『光る君へ』第43話を観て・・・※ネタバレあり
みなさん、こんにちは。
NHK大河ドラマも終盤ですね。
来週の予告では道長が望月の歌を詠じておりました。
今週のタイトルは「輝きの後に」とありましたが、これまたよくわからないタイトルでした。
娘を中宮にして、自分の孫を東宮に冊立した道長(柄本さん)のことが「輝き」なのか?
一条帝の退位によって践祚した三条天皇(木村達成さん)の「輝き」なのか?
ともあれ文脈からして「輝きの後に」とくれば、落ちるしかないですよね。
それとも「さらに輝く」のか?
今週は輝いている方は彰子さましかいなかったので、そうではないでしょう。
三条天皇の病
私が把握している史実では、三条天皇は眼病を患っていたという記憶があります。そしてその眼病とは、この時代あるあるの糖尿病に起因すると主張する学者さんが多くあったような・・・。
ドラマでは耳も聞こえない、という設定になっておりましたね。
そうなりますと難聴は別の原因があったのではなかろうか、と。
現代人の抱えるストレスがその正体であると脚本家さんが描きたかったのならば、三条天皇が道長の支配する朝廷にストレスを感じていたということでしょう。
加えて内裏で二度の火事があったことで、道長は、天が政に異を唱えていると譲位を迫るわけですね。
孤立無援の三条天皇は真面目な忠臣・実資(ロバート秋山さん)を味方に付けようとその息子を蔵人頭に任命する約束をしました。
史実では実資は中立で公正明大な御仁ということですので、三条天皇が頼りにしたのでしょう。
しかし、約束は破ってはいけませんね。
三条天皇は宋から薬を取り寄せて飲んでおりましたが、一説によるとこれには水銀が含まれていて、これによってさらに病状が悪化したとも・・・。
くわばら、くわばらです。
来週は望月ですから、三条天皇が退位させられるということですね。
賢子の恋は意味があったのか???
武士ですが、散楽の直秀を彷彿とさせた自由人の双寿丸(伊藤健太郎さん)が、大宰府へ赴くこととなり、どうやら退場の気配です。
もっとキーマンかと思っていたものの、あっさりとした別れでした。
第43話は史実をなぞるようにダラダラと話が展開してゆき、隆家(竜星涼さん)も、あれだけ憎まれ口を叩いていた清少納言(ウィカさん)も毒気を抜かれたように退場するモヨウ。
道長の息子の頼道(渡邊圭祐さん)に子供がなかなかできないくだりは、倫子(黒木華さん)が実は道長には別に思う女性があったのを知っててよ、という夫婦の会話を引き出すものでした。
先週もう一人の妻である明子(瀧内公美さん)が息子の出家を嘆いて床に伏していたので、あれで明子は退場なのでしょう。そして、正妻倫子もこれで退場しそうな伏線ですね。
さて、話は元に戻しますが、賢子の失恋について。
主人公はまひろ(紫式部/吉高さん)なわけですので、女流作家である前に一人の女性であり、母である、という面が今回で清算された感じがします。
あれだけ娘に嫌われていたのに、双寿丸のことを見守るスタンスで小うるさい母親卒業、というわけですね。
そういう意味では賢子の失恋は必要だったのかもしれません。
為時パパ(岸谷五郎さん)が孫に「本当にお爺さまみたい」な、ことを言われておりましたが、寄る年に従うように為時パパも退場なのですね。
今回はいわゆる「伏線回収回」というか、ドラマを史実に寄せてゆく修正回でしたのであまり面白くもありませんでした。
さて、来週望月の歌が出てくるということは、東宮・淳成親王が後一条天皇として即位するということですね。
道長は三女・威子を後一条天皇に嫁がせ「一家三后」を成すのです。
加えて自身は外祖父として政治に携わり、息子頼道のために盤石な体制を築くのです。
予告では「紅葉賀」を彷彿とさせるシーンが流れ、源氏物語ファンとしてはこの場面がビジュアル化されるのはこの上なく楽しみです。
私が書きました令和源氏物語で源氏と頭中将が「青海波」を舞った場面を描いたのはこちら・・・。
では、また来週☆