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頑張る人こそ、残業をやめよう

こんにちは!ゲームプログラマの遊理です。
今日のテーマは、「残業をやめよう」です。


「残業をやめよう」と聞くと、「仕事を早く切り上げろ」とか、「ワークライフバランス」の話かと思われがちですが、私が今日お伝えしたいのは、残業を減らしてできた時間を「インプット」に使うことの大切さです。
ゲーム開発の現場で働いていると、つい面白くて熱中してしまいがちです。思いついたネタを自由に試したいときもあります。ただ、やみくもに夜遅くまでアウトプットに注力するよりも、新しい知識や刺激を取り入れて自分の幅を広げるほうが、長期的には成果を高めると感じています。

2025/2/2 追記 動画版も公開しました!

長時間労働のデメリット

ゲーム制作の現場では、いつも夜遅くまで仕事を続ける人を何人も見てきましたし、私自身も昔はそうで、月間の残業時間が60時間を超えるケースも珍しくありませんでした。
長時間労働をしていると、当然アウトプット量は多いのですが、最近のゲームをプレイする時間がなくなっていきます。具体的には、2018年ごろ、「PUBG」も「フォートナイト」も遊んだことが無い人がチームにいました。プログラミング能力はとても高かったのですが、最近のトレンドをふまえたゲームデザインに関する議論には、加われていませんでした。
さらに、技術書を読む時間も取れず、最新のエンジンやAI技術などをチェックするタイミングも逃してしまいます。これだと、長時間労働の割にクリエイティブな引き出しが増えづらそうに感じていました。

アウトプットよりもインプットに時間を使おう!

残業でアウトプットばかり積み重ねるよりも、その分の時間を「インプット」に使うほうが効果的だと、私は考えています。世の中にはゲーム開発に関する技術情報が山ほどありますし、新作タイトルを遊ぶこと自体が最高の学びになるはずです。最近はUnreal EngineやUnityの情報も公式チュートリアルから個人ブログまで豊富にそろっていますし、自分の担当外の技術を試してみる絶好の機会だと思います。マネジメントやプロデュースなどに関するビジネス書を読んでみることもいいと思います。

また、生成AIの進化が進んでいる今、プライベートの時間で画像生成や音楽生成、動画生成を試してみるのも面白いと感じています。業務時間内ではリスクを考えて導入をためらうツールでも、個人的に使う分には自由度が高いですよね。自分で触れることで「こんなことまで簡単にできるんだ」「これなら仕事に活かせそうだ」といった発見があると思います。

さらに、プログラマとしてコードばかり書くのではなく、デザインやモデル制作を少し学んでみるのもおすすめです。私自身、以前Blenderでモデリングの練習をしてみたことがあるのですが、まったくの素人でもモデルを動かしてみると「モデラーやアニメーターって、こんな苦労をしながらデータを作っているんだな」と実感できました。そういう体験は、他部署の人とのコミュニケーションにも役立ちますし、何より仕事への理解が深まると感じています。

実際、私の場合、上記のような取り組みを始めてから、とても多くのことに考えが及ぶようになりました。プログラミングだけでなくマネジメントの考え方ができるようになったり、ゲームデザインに関する議論に深くかかわれたり、アーティストとのコミュニケーションが上手になったような気もします。

なお、私の所属している会社では、そういった業務外の自由研究は会社の残業時間でやってはいけなかったのですが、もし会社から許可が出るのであれば、残業して行うのでもいいかと思います。

とはいえ、ゲーム制作は楽しい

もちろん、残業がすべて悪いわけではないと考えています。スキルアップのために、どうしても深夜まで実装してみたいことがあるなら、会社やチームが容認してくれる範囲でやってみるのもアリかもしれません。
ただ、もし何かを学んだり、新しい挑戦をしたりする時間がまったく取れないほど働き続けているなら、少し残業を減らして「自分の成長に必要なインプットを確保する」ことを意識してみると良いのではないでしょうか。

ゲーム制作は楽しいからこそ、気づけばアウトプットに偏りやすいです。でも、私自身はいろんなタイトルや新しい技術に触れて刺激を得る時間こそが、クリエイターとしての幅を広げてくれると思っています。そのほうが結果的に、将来的にはより高いクオリティのゲームを生み出せるのではないかとも感じます。

なので、もし「もっと成長したい」「大好きなゲーム開発で結果を出したい」と思っている方がいらっしゃったら、まずはインプットとアウトプットのバランスを整えてみるといいかもしれません。自分の得意分野だけでなく、ちょっと離れたところへ手を伸ばしてみる。やってみると意外な発見があって、モチベーションも高まり、ひいては仕事の効率も上がるんじゃないかなと思います。

おわりに

結論として、私は「残業をしなくても成長できるし、むしろいろいろな学びを得るために残業を減らそう」という考え方を大切にしています。もちろん、やりたいときはやる、でも無理に長時間労働を続けない。そんなふうに、自分なりのスタイルを作ることで、ゲーム制作の楽しさやクリエイティブな面白さをより深く味わえるのではないでしょうか。


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