【国語教材研究】「はなのみち」(光村図書1年上)は挿絵を読め!
小学校1年生が初めて出合う物語教材「はなのみち」(光村図書1年上)。見開き4ページ、約130文字のとても短い文章です。
この物語の大きな特徴は、必要最低限の文章で物語を展開しているところ。
物語は次のように始まります。
くまさんが、ふくろを みつけました。
「おや、なにかな。いっぱい はいって いる。」
(「はなのみち」光村図書1年上より)
物語のはじめに本来あるべき場面設定や人物設定などは省略され、いきなり出来事が起きます。
「くまさんが道に種を落としてしまう」という物語のカギになる行動も、「袋の中に入っていたものが種だったと気付いた」登場人物の様子も文章では書かれていません。
描かれているのは、挿絵の中。
つまり、「はなのみち」を読むには、挿絵を読むことが必要なのです。
そこで私は、叙述だけではなく挿絵をもとに文章を書き加えて紙芝居を作る言語活動を設定しました。書き加える内容は、時間や場所などの場面設定、登場人物の紹介、登場人物の行動・会話など。これらは、読むときに意識したい物語の基本的な構成要素です。
1枚目の挿絵から、子どもたちは次のようなことを想像しました。
「くまさんは大掃除をしているところなんじゃないかな」(登場人物の行動)
「すずめさんがのぞいている。くまさんの友達かな」(登場人物の設定)
「ストーブがあるよ。きっと冬なんだね」(場面の設定)
挿絵をもとにして、場面の様子を想像していることが分かります。「紙芝居」という言語活動を設定することで、聞き手が分かるように物語の構成要素を補う意識が生まれたのです。
「挿絵を読む」ことは、場面を想像しながら読むことの手立てになります。特に低学年のうちは、叙述と併せて「挿絵」に着目することを意識することが「読む力」を高めることにつながるのです。
▼具体的な授業の流れを知りたい方はこちら▼
「はなのみち」の指導案(PDF)
「はなのみち」提案資料(PowerPoint)
※著作権の関係上、資料の中から挿絵を削除しています。ご了承ください。
※PowePointの資料は、編集ロックをかけていますが、読み取り専用で開くとパスワードなしで見ることができます。
多くの人にぜひ見ていただきたく、現在無料で公開をしています。見ていただいて、お役に立てましたらコメントやサポートをいただけるとうれしいです!
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