ラン x ローライ実践編③ どうやって持ち運ぶか(ウェア、ポーチ)
ローライ35Sをランニングカメラとして使う「ラン x ローライ」のポイントを少しずつ書いています。今回は、どのようにこのカメラをランニングに持ち出すかがテーマです。人それぞれの好みやスタイルがあると思いますが、私が色々と試しながら考えてきたことを記します。ラン x ローライ実践編の全体像については、こちらをご覧ください。
ランニングウェアのポケット
走るときはなるべく身軽に行きたいもの。ランニングウェアの中にローライ35Sを収められれば、一番軽量にできます。ただ、これまでも書いてきた「揺れ」と「汗」のことを考えると、なかなか一筋縄ではいきません。
上着にウインドブレーカーなどを着て走るときは、ハンドポケットに入れるという方法があります。取り出しやすさという点では一番でしょう。でも、走っている間に熱くなるので、私は冬でもずっとウインドブレーカーを着て走り続けることはまずありません。前のジッパーを開けて走ると、重さのあるものが入ったハンドポケットはかなり揺れるはずです。また、ランニング用の薄いウインドブレーカーには軽量化のためハンドポケットが付いていないモデルも多くあります。こうしたことから、上着にローライ35 Sを入れて走るのは私の選択肢には入りませんでした。
では、多くのランナーが履くショートパンツはどうでしょう。こちらは色々なタイプがありますが、やはりランニング用のものはポケットが小さい(あるいは少ない)、生地が薄く中に入れたものが揺れやすい(ものによっては落ちやすい)というのが多いように思います。
私は以前から、こうしたテロンテロンなショートパンツが好みでなく、ウォーターボトルやエナジージェルなどをポケットに入れて走れる、ある程度しっかりした、それでいて薄手のものを探して使っています。これならローライ35Sを持ち運ぶことができます。
ここで書いたのは、コロンビアの「シルバーリッジ カーゴショーツ」という膝上丈のパンツです。前側のポケットは十分な深さがあり、後ろ側はベルクロで留めることができます。
前側に入れると取り出しやすい反面、腿の上げ下げの動きをまともに受けるので揺れが大きくなります。腿との擦れを感じることもあるかもしれません。尻側のポケットに入れる方が実用的です。私は、汗の量が少ない晩秋から初春の20kmほどまでのロードランには、この形でローライ35Sを持っていくことがあります。スリップして尻餅をついたりすると壊れてしまいそうなので、山に行くときは避けますが。
左右どちらかだけのポケットに物を入れると揺れが大きくなります。片方にローライ35Sを入れたら、もう一方のポケットにはウォーターボトルなどを入れて左右を安定させるようにしています。
ここで紹介したのとは別のショートパンツでも、大人がゆるく握った拳が余裕を持って入るぐらいのポケットがあれば、大抵はローライ35Sを入れることができるのではないでしょうか。
小型のカメラポーチ(ベルトに通せるもの)
私の使用頻度が一番高いのが、これです。グレゴリーのパデッドケース Sサイズ(旧型)を使っています。
大きさは、ざっと15cm x 8cm x 奥行きが4cmほど。ローライ35Sを入れると、縦は少し余裕があり、横と奥行きはちょうどぐらいです。パデッドという名称の通り、幾らかのクッション性もあります。
私が持っているものは、ベルトに縦長方向にも横長方向にも通すことができますが、現行モデルの写真を見ると、そちらは横長にしか通せないのかなというように見えます。
私はショートパンツのベルトに通してランニングに使っています。縦長、横長どちらにしても、持ち運びやすさはあまり変わりません。横長だと出し入れの際に落ちたりしないかと最初は少し心配でしたが、そんなこともありませんでした。上で紹介したシルバーリッジ カーゴショーツは、もともと腰回りに通す軽いベルトが付いているので、それをそのままパデッドケースに通すことができます。この点でも非常に便利なショートパンツです。
このパデッドケースは、ベルトを倒せないショートパンツにはつけられません。でも、普通のカメラケースとしてローライ35を入れるのにも向いていると思います。例えば純正の革ケースは、特段クッション性もないしカビにも注意が必要です。実用性で言えばパデッドケースの方が上でしょう。
ランニングでの使用時に注意が必要なのは、トイレなどでショートパンツのベルトのバックルを外すときです。ローライ35Sはそれなりの重さがあるので、手で支えていないとパデッドケースがスルスルとベルトから抜けて落下する恐れがあります(何度か、ヒヤッとしました)。小さめのカラビナなどを別に準備して、ベルトを通すパンツの輪っかに繋いでおくとよいかもしれません。
山登りの際、このパデッドケースをリュック のショルダーベルトにつけたこともあります。でも、固定できたのがかなり高い位置になってしまいカメラが取り出しづらかったです。私のリュックとの相性がイマイチっったのかもしれませんが、一度だけでやめました。
このケースで残念なのは、サブポケットがないことです。予備のフィルムなどを入れておける収納がついていたら最高だったのですが。それがマイナス点だとしても、サイズや軽さ、クッション性などを考えると、ローライ35S(ほかのローライ35シリーズも)を持ち運ぶ上で十分に使い勝手のよいポーチです。
ただ、もう一点、ケースの奥行き(まち)にあまり余裕がないことには留意しなければなりません。前回、カメラの厚みには注意が必要と書いたのはここに関わってきます。ローライ35Sの沈胴時の厚みは35mmぐらいでしょうか。ここから、フィルターやキャップ、ラバーフードなどを装着すると、ひとつあたりざっと5mmぐらい厚みが増すことになります。たった5mmといえ、それが無視できないのです。
下の写真は、HOYAのフィルターとキャップをつけています。素の状態と比べて、沈胴時のレンズ部分の厚みが倍ぐらいになっています。
フードも付けると、本体を含めた厚みが5cmほどになります。パデッドケースは幾らか膨らませられますが、カメラがそこまで分厚いと出し入れが少ししづらいです。私はこのケースを使うときはラバーフードを外して持っていくことがあります。
サイズは少し大きくなりますが、ミレー のヴォヤージュ パッデッド ポーチは奥行きが5cmありポケットも2つあるそうなので、こちらを使うのもよいかもしれません。色々なカラーのものが販売されています。
長くなったので、今回はここまでにします。次回、リュックなどで持ち運ぶ際のことを書くつもりです。