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『光る君へ』第41話を観て・・・ ※ネタバレあり

みなさん、こんにちは。
本日は『光る君へ』第41話の視聴感想を掲載させていただきます。
今回はまたまた道長にふりかかってくる不穏な気配がありました。
タイトルの「揺らぎ」とは道長の権力が揺らぐのか???


 三条天皇の敵愾心

一条天皇の崩御によって次の帝にたつ三条天皇(木村達成さん)は、はや道長(柄本さん)を牽制するために側近を布陣しました。
道長の兄である道綱(上地雄輔さん)、隆家(竜星涼さん)、そして道長の次男である教通(姫子松柾さん)を側近とし、内裏に移る際の差配はそれまでそうした責務を担っていた実資(ロバート秋山さん)ではなく公任(町田啓太さん)を任命しました。
先の帝の側近を一掃しようとする意図が見られます。
前回では三条天皇は道長のいいなりにはならず、自分なりの治世を仄めかしておりました。それを裏づけるような側近の選定ですね。
ここで少しこの頃の皇統について確認してみます。(複雑なもので)
この頃の天皇の系統は円融天皇と冷泉天皇の皇統が交互に天皇となるならいでありました。
崩御された一条天皇は円融天皇の皇子、母は道長の姉である栓子です。
そして三条天皇は冷泉天皇の皇子、母は同じく道長と同母の姉の超子です。
つまり一条天皇も三条天皇も道長の父である兼家の孫ということになります。すでにこの世にない道長の父の影響力がいまだ残っていることになりますね。
三条天皇は一条天皇より四歳年長であるのに東宮となりました。
これはもちろん兼家の目論み通りでありますので、もはや強靭な後ろ盾の無い三条天皇は道長の政治力を恐れたのでしょう。
ここからはネタバレですが、三条天皇の治世は五年ほどと短いものになります。眼病を患い、内裏が焼失する事件が相次ぎ、道長に退位に追い込まれるわけですね。もとより一条天皇より年長ですので、長い治世というのは難しかったでしょう。
まぁ、今回は三条天皇の敵愾心が垣間見られた回でした。

 平安女子のおしゃれポイント

第41話では、道長の強権ぶりに翳りがさす方向にむかっている感じでしたね。
しかし私は個人的に注目してしまった別の部分がありました。
それはききょう/清少納言(ウィカさん)が和歌の会に乗り込んできた場面です。もちろん平安才女揃い踏みで壮観ではありましたが、それぞれの美しさと個性を感じたところでした。
清少納言はキツイ言葉で彰子を貶めるような発言をして、とっとと帰ってしまいました。
この時性格のキツさが髪型に現れているなぁ、とつくづく感じたのです。
それはズバリ「下がり端」
モミアゲ(失礼・・・)のようなあの部分です!
清少納言の下がり端は性格を表したような暴れっぷりです。

清少納言ウイカさん

平安女子の髪型のポイントは額髪(ぬかがみ/ひたいがみ)とこの下がり端で個性を主張した部分です。
ウィカさんはかなり個性的な下がり端でしたが、紫式部/まひろ(吉高さん)は正統派な姫らしい髪型です。

紫式部

そして道長の正妻である倫子(黒木華さん)はしっとりとした清純な印象の髪型ですね。

倫子

そして奔放に恋を楽しむ艶やかな和泉式部(泉里香さん)は髪の美しさを誇示するように自然体で妖艶な髪型です。

和泉式部

そして、大人の女性らしく落ち着いて知性が溢れ、生え際が際立って美しいのがこの方!
赤染衛門(鳳稀かなめさん)です。

赤染衛門

これだけの女優さんたちが出演されていると、装束のみならず、それぞれの個性と美しさが際立ってとても楽しめます。
(・・・今回はちょっと脱線してしまいました)

 詠まれた和歌

和歌の会で詠まれた歌は才女たちの個性を示した歌でしたのでぜひ紹介を。

赤染衛門
 誰にかは告げにやるべきもみぢ葉を
    思ふばかりに見む人もや

(この赤々と燃えるように美しい紅葉の様子を誰に告げればいいのだろう。心ゆくまで共に楽しんでいてくれる人が側にいてくれればいいのに)

紫式部
 なにばかり心づくしにながめねど
    見しにくれぬる秋の月影

(心に懸ることもなくふと眺めた月ではあるけれど、なぜだか涙がこみあげてきて暮れてしまった秋の夜長であるよ)

和泉式部
 憂きことも恋しきことも秋の夜の
  月にはみゆる心地こそすれ

(秋の夜にみる月は格別に辛いことも恋しい気持ちも素直に映して見えるものです)   

 椿餅と淳康親王

さて、清少納言を通じて淳康親王(片岡千之助さん)から中宮・彰子(見上愛さん)に贈られた椿餅。
源氏物語の重要な場面で登場します。
それは「柏木/女三の宮垣間見事件」において・・・。
夕霧をはじめとする公達が六条院で蹴鞠を楽しんでおりましたが、源氏が若者たちを労う為に側によんで饗応する場面がありました。
ここで椿餅をふるまったとありますね。
その事件は若菜・上の帖で起こります。
こちら・・・

淳康親王は(表向きは)母と慕う彰子に遠慮がありませんでしたね。
まさかの御簾内に強引に入るなんて・・・。
しかもしれっと
「私は源氏の君のような真似はいたしません」
と、、、道長でなくても激怒ものです。
いやはや、危うすぎる・・・。
そして御簾から飛び出して平気で顔を晒す妍子(倉沢杏菜さん)もあまりに自由ですね。

さてさて、全50話ということですので、そろそろ終わりが見えてきたこのドラマですが、どのように終わるのでしょうか。
やはり奇をてらわずに、自分の一生を振り返りながらあの世に旅立つ紫式部というのがNHKらしいのでしょうね。

次回は「川辺の誓い」というタイトルですが、まさか道長走馬灯???
では、また来週☆




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