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【詩】風の時代 蝶は飛べ

青い空にあおい葉を ありったけ食べていた

あおむしは、わたしの休みにいつの間に

蝶になったのか、空に飛んでいったのか

今日はいなくなっていた 

今日は、あおむしを失くした日


蝶になったら、飛びなさい

ありったけ食べているのではなく

蜜の匂いや蜜の味にこころを奪われて

蜜を吸いすぎて腹がふくれて飛べないような

飛ばない蝶は 霊的な世界にあまたといる


蝶になったら、飛びなさい

ありったけ食べているのではなく

栄養豊富な蜜をどれだけ吸ったとしても

蝶になったら、蝶の今日よりは大きくはならない

蝶になったら 蝶の形では大きくはなれない


蝶になったら、飛びなさい

飛んで、飛んで、今日も飛んで

しかし盲目的に飛んでいるのではなく

今この瞬間によく考えて よく観よ

飛ばない蝶が霊的な世界にあまたといても

今この瞬間によく考えて よく観よ

理性と感性を輝く両の翅(はね)にして

直観と観察力を鋭く両の眼にして

蝶は飛べ

蝶が飛んで、飛んで、飛んでゆく

限りなく広い青い空が

蝶を飛んでゆく






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