『光る君へ』第36話を観て・・・　※ネタバレあり

みなさん、こんにちは。
『令和源氏物語　宇治の恋華　第二百三十四話　夢浮橋（一）』は明日9月25日（水）に掲載させていただきます。
本日は『光る君へ』第36話の視聴感想を掲載させていただきます。
タイトルは「待ち望まれた日」です。

　中宮彰子のご懐妊

彰子（見上愛さん）は定子の子である敦康親王と仲がよく、いつも穏やかに過ごしておられます。
『光る君へ』では源氏物語へのオマージュがところどころに散りばめられており、この優しい継母像は明石の姫を賢い中宮に育て上げた紫の上を想起させますね。
そして女房が「荷葉」という香をきかせようとしたところで悪阻により懐妊が明らかになります。この「荷葉」という香については源氏物語にも登場しております。それは「梅枝」の帖において。
明石の姫が東宮の女御として入内する際に源氏は貴婦人にふさわしい持物のひとつとして香をもたせようと考えました。そこで自分をはじめとして夫人たちに香の調合を依頼するのです。
源氏の弟の兵部卿宮は風流人として趣味のよい御仁でしたので、彼の来訪に源氏は喜び、香を判定してほしいと願うのです。
そこで「荷葉」は花散里が調合した香でした。
この香は夏の薫物に好まれた香で、清涼感のある香と調べたら書かれておりましたが、実際にお香屋さんに行って嗅いでみたいですね。
さて、そちらの場面はこちら・・・。

道長（柄本さん）は懐妊を知らせるために倫子（黒木華さん）の元へ急ぎ、念願が叶ったと涙するのは親心でしょう。
道長の安泰な栄華への第一歩です。
しかも皇子が生まれ、後には天皇にまで昇りますから安泰です。

　宿下がり

以前花山天皇の女御が亡くなられた回でも少し書きましたが、天皇が死穢に触れぬよう女御の亡骸を見ることもなく、荼毘に伏されましたね。
同じように女御が病になったり、出産は血の穢れがありますので、そうした女御は実家に下がる（宿下がり）ことになっておりました。
彰子は土御門の倫子の父・左大臣が残した邸に下がりました。
生まれ育った邸に戻るのですが、彰子はすでに宮中で過ごした時間の方が長かったかもしれませんね。
初産ですし、不安そうな様子が可哀そうでした。
まひろ（吉高さん）は彰子の信頼を得て、学びたいという意欲にも丁寧に応えているのが、やはり学者の娘であるなぁ、と感心しました。
女房達はまひろが重用されるのを面白くなく感じているようですが、それは女性がたくさん仕えている場所ならばどこでも同じようなことがあるでしょう。みんな妬み、僻み、気にしても仕方がありません。
まひろもさして気にしていないようで、メンタル強めの式部です。

　伊周、また呪詛

彰子懐妊を知った伊周（三浦翔平さん）はまたせっせと呪詛に励んでおりました。しかも彰子を呪っております。。。
お産の場面は壮絶でしたね。
源氏物語で葵の上の出産の場面こそあのような感じだったのでしょう。
（そのオマージュでしょうが）
葵の上が夕霧を出産する場面では、六条御息所の生霊に悩まされます。
権勢がある家柄では直接知らない者にも僻まれたり、恨まれたり。
葵の上からは次々と物の怪が憑坐（よりまし＝物の怪を憑かせる人）に憑依し、もっとも執念深く葵の上を呪っていた物の怪こそ、かの六条の貴婦人なのでした。
葵の上はこのお産の後に命を落します。
源氏はそのあさましい化生の正体が御息所であると気付き、御息所からのお悔やみの文に自分がそれを知ったことを匂わせるのです。
話は全然違いますが、私は自分で書いた源氏物語で何度読んでも泣いてしまう場面があるのですが、まさにそのひとつが葵の上の死の場面です。
ようやく本物の夫婦になろうという矢先に儚くなってしまった葵の上が可哀そうで、遺してゆく子供にも未練があっただろうとつい泣いてしまいます。
話しが逸れましたが、伊周の呪いは挫かれ、皇子が誕生しました。
「人を呪わば穴ふたつ」ですよ、伊周君・・・。
と思った瞬間でしたね。

　五十日（いか）

彰子の産んだ皇子が親王として宣下され、お祝いムードの左大臣家。
道綱（上地雄輔さん）はいつも和ませ役ですが、今回は呪詛にもビビらず頑張りました。
そして以前から道長とは仲良しだったので、皇子の誕生に大喜びでしたね。
平安時代では医学が発達しておりませんでしたので、子供が育ちずらいという現実がありました。実際に今回の36話では定子が生んだ媄子内親王が9歳でこの世を去りました。
ですので、子供が生まれた50日目に五十日（いか）というお祝いをして、100日目に百日（ももか）のお祝いをしたのです。
まさに無礼講で、右大臣まで気分良さそうでしたｗｗ
道長とまひろは阿吽の呼吸で歌を詠みあっておりましたが、勘のよい倫子さまが気付いたモヨウ・・・。
そして最後にいぶかしんだ赤染衛門（鳳稀かなめさん）にズバリ道長との関係を問われました。
バレちゃうのね～。
ドラマではまひろの娘の賢子は道長の子ということになっておりますので、修羅場か？？？

では、また来週☆