「芍薬甘草湯」は脚を攣(つ)りにくくするのか、ロング走で試してみた
走り始めて10年以上経つのに、未だロング走やトレイルランで悩まされることがあります。脚が攣る(つる)ことです。ずっと続く上り下りで筋肉が疲れきってしまったときだけでなく、フルマラソンの終盤やウルトラマラソン の途中でもつったことがあります。その予防に効果があるかもしれないという漢方薬を、試してみました。
長い付き合いの「脚つり」
私の場合、足がつる前兆はふくらはぎに出ます。ピクピクと短いけいれんが始まるのが危険信号。左右どちらから来るのかは、その時々です。けいれんだけですむときもありますが、さらに疲労が進むとつってしまいます。けいれんが始まった後は、脚の予期せぬ動き(道の段差の高さを見誤っておっとっととなるとか)に細心の注意を払わないといけません。
筋肉を酷使するトレイルラン(私は長くて50kmほど)の後半でつってしまうのは、もう脚が売り切れたと諦めもつきます。でも30km前後のトレランやあまり高低差がないフルマラソン、ゆっくり走るウルトラマラソンでは回避したいところ。だけど、かかとを上げ下げするカーフレイズとかでふくらはぎを重点的に鍛えたつもりでも、塩タブレットとスポーツドリンクでしっかり水分・塩分補給しても、やはりだめな時はダメなのです。
快調に走ってたフルマラソンでも
1番悔しかったのは、数年前のフルマラソン。自己ベスト更新と目標タイム突破を目指して順調に走っていた35km過ぎ、突然右の袋はぎが激しくつりました。このときは何も前兆がありませんでした。
フルマラソンで立ち止まってしまったのは、大苦戦した初回とこの時の2回だけです。強い痛みがおさまってからもけいれんが続いてスピードを出せず、3分ぐらいは時間が上積みされたと思います。体力も気力もまだ残ってるのに思い切り走れないのは、何ともやらせないものです。
漢方薬が希望の光となるか?
そんな大敵だった「脚つり」ですが、昨年読んだ大槻大悟さんの『ランニングの処方箋』に、もしかすると予防に効果があるかもしれないという漢方薬について書かれていました。その部分を引用します。
この本は、何度か書いていますが、一読して「私のランニングのバイブルにしよう」と決めた本です。サブスリーランナーで医師でもある著者が徹底的に科学的な視点からランニングのフォームや栄養などを分析するのが大きな魅力です。
と同時に、このように「科学的な裏付けは取れていないけれど効果があるかもしれないこと」も、ちゃんと注記を添えて書いてくれているところが、まさにランナー視点。とてもありがたいです。
実際に試してみた
記載されていた「芍薬甘草湯」。「しゃくやくかんぞうとう」、と読みます。自分でも購入し、ロング走で試してみることにしました。ウェブの紹介ページでは、たしかに「筋肉のけいれんやこむらがえり」(つること)に効果があると記されていました。そんな効用を持つ漢方薬があるとは知りませんでした。
私がこれを使ったのは、60km走とフルマラソン。60km走は、トレイルではありませんがかなりアップダウンがあるコースでした。どちらもスタートの1時間位前に1包飲み、走る時間が長い60km走ではもう1包をリュックに入れて40km位でそれも飲みました。漢方薬特有の味がします。
その結果は・・・
60km走では、55kmぐらいから両ふくらはぎの軽いけいれん(私にとっての危険信号)が起きました。でもつってしまうことはなく、さほど気にするほどでもない程度。ペースも1キロ6分ぐらいを保ってそのままゴール。ゴール後も、つることなく済みました。
また昨年末のフルマラソンでは、終盤のけいれんが出ることもなく、ゴールまで走りきれました。
60km走は、あれだけ上り下りがあれば、普段なら40km過ぎからけいれんが出始めたのではないかと思います。フルマラソンも、けいれんなしでゴールまで行けたのは久しぶりです。
まだ2回だけのトライなので確かなことは言えませんが、「足をつりにくくする効果はありそうだ(これを飲めば全くつらないというわけではないけれど)」というのが、私の印象です。
今回、60km走もフルマラソンも気温が低めの時期でした。汗をたっぷりかく春や秋のロング走ではどうなるかも、今後試してみたいところです。暖かくなったら、20〜30kmほどの日帰り山歩きでも使ってみようと思います。あと、今回は予防として飲みましたが、実際にひどいけいれんが起きたときに飲むと治まるのかというのも、気になるところ。飲み過ぎになるのは避けなくてはいけませんが。
「芍薬甘草湯」、私は当面フルマラソンやウルトラマラソン 、トレイルランの必須装備のひとつとして使ってみます。そうしたハードなランはたまにしか行わないので、次の予定は未定です。またいずれ、使用効果を書きます。
Amazonを見てみたら、初売りセールの影響なのかどうかわかりませんが、この記事を書いている時点で大分と割り引きになっていました。漢方薬とはいえ普通の薬と同様、服用に注意が必要な人や時に起きえる副作用もあるようですから、興味のある方はそちらもご確認ください。
ツムラ(20包)2642→1982円
クラシエ(45包)4400→2561円