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夫のスイーツ#6 ナポリ銘菓ババを作る

南イタリアはナポリの伝統菓子ババ。
特徴はふわっとやわらかい食感、飾り気のない見た目に瀟洒な味わい。
じゅわっと染み出すシロップはしっかりとラムが効いており、まさに大人のスイーツ。

なのですが、
お子さんがいらっしゃるならラムなしで作ったものをご家族みんなで味わっていただきたいと思っています。
(シロップを作る際にラム酒を加えない、それだけのことなのです)
なぜなら、大人だけでなくお子さんにも楽しんでいただきたい、その価値のあるスイーツだと思うからです。

見た目から想像できるでしょうか。
ふわふわっとかるく、じゅわっとシロップが染み出す奇跡的な食感。

このババの生地はふわっと焼き上がったスポンジ生地とも、ふわもち食感のパンとも異なる、そう、ババ特有のとってもやさしい食感なのです。
ただ柔らかいだけではなく、はかなげな弾力も素晴らしいのです。

例えば、しっとり、みっちり、などと表現されるパウンドケーキやふわふわ、もちふわのパンケーキともまた別物です。
他の何かにたとえたり、無理に似ているものを挙げたりはできません。
そう、食べてみるしかありません。
そして期待を裏切ることはないでしょう。 恐らく・・・

ん⁈ 
恐らく?

どゆこと?? 
、と思われますよね。

そうなんです、
ここでも気を付けなければいけないのがニセモノの存在なのです!

※以下日本においての話です。

きちんと作られていないババはびっくりするくらい○ズイです。
百○店のイタ〇アンフェアなどで遭遇するようです。
あとはまぁ、イ〇リアンレストランやピッ〇ェリアなどでも作り手次第ですね...よくこれをババとして売ってられるな、というシロモノに出会うことがあります。

生地が固かったり、パサパサだったり、ゼラチン感あふれるナパージュだったり、、
ババを知らない人が食べたら完全に誤解してしまうからやめてほしい。
「ははぁ、イタリア・ナポリ菓子のババってこんなものか...あまり口に合わないなぁ」で終わってしまいます。

きちんと作れないのにそれでもメニューに載せたいというのなら、
「ババを作りたかったけど、なんとか見た目だけババみたいなものができました。本場のババとは別物です」という注意書きをしたらいいのではないでしょうか。いや、喧嘩を売ってるわけではなくて。
正直に書いてくれたらまだしも好感が持てるというものです。

以上、ちょっと熱くなってしまいました(汗)

自身の体験、直接聞いた話など、ニセババにがっかりする事例が少なからずありましたので注意喚起させていただきます。

「ニセモノが存在するがために本当に美味しいババと出会う機会を失う」ということのないよう祈るばかりです。

本当に美味しいババを作ってらっしゃるお店の方、どうかお気を悪くされませんように。ニセモノのせいでいやんなっちゃうってことがあると思いますが(ないといいのだけど…)、負けずに美味しいババを作り続けてください。ババ好きの切なる願いです。


クイズを出題していました。


↑ 写真は生地を型に入れているところです。この型も特徴ではあります。

ケイチェルおじさま、イタリアのお菓子であることは合ってましたね😊
ババとずばりお答えいただいたPezioさん正解です✨
かっぱあたまさん、お察しの通りお酒を使うスイーツです🍷

優勝はPezioさんです🎊おめでとうございます!

今回もクイズに参加いただきありがとうございました。
不定期開催のクイズですが、今後も続けていきますのでどうぞよろしくお願いいたします♪


さて、
それでは作り方ですが、工程は大まかに3つ。
カスタードクリーム作り、ババ生地作り、シロップ作りに分かれます。
その後仕上げとなります。

ババは生地にシロップをしみ込ませただけのクリームなしで頂いてもかまいません。ただ、せっかく手作りするのですし、ついでにカスタードクリームも作るのをおすすめします。何といっても美味しいですから。

カスタードはプレーンとチョコの2種類作ります。
2種類ですがチョコの方はプレーンにチョコレートを加えるだけ。
簡単です。


さらに今回は、
ババといってもごっついババを作ります♪
サムネ写真のババは一般的な形、大きさなのですが、
大きい型と小さい型を使ってデコレーションケーキのような(⁈)
ババを作っていきます。


そして、
お子さんのためにラム酒なしで作った場合、
大人の方が召し上がる際にはラム酒をあとがけしてください。
かけすぎにはお気をつけて。

ラムなしとラムあり、両方味をみるのもいいと思います。
どちらが好みか試してみましょう。


材料

カスタードクリーム
・牛乳 500g
・砂糖 125g
・卵黄 4個分
・コーンスターチ 35g
・チョコレート 50g
※カカオ70%前後のダークチョコレートを使うこと。

生地
・マニトバ粉 250g
※蛋白質14.5%~15.5%のものを選んで。
・ドライイースト 7g
・全卵 290g
・砂糖 25g
・塩 5g
・無塩バター 75g

シロップ
・水 1ℓ
・砂糖 250g
・ラム酒 50g
※アルコールフリーにする場合はラム酒なしで。


作り方

カスタード2種

1.牛乳を鍋で温めはじめる。ボウルに砂糖、卵黄、コーンスターチを混ぜ合わせる。このボウルに鍋の牛乳を少量とって混ぜ合せる。

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↑ ボウルに砂糖、卵黄、コーンスターチ、牛乳少量を混ぜ合わせる。

2.1の牛乳が温まったら、弱火にして混ぜた卵液をかき混ぜながら少しずつ加える。クリーム状になったら火を止める。すぐに半分に分けてボウルに移す。一方には適当な大きさに割ったチョコレートを加えてよく混ぜる。各々表面に密着するようラップをかける。カスタードクリーム出来上がり。

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↑ 温めた牛乳に卵液を加えつつ混ぜ続け、クリーム状にしていく。

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↑ 半分こ。こちらはプレーン。

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↑ もう一方にはチョコレートを加えて、

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↑ 混ぜ合わせたらこんな感じ。チョコカスタードクリーム。

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↑ クリームにラップをする際はこんな風にピタッと密着させて。


ババ生地作り

下準備)
・焼き型にバター(分量外)を薄く塗る。
・バターはやわらかくしておく。室温が低い場合はレンジを使ってもよいが、溶かしてしまわないように気をつけること。

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↑ 今回4種類の型を使いました。
一番大きい型が1個。前列左の型が2個。
前列真ん中と右の型が合わせて16個。
あくまで目安です。

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↑ 薄くバターを塗ります。

1.全卵を溶きほぐす。
卓上ミキサーを用いて、マニトバ粉とドライイースト、溶いた卵の6割くらいを加えて低速で混ぜていく。中速に上げてさらに混ぜながらまた少し卵を加えて(まだ残しておく)生地がまとまったら砂糖を加える。また卵を少し加え(ここでもまだ残して)生地がまとまったら次は塩を加える。次はバターを3~4回に分けて加えていく。バターを加えて生地になじんだら卵を加える。なじんだらまたバターを加える。そして卵、、と繰り返していく。

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↑ パン作りでも大活躍の卓上ミキサー。
ババ作りもこのミキサーを使います。

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↑ ミキシング途中。どの段階だろう...
たぶんバターを加える前。

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↑ ミキシング完了した生地はとってもやわらか。お餅のように伸びます。

2.1の生地を焼き型に入れていく。
生地はめちゃくちゃ柔らかいので、手で取って量を調節して型に入れていく。このあと1時間半発酵させる。※発酵の時間を利用してシロップ作りをするとよい。

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↑ まずは大きい型から。手に取って移し入れます。

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↑ 型の半分のところまで生地を入れる。

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↑ 次に小さい型。こんな風ににゅっと出てきたのが大体1個分。

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↑ 型に入れていきます。

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↑ こちらも型の半分~6分目まで生地を入れる。

3.発酵の残り時間をみてオーブンの予熱を始める。予熱の際必ず天板も一緒に温めること。温度は200℃

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↑ 発酵が終わった大きい方。

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↑ 小さい方はこんな感じ。

4.発酵が終わったら200℃のオーブンで焼いていく。
小さい型は12~13分、大きい型は18~20分焼く。
様子を見て時間を調整すること。
焼き上がったらすぐに型から外し、少しの間粗熱を取る。そのあとシロップに浸す。

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↑ 小さい方焼き上がりました♪

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↑ 焼けたらすぐに型から外して。

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↑ 大きい方も焼けました♪
こちらもすぐ型から外して。


シロップ作り

1.鍋に水と砂糖を入れて火にかける。沸騰したら火を止めてラム酒を入れる。温度が47~50℃まで冷めたてからババを浸す。


仕上げ

1.大きめのボウルにシロップを入れて、ババ生地を浸していく。
重しとして、まず皿をのせ、その上に水を張ったボウルを置くと良い。
そのまま3~4分浸す。

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↑ いざ、ババをシロップのおフロに、

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↑ お皿をのせて、さらに水を張ったボウルを重しにして。

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↑ 大きい方はこんな風。
大きめのお皿が必要ね。

2.浸し終わったら、両手で挟むようにしてシロップを絞る。

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↑ ギュッと両手で挟みます。
大きい方は手で絞るのは無理なので2枚の大皿を使って挟みます。

3.生地に切れ込みを入れる。カスタードクリームを絞り袋にいれて、生地に絞っていく。

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↑ 見にくいけれど、真ん中に切れ込みが入ってます。
ここにクリームを絞り入れます。

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↑ 大きいのは上下に切り分けて、

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↑ クリームを絞っていきます。まずプレーンから。

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↑ 次にチョコ。

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↑ 上の生地をかぶせて。さらに小さいババを載せていくので
接着のためにクリームを絞って、

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↑ 大胆に載せていきます。
仕上げに飾りのチョコと粉糖を振って。
ごっついババできました♪

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↑ 切ってみたら、

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↑ きめの細かい生地。美味しそう~
ふわっふわのやわらかさ、伝わるでしょうか。

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↑ 美しい焼き色もたまりません。
ババも焼き色命のお菓子ですね。

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↑ 小さい方はまた可愛らしい♪

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↑ この形がおなじみですね。


夫R、季節にもよりますがババ作りはけっこう継続しています。
いつ頃だろう、、8年くらい前かな。
その頃から定期的に、それこそ長男のためにラム酒なしで作っていました。
今やババは甘いもの大好きな長男にとってもランキング上位のスイーツとなっています。

お子さんにも味わっていただきたいと思うゆえんです。

もちろん従来のラム酒を利かせたシロップで大人のスイーツとして堪能していただくのも本望です。


卓上ミキサーを使ったり、型が必要だったり、マニトバ粉を使ったりと、ちょっとハードルが高いかもしれないババ作り。

「すぐには無理でも、そのうちにチャレンジしてみようかな」と思っていただけたらうれしいです。


今日もお読みいただきありがとうございます。
どうぞ良い週末を。

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