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西洋での蝶の羽根の意味

可愛らしい子供たちが戯れるような彫刻。これは、ギリシャ神話の神アモルとプシュケーという姫が愛し合っている様子です。



「アモルとプシュケー」 紀元前4世紀のギリシャ彫刻を古代ローマ時代にコピーしたもの。ウフィツィ美術館3階、レオナルド・ダ・ヴィンチの部屋の側の廊下。


前回の投稿で、夜や夢を表す蝶の羽根を持った天使に言及した際、プシュケーに触れたので彼女についてもご紹介。



プシュケーはある国のとても美しい王女でした。あまりにも美しかったため、女神のように崇められるようになります。



しかしそのために結婚相手が見つからず、二人の姉が結婚した後も全く婚約者が見つかりませんでした。



心配した彼女の両親は神託を伺います。神様は、心配せずとも彼女を愛してくれる人が現れる。崖の上に娘を一人残しておくように伝えます。



一方、プシュケーの噂を聞いたヴィーナスは気分がよくありません。人間でありながら、美の女神である自分と同じように崇められているプシュケーに罰を与えようと考えます。そこでイタズラ好きの息子アモルに、プシュケーを世界で一番醜く気持ち悪い男に恋に落ちさせるように命じました。



アモルは意気揚々と母の言う通りにプシュケーにイタズラを仕掛けようと、恋の矢を向けます。ですがこの時は手元が狂って自分の足を射てしまい、すっかり彼女の虜になってしまったのでした。



プシュケーの両親が神託の通り娘を崖の上に残すと、強い風が吹き彼女を空高く攫っていきます。



辿り着いた所は大きなお城。誰もいないけど、プシュケーの望むものは何でも与えられ、毎晩夜の帳が降りた頃にアモルが現れ、彼女を優しく包んでくれたのでした。


そのため、プシュケーはよく夜のシンボルである、蝶の羽根を生やした姿で表されます。


蝶の羽根の象徴学は西洋で後世にも大きな影響を与え、多くの作家や画家が取り上げました。

西洋芸術を観る時の参考になさってみてください。

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