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『光る君へ』第40話を観て・・・※ネタバレあり
みなさま、こんにちは。
本日は『光る君へ』第40話を視聴した感想を掲載させていただきます。
藤裏葉
ドラマの冒頭で第33帖の藤裏葉が朗読されておりました。
劇中の藤壺は華やぎ、話題の中心は「光る君」のことばかり。
さて、「藤裏葉」は源氏の息子の夕霧と筒井筒の内大臣の姫・雲居雁がようやくその恋を実らせるという帖です。
夕霧に娘を許そうという内大臣は藤原一族の花である「藤」の宴にて夕霧を婿に向かえようと考えました。
たしかに劇中の和泉式部(泉里香さん)が褒めそやすように絢爛な場面が多く描かれた帖です。
夕霧と雲居雁が結婚する藤の宴から始まり、東宮へ入内することが決まった明石の姫が宮中に上がる前に紫の上と共に葵祭りの見物に出かけます。
そして、源氏四十の御賀の為に息子である冷泉帝が六条院に行幸し紅葉を愛でる、という場面が華々しく描かれております。
私が書いた源氏物語の藤裏葉第一話はこちら・・・
劇中では淳康親王(片岡千之助さん)が、中宮彰子(見上愛さん)に慕情を滲ませながら、藤式部(吉高さん)に「藤壺は源氏の君をどう思っていたのか?」と作者の意図を聞きだそうと問います。
しかし、まひろは謎の微笑みを浮かべて答えてはくれません。
この場面は道長(柄本さん)の険しくも怪訝な表情が表す通り、娘の彰子とこの皇子が間違いがあってはならぬ、というただならぬ気配を感じました。
この問いに式部は迂闊には答えられません。
「慕っていたでしょう」といえば、淳康親王の慕情を肯定するようであり、「慕ってはなかったでしょう」と答えれば、親王の心を傷つけかねないのです。
和泉式部と赤染衛門(凰稀かなめさん)の軽やかで機転を利かせた応酬でその場の雰囲気は和みましたが、淳康親王危なげですね・・・。
私はこの冒頭に違和感を感じました。
前述の通り、藤裏葉は夕霧と雲居雁が結ばれる話で、この時点ですでに藤壺女院は世を去っているのです。それなのに藤壺が源氏を想っていたのかどうか、という問いにつながる帖ではないと感じます。
この問いがもっとも有効に発動されるならば、「賢木」の帖ではないでしょうか。
桐壺院が薨去し、藤壺中宮は実家の三条邸へ戻ります。
宮への心を抑えられない源氏は三度逢おうと三条邸に忍び込むのです。
藤壺中宮は不義の子を産んでおります。そしてその子は次の東宮。
母としての感情が大きく支配する中宮の心を踏みにじるように源氏は執拗に宮に迫ります。
かつては愛があったかもしれない・・・。
それとも愛があるのか???
と藤壺が煩悶するのがまさにこの場面であると思うのです。
結局、藤壺は源氏の執着を逃れるため、子を守るために出家してしまいました。
君をおきて・・・
不調を訴えられた一条天皇(塩野瑛久さん)の余命はいくばくもない、と陰陽博士が道長に告げました。
その辛い結果を知った帝は譲位を仄めかします。
こよなく愛した定子との子である淳康親王を次の東宮へしたいところでしたが、忠臣・藤原行成に道長の存在と政治力を示唆されて彰子が生んだ皇子・淳成親王が東宮へと冊立されることになりました。
道長はたしかにそれまでは帝の意向を尊重し、無能な伊周(三浦翔平さん)を復権させてきましたが、この次々代の天皇を後ろ盾もない淳康親王に据えるなどは宮中での混乱を招くことであり、道長の施政に支障をきたすであろうことから何としてでも自分の孫を東宮にしたかったわけです。
一条天皇は承諾し、死の淵に追いやられました。
寝所で苦しそうな御姿はすでに剃髪され、御仏の弟子となっておられましたね。
そして辞世の句を彰子に向けて残したのです。
露の身の風の宿りに君をおきて
塵をいでぬることをこそ思へ
(まるで露のように儚くなった私の命が尽きようとしている。この世にあなたを遺して浄土へ旅立つのが悲しい)
最後に彰子を思い遣った帝の歌でした。
40話の最後では双寿丸(伊藤健太郎さん)なる腕っ節の強いイケメンが登場。どことなく散楽の直秀を思い起こさせる若者ですが、どうやら武家の家臣?下人?のようですね。
まひろとはどのような関係になるのでしょう???
娘の賢子のいい人か?
賢子はいずれ宮中に上がりますので、母親のまひろが経験したような辛い別れになりそうな予感・・・。
ともあれ、また来週☆
コングラボードをいただきました。
ありがとうございます!
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