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同調圧力がニガテ。学校に行くのが「怖い」という高1息子の背中を押した朝。

もともと学校があまり好きではない息子。

うちの学校は夏休み明けすぐにテストがあり、それが終わると学園祭準備に全振り期間に入る。テストまでは元気だったが、テスト返却期間あたりで風邪を引いてしまった。

まぁ、わたしのたちの悪い喉の風邪がうつってしまったんだけど。

コロナでもインフルでもないけど、熱はないのにしつこく喉や咳の攻撃がある風邪で、わたしもいまだにスッキリ直らず、息子も週末から週をまたいで水曜日までお休み。

土曜日から学園祭なので、もう学校全体で授業はなし、学園祭の準備に全振りしている期間だ。18時までの残業も公に認められている。

昨日も前日は行けそうだと言っていたのに、朝になったら「まだだるい」という。大事を取って休みな、と休ませたけど、どうも家では元気。

昨晩も「明日は行くよ」と言っていたけど、今朝起こすと「・・・まだ喉がいたい」と浮かない顔。

静かに目を潤ませて「・・・なんか怖い」

出た出たこの表情とこのセリフ。小さいころから何度も見ているこの表情。「行きたくない」のサインです。

身体が元気になっているけど、長期間空いてしまっているので億劫になる現象。この現象に名前をつけたい。

長期間休むと、息子じゃなくてもだれでも、「あーめんどい」となってしまうものだけれど、息子はさらに学校があまり好きではないので、いろいろ考えてしまうようだ。

けれどこのタイミングで休むと、さらに行くのが億劫になる。休んだ日数と気が重くなる量は比例すると思っていて、できるだけ早く復帰して外の刺激を浴びてしまえばスイッチがオンになる。流れに乗ってしまえば大丈夫な子なので、スイッチがさび付かないうちに学校にやったほうが良いと判断。ここからわたしの怒涛のカウンセラーモードが始まる。

「みんなが学園祭の準備しているのに、途中で帰るとか言いにくいし嫌なんだよ・・・だけど具合悪くなったらどうしようと思うし・・」

はい、わたしもこれすごく思うので、一時期嘔吐恐怖症が出ていたころは、友人と外食の予定を入れて、当日の朝「吐いたらどうしよう」で恐ろしくなり、断るかギリギリまで迷って胃薬をいっぱい飲んでビビりながら行ったりしたものです。

わたしの心配性な性質が遺伝しちゃったんですかね。

この「周りがやる気満々でワイワイやってるところに水を差すようなことをする」というのが苦手ってすごくわかるし、割とそう感じる人も多いと思うんだよね。一体感を壊してしまうとか、迷惑をかけてしまうとか思っちゃう。

わたしもそういうタチなので、一時期は気にしすぎて自家中毒みたいになって、それを通り過ぎたから言えることだけど、ぶっちゃけ「みんなそこまで自分のことに注目していない」し「みんなそんなにひどい人じゃない」。

準備でみんなワイワイやっている「かたまり」に見えてしまうけど、実はよーく見るとみんながみんなやる気満々なわけでもないし、ダラダラやってる人もいるだろう。適当にサボってる人もいるだろうし、普通に休む子もいる。

そういう子に対してひとりかふたり、もしかしたら「ずるい」だの「ちゃんとやってよ」だのと批判的な視線を向けたり、発言をする子がいるかもしれないけれど、だからといってみんながみんなそう思うわけでもなく、逆に「え、大丈夫?」と気遣ってくれる人もいるはずだ。そして大半が「ふーん、そうなんだ」程度で、何とも思わないはず。

気にしぃの性格だとこの「ちゃんとやってよ」の批判的意見が100%自分に向けられてしまうのではないかと想像して、心配が膨らむ。周りが全員自分を批判しているように感じてしまう。

だけど実際にはみんなそこまで気にしていない。残念ながらインフルエンサーでもなんでもないのに、そういうときだけ自分が大穴を開ける気になってしまうのよね。しんどい。

ネガティブ思考とかってもう性格とか性質なので、直すのは難しい。慎重すぎるということだから、悪いことでもない。だけどすごく疲れるんだよね。

じゃあどうするかというと「場数を踏む」以外に方法がないと思う。いまのところわたしは「場数を踏んでみて、結構大丈夫だと思う」という経験をしているから息子にそう声をかけられるのであって、以前はわたしだって「なんて思われるんだろう」とか悶々としていた。

いまでも他人の目は気になりまくる方だから、ちょっとした言動で「え、わたしのこと嫌いなのかな」とか「今の発言、どう受け取られたかな」とか気にしてしまう。その割に自分の言いたいことは言っちゃう性格なので、自分で自分が扱いにくい。

困ってしまって、いろんな心理の本を読んだり、自己啓発セミナーに行ったりした時期もあって、そういう場所にが似たような「気にしすぎて疲れる」人もまぁまぁ多くて。

わたしだけじゃないんだと思ったし、心配なことも「心配の9割は起こらない」と思って物事を冷静に振り返るようにしたら、確かに自分の心配や妄想がとてつもなくえげつないことになっているので、それに比べれば現実のほうがよほど大したことないのだということにも気づいてきた。

そうなってくると、「こんなに心配が膨らんでるけど、実際はそこまで大したことないだろうから大丈夫」という予測がつく。

実際それでやってきたら、自分はかなりラクになったし、いま目の前で、いろんな不安予測をして「怖い」と言っている息子にしてやれることは「行ってみたら思ったほど大したことない」を経験してもらうこと、だと思った。

だから息子に伝えた。

「みんながやる気満々で作業してるときに、自分だけ抜けたら悪いし、すごい批判的に見られるんじゃないかと気になるんだよね。だいじょうぶ、実は全員が全員やる気満々でもないし、テキトーにやってる子もいる。誰かが批判的なことを言っても、「大丈夫?」と気にしてくれる人もいる。なんとも思わない人が大半。いまあなたの頭の中ではとんでもない悲劇が起こっていると思うけど、実際に行ったらそこまででもないはず。それを経験するために行ってごらん」と。

わたしの予測では、その予期不安が一番彼を苦しめているのであって、行ってしまえばスイッチが入って、楽しくなるだろうと予測してのこと。

でも、もし本当に具合が悪くなって帰りたいと思ったときのために、こういう助言もした。

「もし具合悪くて帰りたくても言えなかったら、保健室に行って先生に「具合悪いけどみんなが頑張ってて悪いなぁと思って言えない」と相談してみるとか、担任に伝えてみるとか、先生が嫌なら、クラスの面倒見の良い子を見つけて相談してみるとか、何かしら協力してくれそうな人を見つけて協力を仰いでみたら。大きな声で『この子具合悪いから帰るってー』と代弁してくれそうな子っているでしょ」と。

できないことは、できそうな人に頼ればいい。これも息子には伝えたいこと。クラス30人余りいれば、そういう子のひとりやふたりいるだろう。嫌なやつもいるけど、いいやつもいる。そういうとこが集団のいいところだ。

すると少し納得したような感じでしぶしぶ行く支度をした。今日は学食もやってないので、コンビニでおにぎり買って行きなよ、とコンビニまで一緒に行ったら、ほんの少しだけにやっとして、ついでにグミまで買っていた。うん、大丈夫そう。

もともと知らない場所やわからないことが苦手で、学校の研修旅行など予期不安が強くなり大変だった。だけど行ってしまえば「楽しかった」と笑顔で帰ってくることがほとんどの息子には、今日の対応がいちばん良いだろうと予想してのこと。

それでも確信は持てないし、めちゃくちゃ背中を押して行かせた手前、やっぱり行って具合悪くなったり、息子が予想していたみたいに圧があっていいたいのに言えなかったり嫌な思いをしないかなぁ、大丈夫かなぁ、など、帰宅した息子の顔を見るまではなんとなく頭の片隅に引っかかっている。これはいつもね。わたしも心配性ですから。

高校生なので親のフォローまでは必要ないかなと思いつつ、いちおう担任の先生には息子の性質を伝えてあるし、今日もいちおう電話で事情だけ伝えておいた。

いやぁほんと、学校が好きじゃない子を育てるのは大変だわなぁ。と今日も息子を送り出して小さくため息。

だって皆勤賞狙いの子とか、学校に行きたいから多少具合悪くても行く!とかいう子の話を聞くと、どこの世界の話よ?って感じで、毎朝「今日は行かないっていわないかなぁ」って小さな心配とともに夜が明けるんだもの。

なんとか高校1年生まで来たので、こういう分かりやすい「学校行きたくない」はあと2年。こんなに学校に行きたくないのに、ラクそうだから大学は行く、とか言ってるんだけど、勉強嫌いで学校嫌いでどーすんの。入ったはいいけど単位落として留年とか勘弁ですよ、などとまだまだ心配は尽きない。

高校2年から文理選択に別れ、受験モードに少しずつ入っていくと予想されるので、息子の苦手な同調圧力感は来年から徐々に薄れていくはず。少なくとも行事は高2までの参加なので、高3は受験やら予備校通いでかなりみなさんバラバラに行動するだろうし、ほんとうにあと少し!と思って頑張って息子の背中を押す日々だ。

今日もあれこれ用事があるけれど、「息子どうしてるかなぁ」と思いながら過ごすのだろう。で、ケロッとして帰ってきた息子の顔を見て「心配してたのにケロッとしやがってー心配して損した」と言いつつ、ものすごくホッとするのだろう。

息子がどんな表情で帰ってくるか、気になるなぁ。笑顔で帰って来てくれたらいいなぁ。と思いながら一日を過ごすことにする。

今日もお読みくださりありがとうございました!

学校嫌いのマイペース息子について書いた記事、ほかにもあるのでよかったら。


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