『光る君へ』第42話を観て・・・ ※ネタバレあり
みなさん、こんにちは。
本日は『光る君へ』第42話の視聴感想を掲載させていただきます。
タイトルは「川辺の誓い」でした。
思えば三郎とまひろが出会ったのは川辺でしたね。
覇権争い
三条天皇(木村達成さん)は事実上宮廷を支配している道長(柄本さん)を目の上のコブのように排除したいと側近を固めましたが、寵愛する娍子(朝倉あきさん)を皇后にするために道長の娘の妍子(倉沢杏菜さん)を先に中宮としました。そして一月ほどあとに娍子を皇后にするという宣言をしたのです。
かつて一帝二后を成しえた道長に対する牽制でもありますが、妍子に通わぬという脅しで寵姫を守るためのカードを切ったわけです。
しかしながら道長は娍子立后と妍子が中宮として内裏に入るその日をあてて三条天皇に牽制返しをしたわけです。
すっかり側近となった義兄の源俊賢(本田大輔さん)の公卿たちへの根回しもあり、娍子の立后の儀には藤原隆家(竜星涼さん)と実資(ロバート秋山さん)しか参加しませんでした。
大臣クラスの公卿不在の為に大役を任されたロバート秋山さんの困った顔が印象的で、相変わらず鸚鵡を可愛がっているのが微笑ましいですね。
三条天皇は改めて道長の存在を憎く思ったことでしょう。
道長、倒れる
道長が諸々の心労によって(?)倒れてしまいました。
息子・顕信の出家によるストレスなどもあったことでしょう。
道長の時代の政治や事情などは道長の日記「御堂関白記」や「大鏡」そして実資が書いた「小右記」などで推察することができます。
いくら側室腹の子といえど、最終的にみな大納言などにまで登りつめているので、顕信もこらえていればそれなりの地位を得たかもしれません。
しかしながら蔵人頭になれなかったことでキレて出家、という顛末でした。
ドラマでは母の源明子(瀧内公美さん)が正妻の子に負けるなと散々プレッシャーをかけていたので、プツリときてしまったのかもしれません。
明子はかなり勝気で兄をもバカにしている感じがありましたので、バチが当たったようにも思われました。
さて、道長の病は長年の飲酒による糖尿病が主原因であらゆる症状に悩まされていたといわれておりますが、たしかに俊賢を加えたF4はしょっちゅう作戦会議がてらお酒を飲んでおりましたね。
三条天皇にとってこの道長の病はチャーンス!の、はずでしたが、届けられた道長の辞表も慣例通り一度は辞退しなければなりません。
(イヤイヤ感ダダ漏れでしたが・・・)
三条天皇の施政というのはあまり評価されておりません。
それは次回描かれるようですが、内裏での火事やご自身の眼病によって5年ほどの短い在位だったからです。
次の天皇は彰子の子であり、道長の孫である後一条天皇が即位するにあたり、「この世をば・・・」と謳歌する望月へとつながってゆくわけです。
川辺の誓い
道長が病に倒れ、宇治で療養しているのを昔馴染の百舌彦(本多力さん)に知らされたまひろは道長に会いに宇治の別荘へと赴きます。
その死相が滲む道長の姿に涙するまひろはかつての日々を思い浮べていたでしょうか。
道長の別荘は現在平等院鳳凰堂が建てられているあの場所ですね。
源氏物語/宇治のお話では、この鳳凰堂のあった道長の別荘が夕霧の別荘のモデルになっているといわれております。
そうなりますとその対岸に隠棲していた八の宮の山荘があったということになります。
さて、道長の別荘は宇治川へは約50メートルほどで川辺に行くことができるでしょうか。
二人で川辺に赴き、まひろは道長と共に逝く、と告げました。
二人で川に流される、なんて、ロマチックなのか(?)恐ろしい台詞をのたまったわけです。
この頃厚く信仰されていた御仏の教えでは、自死は大罪とされておりました。
輪廻を外れて永遠に苦しむと信じられていたのです。
源氏の一生を書き終えたまひろが燃え尽き気味に「出家しようかしら」なんて娘に漏らしていましたが、道長と死を選ぶというのはまったく逆ということになりますね。
なんとも軽々しく口の端にのぼらせるのが残念に感じました。
無念の死を遂げた友の直秀を思い、まひろとの約束を胸に抱いて生きてきた道長は、その約束を忘れれば生きる力さえ失うと告げました。柄本道長渾身の愛の告白ですね。
そしてまひろにも死んではならないと訴えるのでした。
こうして宇治のお話の執筆を始める、という流れになりました。
次回は道長復活?
そして三条天皇奇禍か?
それでは、また来週☆