生に生かされず、死に生かされてみるのも悪くない。
私の母方のおばあちゃんは、アクティブでフットワークが軽く、自由奔放な人だった。
どれだけ歳を重ねてもおしゃれを欠かさず、お洋服も大好きでお化粧もしっかりして、昭和初期の生まれとは思えないほどにジャンキーなものも大好き。
若い頃から登山や旅行も大好きで、たまに旅行先で撮影した写真を楽しそうに見せてくれた事をよく覚えている。
そんなおばあちゃんが亡くなる直前
私たち家族にお願いしたことが二つある。
一つ目は旦那と苦楽を共にした家に早く帰りたい
二つ目はアイスクリームを食べたい
そのお願い事を母が聞き、病院の先生にお伝えした時はとても驚いていたそうだけど、二つ目のお願いに関しては、家族のみんなは口を揃えて「おばあちゃんらしいお願いだね」と言って笑った。
病気で食事制限をされていた時も「サプリメントや薬なんかより、天丼が食べたい」と言ったこともあるおばあちゃんだ。
「サプリメントをどうにか摂取してもらおうと色々試したけどバレちゃうのよ」と母が困っていたのをよく覚えている。
苦労している母には申し訳ないけれど、まるでお薬が苦手な子供みたいで思わず笑ってしまった。
そんなおばあちゃんが最後に願ったことは、きっと亡くなることを悟ったうえでのお願いというよりは、最後の最後まで生きる楽しみを忘れようとしていない前向きなお願いのように思えた。
私はそんなおばあちゃんを見て
「なんて素敵な人生なんだろう」と感じた。
母はわがままで自由奔放なおばあちゃんにほとほと呆れていたけれど、私はそんなふうには思わない。
むしろ私はそんなおばあちゃんが羨ましいとも思う。
このまえ読んだ本に
「人は死に向かって生きている」と書いてあった。
当たり前なことではあるけれど、人生のどのタイミングでこの言葉に出会うかによって全く考え方が変わるような気がしている。
私がこどもの頃、「死」という得体の知れないものに対して感じていたのは、漠然とした恐怖だった。
夜中に目が覚めて「明日死んだらどうしよう」って考え出したら、急に息が詰まって目を閉じるのが怖くて眠れなくなったこともある。
大人になった今でも、死について恐怖を感じることはあるけれど、こどもの頃とは違い、冷静に自分の人生を振り返ったうえでの恐怖を感じている。
それはきっと自分がまだ何も成し遂げていないと思うからで、現状に満足していないと思うからで、もはや死ぬことなんかより、生きることに対して恐怖を抱いているような気もしている。
このまま歳を重ねていったとしたら、今以上にこの恐怖は増していくだろう。
ならばこの世を去るときに心置きなく「良い人生だった」と思うために、何が一番必要なのだろう?
それはきっと地位や名誉のような目に見えた成功なんかよりも、価値のある経験や思い出であると私は思う。
もしもこれから先、自分が満足できる富や名誉を得て、生きることに対しての恐怖を埋めることはできたとしても、死の恐怖を埋めることはきっとできない。
生きているうちに、多くのものを得たとしても、死とともに手放さなくてはならないのだから。
失う恐怖のほうがもっと大きい。
自分の栄光に優越感を感じながら良い人生だったと思えるのであれば、それでも構わないけれど、きっと死ぬ間際に考えるのはもっと違うことだと思う。
きっと私は優越感よりも後悔ばかり浮かびそうだ。
だとするならば、人生のなかにある楽しい思い出や幸せだった日々を、一つずつ数えながら、私のおばあちゃんみたいに「明日も生きてたら〇〇が食べたいな」なんて思いながらこの世を去りたい。
そう思ったら、長いようで短い人生をもっと好きなように生きてみても良いのかもしれないな。
好きなことしよう
好きなところに旅行に行こう
好きなものを食べよう
それができるだけのお金があれば充分だろう
今は恋人や結婚なんて
頭の隅っこに追いやられているけれど
いつか心から愛せる人と出会えたらいいな
そうして愛する人の最後と
私の最後が幸せであったらいいな
”どう生きたいか”
で考えるのではなく
”どう死にたいか”
で生きる意味を探してみるのも悪くない
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花崎由佳(はなさきゆか)
フリーフォトグラファーをしながら
メンタル心理カウンセラーもやってます
日々の小さなお悩み、人間関係のお悩み、
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