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テレビがないサウナで「ととのう」
汗と毒素を出す苦行、もしくは修行、いや拷問に近い状態で利用していたサウナ。極限まで汗を出し、もうこれ以上は無理という限界までサウナに入り、キンキンに冷えた水風呂にずぼんと入り、口から魂が抜け出たような浮遊感が病みつきになり、くたくたに疲れて帰っていた話は昨日のnoteにて。
サウナにテレビはいらない
すっかりサウナで「ととのう」にはまってしまい、サウナに入りたい病にかかり、おそらく10秒動線はないであろうが近所にあるスーパー銭湯にいった。
平日の昼間にいけば、すいているかと思いきや、おばちゃんたちがサウナを占拠。これは「ととのわない」なと思うも、1000円も払ったんだから元をとらねばと貧乏根性でサウナ室にイン。
するとやはりおばちゃんトークが始まった
「ようやっとテレビがついたわね。テレビがないとどうも長居できなくて」
「ほんとほんと。テレビ必須よ。でもさ、この番組面白くないわね。チャンネル変えたいけど、いちいちフロントにいかないと変えられないから面倒だわ」
「チャンネル変更のボタンは設置すべきよ」
いや、ボタン設置の云々の前にテレビはいらない。
テレビがなくてもしゃべるだろうけれど、テレビがあるとテレビ論評が始まってトークに花が咲いてしまう。
と、さもサウナ通のようなことをいっているが、「ととのう」体験をする前はサウナにテレビは必須だった。なんといっても極限まで汗を絞りだすためには耐えなければならない。そのためには暑さを紛らわしてくれるテレビは必要不可欠だったのだ。面白くなくても、番組の内容に耳を傾け、集中する。すると、結構、長時間サウナに入っていられるのだ。
しかし、それは正しいサウナの入り方ではなかったのだ。
10秒動線があるプライベートテラスサウナルーム
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サウナ→水風呂→外気浴を10秒で行うのがベストは昨日のnoteのとおり。
最近はサ旅、サ活など、全国のサウナを検索するサイトまで登場しているが、この10秒ルールを実践できる施設はさほど多くない。特に都心部にあるスーパー銭湯では難しい。
GOOD NATURE HOTEL京都のプライベートサウナルームに宿泊して、テレビがないサウナで独り占め状態を体験。
サウナの教科書を読まなければ、サウナ→水風呂のループをひたすらこなし、疲れたらホテルのふかふかベッドで寝るだけだったと想像する。
サウナの教科書に感謝!(←昨日のnote参照)
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「プライベートサウナをこころゆくまで堪能」のコンセプトどおり、サウナに関するあれやこれやがすべてセットされているのもポイントのひとつ。
サウナポンチョももちろんスタンバイ。
パジャマもあるので、ポンチョが汗でびちょびちょになったとしてもパジャマをきて外気浴することも可能。このパジャマの肌触りが、まあよろしくて気持ちがいいのなんの。
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バレルサウナの中にはサウナマットも。よりかかって足をぴーんと延ばせられるほどよいサイズ感。閉所恐怖症の人だとちょいと狭い感じもするかもしれないが、一人で入るには十分な広さだと思う。
サウナに一人経験はあれど、テレビも音楽もないサウナに入るのは初体験。サウナが稼働するボ~~~~~ンという機会音以外なにも聞こえない。ただただぼ~っとする時間。80度の室内でどこまでぼ~っとできるだろうかと思っていたが、意外や意外20分も入っていた。一人で無音ってのが心地よかったのかもしれない。
もう一つ考えられるのはこのノッポさんの帽子のようないわゆるサウナハット。実は、サウナポンチョの上に折りたたまれておいてあったサウナハットを最初、紙パンツかと勘違いしてはこうとした私。開いてみると、袋状になっており、サウナハットなるものと知る。
日本でサウナハットをかぶっている人は見たことがない。あ、いや、正確にいうと頭をくるんでいるおばちゃんはいた。それと、20年以上前、フィンランドでカラフルな帽子をかぶったおじちゃんおばちゃんをみかけたことがある。
オーロラ観測のために泊まった宿にサウナがあり、がっちんごっちんに冷えた体を正常な体温に戻すためにサウナに入った。
男女兼用なので、水着で入ると、地元人らしい年配者の人がノッポさん帽子をかぶっていたのだ。そのときは、はげ、失礼、薄毛隠しか?と失礼なことを思っていたが、そうではなかった。
サウナは上にいくほど高温になり、頭部が一番熱くなる。頭がぼ~っとするのをさけるためと、髪の毛を乾燥から守るためにサウナハットをかぶるのがサウナーたちの定番だという。
今回は使い捨てのぺらぺらサウナハットだが、かぶったときとかぶらないときでは体の熱のこもり方がまったく違った。
サウナハットおそるべし。マイサウナハットを買わねばと強く思った次第である。
外気浴には体を預けられるチェアが必須
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サウナで「ととのう」に重要な外気浴。ただ単に外の空気を感じるだけでなく、環境もやはり大事。ただ単に地べたにでれ~っと座ると体を支えている手が痛くなるし、座禅をするようにあぐらをかくと体が硬いから股関節が痛くなり、自分的にどうも心地よくない。
そんなお悩みを解決してくれたのが、アウトドアブランドのコールマンのインフィニティチェア。
名前のとおり“無限”に座っていられるチェア。
最初みたときにこの状態だと背筋ぴ~んであんまりリラックスできないんじゃ?と思いつつ座り、背もたれに体重をのせるとなんと体重をのせただけ倒れていくではないか!
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ベッドのようにまっすぐになるのではなく、腰は少しさがり、ひざは心地よくまがり、頭をのせる枕が首を楽にしてくれる。
体重のかけかたでいい塩梅に倒れ、アームのところで固定するつくり。背中と足に力をいれ、びよ~んと体を伸ばすと、チェアもびよ~んと伸びる。
ほどよいホールド感が心地いいのなんの。
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このホテルはグリーンウォールに囲まれているので、チェアに体を預け、空を見上げていると、緑と夜空が目の前に広がる。サウナ→水風呂のあとに座っていると夜空に吸い込まれそうな錯覚を起こしてしまうほど、座っている感がないチェア。
これは家に欲しい。ということで早速アマゾンをチェックすると、1万円以下!
しかも、折りたためるとはさすがキャンプ用品!
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ととのう状態は妙に頭がさえわたるので、心地よいチェアに座っていてもウトウトと眠り込むことはない。真夏の京都のど真ん中でテラスでくつろぐなんて自殺行為と思っていたが、水風呂のあとは生暖かい風もどこか心地いい。しかも、ほのかに体からただよう香りにもいやされる。
というのもサウナストーンにアロマ水をかけるロウリュウを存分に楽しんだから。
サステナブルなホテルとしてSDGsに取り組んでいるGOOD NATURE HOTELが用意したアロマ水はやっぱりサステナブルウォーター。
京都の北山杉の間伐材を活用し、蒸留窯で精油を抽出。精製された水はフローラルウォーターとして販売もされているものの、ほぼ破棄されている現状をうけ、ロウリュウのアロマ水として採用したという経緯がある。そのまま部屋でルームスプレーとしても活用できるが、アロマストーンにかけることで香りが強くなり、目をつぶると亜熱帯の森にいるような錯覚に。
ロウリュウを楽しんだ体にも香りが染みつき、外気浴したときに風とともに香ってくる。ちなみにあまったら自宅に持ち帰りも可能だが、ロウリュウですべて使い切ってしまった。
は!もしかして使いすぎたから香ったのか?!
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汗を流したら水分補給。
ペットボトルのゴミを減らすため、各フロアにウォーターサーバーを用意してあるので宿泊者は飲み放題。部屋にあるタンブラーに水を補給し、サウナあがりの一杯のために用意しておくのが得策。
プライベートサウナルーム特典としてついているのがホテル系列のフードブランドで人気のクラフトコーラ(カカオ生コーラ)。
クラフトビール、クラフトジンなど地元オリジナルのクラフトシリーズが流行りに流行っているが、とうとうコーラまで。とはいえ、コーラでしょと思っていた。甘い炭酸水のイメージしかないコーラは海外でどうしても飲むものがなくて仕方がないから最終手段として飲むものだった。
もうひとつ、なぜかコーラを飲むと高山病の症状が軽減するので、高山病対策として飲むくらいで、日本にいるときはほぼ選択肢に入らなかった。
そういえば、じいちゃんやお母さんから「コーラを飲むと骨が溶ける」とウソをたたきこまれたせいで、幼少期から「コーラ=体に悪い」をすりこまされたせいで、飲まないと生命維持に支障がきたすといった場合じゃないと飲む選択肢がなかった。
せっかく「ととのった」あとに体に悪いものを飲んでいいものだろうか・・・と躊躇しつつも、冷蔵庫にある炭酸水とわって一口。
こ、これは!コーラといえどもコーラじゃない!
コーラナッツのかわりにカカオを使用し、カルダモンやナツメグなど9種のスパイスをブレンド。カカオハスクとよばれるカカオの皮を使うことで食品ロスにも貢献。スパイシーな後味の中にも柑橘系の爽やかなのど越し。スパイスの粉がいい塩梅で残っていて、風味を増している。
保存料・着色料・香料は使用せず素材本来の味や香りを活かして作っている
体にももちろんよくて、食品ロスにも貢献できて、かつおいしい。ちょっと大人な気分になりたいときに飲む高級コーラといった感じだろうか。
ホテルの建物1階にあるGOOD NATURE STATIONで購入してしまうほどハマった。
サウナ中、前後にあればうれしいが準備されているサウナ好きにはなかなか魅力的なプライベートサウナルーム。
特に外気浴の気持ちよさは格別。一人で存分にサウナで「ととのう」を楽しんでもよし、ツインルームなので、友人同士でカップルでととのいあってもよし。
個人的には一人でストレス社会から離れて、自分の気持ちいい=ととのう感覚を楽しみたい。今までの苦行サウナはなんだったんだろう(笑)。
ということで、テレビがないサウナ探しの旅が始まった。
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