キャリアへの自負が危険
長年生きていると、仕事を長年やっていると、トシを取ります。当たり前の話ですが(笑)
私はもう初老ですので、いろいろと劣化を自覚します。肉体の著しい劣化と、脳の劣化、ものづくりの仕事で酷使する肉体のパーツの劣化には手を焼きます。
その劣化を補うのは、経験や知識ですが、しかし経験や知識自体が、加齢による肉体や脳の劣化や誤作動を「自動補正」はしてくれないのです。
若い時期の性能の良い肉体と脳だから「経験や知識と、肉体を自動的に結びつけ機能させる」ということが自動的に行われていたわけですが、老齢になると劣化し、それが自動化されなくなります。
なので、それを意識的に行う必要が生まれ、そのための訓練まで必要になるのです。若い頃と老齢者では、訓練するべき場所が変わってくるんですね。
加齢により劣化した頭と体は、その変化に気づけないほどに劣化し、誤作動を起こしているのです。
それと、老齢になると「長いキャリアや豊富な知識そのものに強い自負」を持つようになり勝ちです。「長いキャリアや豊富な知識によって得られた、より良い成果への自負」ではなく、です。
しかも「その自負のあるキャリアや知識は、すでに賞味期限切れのことが多い」のです。
その「自負心」が危険だと思います。
「自負」によって心が意固地になり、過去に執着し、過去を美化し編集し、劣化が加速する。
そうならないように、老齢になる前に「沢山の経験や知識」と「劣化した自分の頭と体」その両者を【結びつけ機能させるスキル】を磨いておかなければならないわけです。
本当に気をつけなければならないことだと思います。
それゆえに「いろいろ意見を言ってくれる後継者をつくっておくことが必要」なんですね。ただの自分の言いなりの後継者や、自分のクローンではダメなのです。【自由に意見を言える環境込みの後継者】が必要です。
人はいつまでも現役で前線にいることは出来ないのです。
老齢の人には老齢の人のやるべきことがあるわけです。