その判断、根拠は何ですか?

こんにちは、辰巳です。

突然ですが皆さま!

もし手元に100万円あったとしたら、次のABのどちらに使いますか?

A:倒産の可能性ナシ、超低金利の預金

B:倒産リスク未知数、超高配当の投資

、、、、


いかがでしょうか( *´艸`)

どちらかを選ぶ場合、どのような根拠で判断されますか?


人生は「選択」と「判断」の連続ですよね。

選択にも判断にも、何かしらの根拠があるはずです。「根拠ナシ、カンで決めてます!」という人もおられるかもしれせん。しかし、勘も直感も、経験則や価値観という根拠があります。

ですから、人生で選択や判断を誤らないために、自分が何を「根拠」にしているのかを自覚する事が大切なのです。

今日はその「根拠」にスポットを当ててみましょう。


判断の根拠に関わる知能とは

判断の根拠と関わりが深いのが「知能」です。

「知能」と聞くと、勉強が出来るかどうか、みたいなイメージかもしれませんが、それは「特定の知能の高さ」です。

勉強が出来る人=正しい判断が出来る

という訳ではありません。

知能には高い低い以前に、色々な種類があるのです。

ここでは、知能の高い低いではなく、判断の時に人はどのような種類の知能を使っているのか、というアプローチをしてみる事にします。


流動性知能と結晶性知能


「知能」は大きく2つに分けられます。

1つは「流動性知能」。これは新しく物事を覚えたり、計算方法を理解したり、とっさの判断力を高めたりと、柔軟性のある知能で、青年期をピークに年齢とともに衰えます。

もう1つは「結晶性知能」です。こちらは、経験から身に付けてきた知能で、経験則や言語能力などです。文字通り、固まってしまって無くならない「結晶」のような知能で、年齢を重ねても衰退せず、むしろ発展してゆきます。


2つの知能の思考特性

流動性と結晶性の2つの知能、どんな物かはイメージ出来たと思います。でも、実生活でどんな変化が現れるのかが気になるゾ、、

というところですよね( *´艸`)

例えば、何かを判断する時。

流動性知能を使う場合、瞬時に様々な情報をキャッチし、リアルタイムの情報に基づいて判断を下す事が出来ます(ワーキングメモリと言います)。

結晶性知能を使う場合は、リアルタイムの情報よりも、自分の経験の中から似ているケースを照らし合わせて、経験則から判断する事が出来ます。

頭の回転の速さ云々ではなく、情報リソースの違いです。

悩みや問題を抱えている時の解決方法も変わってきます。

流動性知能の人は、新しい情報や考え方を取り入れる事で解決しようとしますが、

結晶性知能の人は、経験則から解決方法を見出そうとします。


中年期以降が気を付けるべき行動特性

老年期に向けて、人はどんどん結晶性知能で物事を考えたり判断するようになってきます。

中年期は、「流動性と結晶性のハーフ&ハーフ」というところでしょうか。

若い頃は物事を学ぶ時には、新しい情報をたくさん得て、それに基づいて思考、行動していました。

しかし、中年期に、若い頃のようにバリバリ勉強して新しい知識を身につけようとしても、なかなか思うようにいかず、疲れてしまいます。能力の衰えに落ち込むかもしれません。

また、経験則に頼って物事を進めようとしても、中年期の経験値はまだまだ未熟な部分もあるため、対処しきれない事も多いのです。これもまた、人間的な力不足を感じてしまい落ち込みの原因になり得ます。

若い頃ほどの記憶力はなく、かと言って、老年期ほどの経験もないのが中年期。

ですから、「ハーフ&ハーフ」で。

経験則と照らし合わせて考え、それでも足りない部分を新しく学び、ハイブリッド的に判断する方が「年齢的な知能」に適っているのです。

自分の中の流動性知能と結晶性知能を意識してコントロールするイメージですね♪


老年期に注意する事は?

老年期になると、流動性知能はさらに低下し、結晶性知能は益々健在になります。

ここで注意する事があります。

長年生きていると、物事を判断する時に、判断材料となる「経験則」の中で、使い勝手の良いモノばかり贔屓してしまう傾向が出てきます。

「こういう時は経験上コレが正しい」

このように、ほぼ自動的に結論を出してしまいやすくなります。

これには、考える労力を省エネ出来る利点がある一方で、

自信満々に謝った判断をしても気付かない、

という危険性がありますから注意が必要です。

とてもしっかりしているはずの人が簡単な詐欺に引っかかってしまう原因の1つもコレでしょう。

また、そう難しくないはずのスマホやパソコン操作でも苦手だと感じてしまうのもこのためです。

経験則にない出来事に対する対処法が極端に弱くなってしまうのです。

また、年々頑固になって、他者の意見に耳を貸さなくなるタイプも、出来上がってしまった結晶性知能が「その人の法律」になってしまっているからです。


知能の特性を理解する

先述の「使い勝手の良い経験則ばかり使う事」や「頑固になる」事は、一概に悪い事ではありません。

前者は、判断が速くなるメリットがあり、後者には一貫性のあるブレない人間という側面もあるでしょうから、どちらにも良い面と悪い面があるわけです。

しかし、

結晶性知能がもたらすデメリットを理解していれば、詐欺に引っかかる事も防げるかもしれませんし、「いつもの」ではない様々な経験則を応用して判断するよう意識する事で、何歳になっても柔軟な考えを持ち続ける事ができます。

結晶性知能の特性を理解し、意識してうまく付き合えると、豊富な経験則や熟達した言語能力によって、若者には到底追いつけない賢さを身に付けられるでしょう。


判断の根拠は何ですか?

ここらで始めの質問に戻りましょう。

A:倒産の可能性ナシ、超低金利の預金

B:倒産リスク未知数、超高配当の投資


こんな質問、正解なんてありません( *´艸`)

しかし、とっさにどちらかを選ばれた皆様は、その根拠が何だったのかを思い返してみてください。

情報を集めて事実を根拠にしましたか?それとも経験則?人から聞いた情報?ネットの噂?何となくのイメージ?

、、色々あると思います( *´艸`)

もし「使い勝手の良い経験則」を根拠にしている人がいるならば要注意かもしれませんよ( *´艸`)


レッスンでの応用

少しだけ、音楽レッスンでの応用にも触れておきます。

一般的に楽器のレッスンでは、新しい技術を習って身に付けてゆきます。これは、生徒さんの多くが子供、つまり流動性知能が発達している年齢ですから、理に適っているわけです。どんどん新しい事を覚えてもらうのが良いでしょう。

しかし、大人の生徒さんは話が違います。特に、「スマホ分からない」とおっしゃる結晶性知能組の高齢者の生徒さんは、同じようにはいきません。

例えば、うまくいかない事があった時、子供相手なら先生が弾き方や考え方を教えると思いますが、大人相手の場合は、

「今まで同じような事で困った時はどうされていましたか?」

のように関わり、まずは本人の持っているリソースから解決方法を探ります。先生が新しい知識を教えるのはそれからです。


余談ですが、、、

同じ理由で、高齢の方にスマホの使い方を教える時も、相手の経験則に例えながらお話すると理解してもらいやすくなります(^^)

レッスンでもスマホでも、新しい用語や情報は出来るだけ少なくする事がポイントです。



判断ではなく根拠にスポットを当てる

色々と話が寄り道してきましたが、元に戻りましょう。

お話してきましたように、判断や選択は無意識であっても必ず根拠に基づいています。

ですから、判断に迷った時は、根拠にスポットを当ててみてください。

判断の結果には意識が向くわりに、私たちの多くは根拠に対して無意識である事が多いのです。

合理的で納得のゆく根拠であれば、大きな判断ミスは回避できる事でしょうし、反対に、あえて冒険に出る事も出来るでしょう。


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皆さま、今日も明日も、大なり小なり選択と判断の連続かと思います。

迷った時は、根拠!ですよ〜♪


お読みいただきありがとうございました♪



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