- 運営しているクリエイター
2019年4月の記事一覧
創造的衝動(Creative Impulse)を起点としたプロジェクトデザイン論
ワークショップの理論的基盤を築き上げた偉人の一人に、哲学者のジョン・デューイ(1859-1952)が挙げられます。教育における経験の重要性を説き、その思想は「真実の教育はすべて、経験を通して生じる」「為すことによって学ぶ(Learning by doing)」などの言葉によって知られています。
デューイの著作は読むたびに発見があり、教育・学習に関係する領域の研究者にとっては繰り返し参照される古典
なぜ「問いのデザイン」なのか
2015年頃から「問いのデザイン」を一つのキーワードに掲げて、研究会や講座イベント、さまざまなプロジェクトを実施してきました。次第に外部企業様からお声がけをいただくかたちで「問い」を題材にした研修やセミナーなどの機会も増えてきました。
"問いのデザイン"というテーマに対するニーズの強さを感じると同時に、一口に"問いのデザイン"といっても現場によって指し示しているもの(要望のレイヤー)が異なると感
「問いのデザイン」マガジン始めました
書籍と論文のアウトプットに向けたリハビリ&ウォーミングアップとして始めたnoteですが、3月31日にアカウントを開設してからいまのところ平日は毎日更新しています。だいぶ執筆の感覚と習慣が戻ってきました。
連休以降はどのようなペースで更新していくかは模索中ですが、無理のないペースでまた更新を続けて生きます。
さて、出版を予定している書籍の一つに『問いのデザイン(仮)』がありますが、これについても
ワークショップデザインの枠組みモデルと手順モデル
ワークショップをデザインするためのモデルやフレームワークは、さまざまな実践者が提案しており、参考になるものが多数あります。
ワークショップデザインの定義の解説記事でも紹介した通り、ワークショップデザインの本質は「経験のプロセスデザイン」であるため、活動を時系列に配置するためのガイドになっているものが多いです。
ちょっと変わったものだと、上田信行先生が提唱している「イタリアンミールモデル」なども
ワークショップをデザインするとはどういうことか
ワークショップをデザインするとはどういうことか。ワークショップの定義と同様に、検討しておく必要があります。
ワークショップの「企画・運営・評価」のサイクルとして捉える考え方ワークショップデザインというと、当日のファシリテーションと切り分けて、準備段階の「プログラムデザイン」のみを指し示すケースもありますが、それではあまりに射程が狭すぎます。
ワークショップをデザインする営みを、もう少し広いサイ
アクティブラーニングの失敗学:授業の失敗は誰のせい?
文部科学省の平成26年度「産業界ニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」の成果物として「アクティブラーニング失敗事例 ハンドブック」という資料が公開されていました。
アクティブラーニング型の授業を実施するにあたって起こりがちな問題ケースと、それに対する原因と対策がまとめられ、それが「アクティブラーニング失敗結果/原因マンダラ」というかたちで一枚絵にまとめられています。
失敗の原因はどこにあ
ワークショップで組織ビジョンを開発する:ボトムアップ型でブランドアイデンティティを作るための8つのポイント
ミミクリデザインのnoteに、2018年8月に社内で実施したビジョンメイキングワークショップの様子が紹介されています。半年前、懐かしい!
2019年3月にウェブサイトと共にリニューアルしたコーポレートスローガン「創造性の土壌を耕す|Cultivate The Creativity」が完成するまでには、約半年間に渡る計3回の社内ワークショップと、経営メンバーによる合宿を通して決定されました。そのプ
ワークショップの"スピリット"とは何か
ミミクリデザインの今年度の目玉企画の一つ「Workshop Spirit -“ワークショップの魂”を探る」がいよいよ始まりました。次世代を担うワークショップ実践者が自身の"ワークショップスピリット"を研ぎ澄ますための半年間の学習プログラムです。タイトルだけ見ると、なんとも怪しいですねw
講師は、2001年に『ワークショップ』(岩波新書)を出版された時代の先駆者である中野民夫先生、人材開発・組織開
ワークショップデザインの副産物:場作りを通したキャリア学習
中原淳先生の『働く大人のための「学び」の教科書』を読みました。様々な学習に関する理論が背景にありながらも、ビジネスパーソンにとってわかりやすく実践的にまとめられていて、大変読みやすかったです。
本書のなかでは、大人の「学び」を支える「原理原則」と、学ぶための具体的な「行動」について、以下のようにまとめられていました。
原理原則(学びのOS)
1.背伸び
2.振り返り
3.つながり
行動(学び
アクティブラーニングのレベル別ファシリテーションのポイント
安斎の指導教員である山内祐平先生が、教育工学会論文誌に「教育工学とアクティブラーニング」という総説論文を発表されていました。
この10年間に教育工学会に掲載されたアクティブラーニングに関する研究の動向をレビューしながら研究課題や今後の展望について述べたもので、特にアクティブラーニングの方法の3レベルの分類が、実践的にわかりやすかったので、紹介します。
以下、本文から引用です。
協調学習や問題
ワークショップと研修の違い
教育や学習の手段としてのワークショップのデザインを考える上で、研修設計の代表的な手法である「インストラクショナルデザイン」との違いについては抑えておかなければなりません。
階段型の学びを促すインストラクショナルデザインインストラクショナルデザインとは、(従来型の)研修、教材、授業の設計手法であり、ざっくり言えば、「学習目標」を明確化して分析をしたら、それをいくつかの「下位目標」に分割して、それを
ファシリテーターのスランプ
ミミクリデザインが運営するオンラインの学習コミュニティ「WORKSHOP DESIGN ACADEMIA(WDA)」では、毎週土曜日にファシリテーター向けの動画コンテンツを配信しています。
今週の動画は、久しぶりに安斎と、ミミクリのディレクター和泉裕之の2人の"おしゃべりコンテンツ"でした。
和泉は対話型のワークショップを専門としており、ミミクリのプロジェクトの中でも組織開発や人材育成のプロジ