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秋の空とオリーブ畑

今年は、本当に雨が多い。
この時期に、青々とした雑草に囲まれているオリーブ畑は
今年が初めて…のような気がする。

先日、このオリーブ畑の地域で
すごい量の雨が降った事を
ウェブニュースで知った。
少し、心配になる。
その翌日、アレッサンドロから電話があった。

「いやぁ、凄い雨でね、うちの納屋は水浸しになってしまったよ。」


こんなことも、今年が初めて。
アレッサンドロは、我がオリーブ畑より上の方に住んでいるのだけれど
被害があった納屋は、下の方にある農地の一角。
おそらく、我がオリーブ畑は、
傾斜のある下の方には
水たまりが出来ている程度だろう…と思うが、
大雨の翌日、慌ててフィレンツェから戻ってきた。

オリーブに関して言うと
雨が天敵な訳ではないけれど、
雨が降ったあとは、実が水分を吸ってしまうから
収穫時に降られると、搾油率がグンと減ってしまう。
搾油率が下がると、値段の高騰化につながってしまうから
収穫は天気が良い時の方が良い。
天候で恐いのは、寧ろ、
強風で枝が折れてしまうとか
雹が降って、実に打撃を与えてしまうこと…かと思う。

だから、
無事に収穫を終えるまでは、
ドキドキ、ハラハラしてしまう。

「女心と秋の空」とは、よく言ったものである。

この時期の、コロコロ変わりやすい天候に
私だけが右往左往している。


翌朝、
まだほんのり濡れている柔らかい土の上を歩きながら
オリーブ畑を徘徊してみた。

風邪の影響か、落ちてしまった実も少しあるものの
沢山のオリーブ達は、元気に育っている。

あともう少し。

もう少ししたら、収穫するから、
それまでは、無事でありますよう。


青い透き通った空の下、
そんな思いなど関係ないように
オリーブの実たちは、風に揺れていた。

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