かの手段でしかないと言われている気がするからだ。
そして手段としてのコンテンツは、持続可能性があるのだろうか。

いや、確かに、成功していると言われるWebサイトやECサイトはコンテンツマーケティングなんだろうけど、何かを売ることが第一ではない気がするのだ。

コンテンツマーケティン

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本に価値はあるの? ネットにとってかわられるの? 生産性と不便益から考える本の価値。

本に価値はあるの? ネットにとってかわられるの? 生産性と不便益から考える本の価値。

みなさんは、なにを求めて本を読みますか? それは本でないといけない理由はありますか?

頭の整理もかねて、本を読む価値というのを考えてみた。
これから考えていく本を読む価値については、書籍編集が長い方はご存じなのかもしれないし、主にビジネス書や実用系の書籍に限る話かもしれない。
ただ今回ぼくは、本を読む価値というものを、「生産性」という概念と、最近読んだ『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き

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あなたがネガティブなのは性格のせいではない。前向きになるのは技術だ。

あなたがネガティブなのは性格のせいではない。前向きになるのは技術だ。

“「質問」が思考をつくる”という考えに出会ったとき、ぼくは衝撃を覚えた。
なぜなら、日常すべての思考、行動には自分自身への無意識の「質問」があり、その「質問」が自分の視点、考え方、行動を支配していていることを発見したからだ。そして、“意図的に”質問を変えることで、見える世界が変わり、思考が変わり、行動が変わることを実感したからだ。
会社の新人研修で出会ったこの本、
『新版 すべては「前向き質問」で

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ぼくがダイエットできないのは心のせいではない。

ぼくがダイエットできないのは心のせいではない。

いろんな問題を"心"というふわりとしたもののせいにしがちだけど、もしかしたら、それは単なる習慣かもしれないし、癖かもしれない。(心の病気はあると思うけど)

『行動分析学入門』(杉山 尚子著)では、行動の理由を「行動随伴性」という概念で説明する。
簡単に言えば、行動を分解し、行動の前後での変化に着目する。行動の後にメリットがあれば、その行動が"強化"され、繰り返すというものだ。
心に原因を求め

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