【切ない怪談】斎藤さんとガソリンスタンド
ガソリンスタンドに勤める知人には、仲のいい常連のお客さんがいた。斎藤さんという、近所に住むおじいちゃんだ。
斎藤さんはとにかく頻繁にそこのガソリンスタンドに来ては、給油や洗車を頼みつつ知人や他の従業員たちと楽しくおしゃべりをしていた。
雨の日でも洗車したがるものだから、流石に今日はやめときなよと知人が止めるが「数百円でも売り上げに貢献してぇんだ」とにこやかに言う。
斎藤さんの両親は昔ながらのガソリンスタンドを営んでおり、雨の日も真冬の寒い日も手を真っ赤にして働いているの