師走イカの日は、イカのカルボナーラ風
ジワジワと拡がりつつあるぞ(ニヤリ)と、まことしやかに思い込んでいる、
「毎月10日は、イカの日」。
先月は、生でいくか詰めるかで迷って結局作ったのが、日仏融合のイカ飯にイカの断片を混ぜたはんぺん添え。魚が魚っぽい状態なのをグロテスクだと捉えてしまううちのOtto氏に、制作過程を見られさえしなければおそらく食べてもらえるに違いないと思って、最終的に詰めにいったのだ。
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noteご近所のなかで、イカを心から愛でるひとたちの集まり、自称イカ連ことイカ連盟。
もうずいぶんと前のことになるけれど、会長であるチョコチップクッキーさんのこの記事がたまたま目に飛び込んできたイカ好きの私は、いてもたってもいられず。
熱いラヴコールでナンパしてフォローし合うようになってからというもの、オッサンヌなふたりで日仏イカ交信を続けてきた。
そこに、府中のなんでもできちゃう世界料理研究家、ケイチェルおじ氏がイカの可能性に開眼してくれて、現在3名でアングラに活動中。
このイカ連、会員条件はただひとつ。
「イカが好き🦑」、以上。
活動としては、会長が常々おっしゃっている「清く正しく」イカに向き合うをモットーに、生命の神秘でもあるイカに敬意を払い、毎月10日のイカの日にイカを愛でるだけ。
創立メンのイカヲタぶりは気にしないでいただき、イカの乾き物で利きビールするのでも塩辛で日本酒あおるのでもイカの解体をしてみるのでも、なんでもOK。
いつでも会員募集中なので、よかったら是非お仲間になりましょう。
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さて、今月のイカの日。
気合い入ったのは最初だけでみんな忘れてたりして…なんて心配をよそに、パリ時間の昼過ぎくらいに府中支部の会員から爆速系スタートダッシュ。世界のミクニにじゃが塩辛などという、これまたとてつもないものがきて、吹き飛ばされそうな勢い。
少しして、ハマのブイブイ系QOLねーさんことぽなちゃんのご近所との噂なので横浜支部?ってか本部?のチョコ会長からは、イカ好きの原点に立ち返るシンプルの極みな逸品。襟を正される思い。
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時差の関係で毎回アンカーなんじゃないか?と今更になって気づいたパリ支部の私からは、先月やりたかった生イカ、正確にいうと限りなくレアなイカの逸品をお届けしよう。フレンチのスターシェフ、JFPのレシピだ!
JFKじゃないよ、JFP。
その名も、Jean-François Piège(ジャン=フランソワ・ピエージュ)。
このサムネイルの一番右にいる方。
もうちょっとぽっちゃりしていた時期もあって、フクフクしていてお肌つるりん系。つやっつやな桃太郎みたいで、お相撲さんとかクマさんとかふかふか系に弱い私にとってそれはもう見ているだけで癒しだった。悲しいかな、最近はシュッとしてしまったようだけど。
長らくTop Chefというフランス全土で人気の料理番組に審査員スターシェフのひとりとして出演していたこともあり、おそらくフランスでもっとも有名なシェフのひとり。
パリ市内に数軒のレストランを展開していて、日本とのつながり的には、数年前に東京銀座の真ん中にある三つ星フレンチ、資生堂パーラーが経営しているL'OSIER(ロオジエ)でコラボイベントをやっていた。
ロオジエは今年も三つ星だったらしい👏
そんな彼が、かつてパリ7区の美食通りサン・ドミニク通りにあるThoumieux(トゥーミュー)というホテル併設のブラッスリーで出していたアイコニックな一皿が、このイカのカルボナーラ(calmars à la carbonara)だ。
実はこの動画、ずいぶんと前からブックマークしていて、先日膨大なブックマークを整理していたときに発見したのを機に、これは絶対次のイカの日に作ろう…!と決めていた。
動画ではちょうど1分経過したあたりからJFPが登場。フランス語だけど、動作を見てれば大体わかると思う。イカを細ーく切ったものを本当に軽ーくグリルしてスパゲティに見立て、カルボナーラ風に仕上げたものだ。
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そもそもイカ刺しが死ぬほど好きな私。
前にどこかで書いたような気がするけれど、三陸祖母の家でお客さん&家族に必ず供される品数に驚く朝ごはんの定番おかずのひとつが、イカ刺しだった。
物心つく前より朝っぱらから生イカに慣れ親しんできたので、そりゃ小学生から乾き物食べるわ。私の小学生のときのおやつ、サキイカのトースター焼きw/マヨ。
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昔話はこれくらいにして、調理にはいろう。
午前中にさくっとマルシェに行って、イカを一パイ仕入れる。
一人分なので、ちょうどよさげなサイズをわがままにも指定。「気難しいお客だね!」と魚屋のお兄ちゃんに言われた。
本当は私の食メインである夜に、といきたいところだけど、レアもの徹底的にNGなこれまた気難しいOtto氏の壁は崩せないだろうと踏んで、ランチにおひとりさまで満喫することとした。
材料は、こちら。
イカ、にんにく、ラルドン(ベーコンとかパンチェッタとか似たようなもの)、生クリーム、ペコリーノチーズ、卵(卵黄のみ使用)、シブレット(パセリで代用)。JFPは動画内でエメンタールチーズを使っていたけど、カルボナーラだしここはイタリアのチーズでいきたいと思う。
会長のように両目つぶりながら捌くまではいかないけど、片目つぶってくらいでは捌けるようになったイカ様。ゲソと肝はいつか使おうと、下処理して冷凍。
今日使うのは胴体部分とエンペラ(JFPは使ってないけどもったいないから使う)
右側にみゆるイカの軟甲部分は、いつか本当にペンとして売り出したいくらいの美しさだ。毎回ほれぼれする。
ひたすら胴体を細ーく切る。JFPいわく、繊細さが重要。
一度凍らせてハムのスライサーでがっとやる方法もありそうだけど、凍らせている余裕はないので、多少太くても気にしない。
切れた。イカ1パイ、結構あるな。
鍋にベーコンとにんにくをいれてじくじく炒める。油は入れなくてよし。
ちょっと焦げてるけど、まあ気にしない。ベーコンがカリッカリになったら、ベーコンのみキッチンペーパーの上に取り出しておく。
鍋に残ったベーコン由来の油をイカスパにふりかけて軽く和え、200度のオーブンに1分入れる。シェフいわく、イカは"Il cuit de peur ou il cuit 10h"。「ほんの少し火を通すか、長時間火を通すか」らしいので、今日は前者で。
一方で、鍋に生クリームをいれて煮立たせる。ベーコンにもあとから振りかけるチーズにも塩分があるので、塩は全工程を通して使わない。
ちょっとだけ火をいれたイカスパの上に、このソースを半分くらいふりかけて、混ぜる。これでもうほぼ完成。楽ちん!
お皿にソースであえたイカスパをもりつける。お鍋に残ったクリームもここでかけてしまおう。
ペコリーノを全体にすり下ろして、ベーコンをのせる。真ん中には卵黄様がいらっしゃるので、場所を空けておこう。
真ん中に卵黄をのせて、パセリのみじん切りを散らし、粗挽き胡椒をかけたら、簡単イカのカルボナーラ風の完成!
先週から今週頭までストレスフルだったし、おひとりさまの豪華ランチだ!
まあ、組み合わせ的に不味いなんてことはありえないと踏んではいたけど、予想以上に美味しかった。最初はベーコンとチーズの塩気だけで、途中ちょっと物足りなくなってきたら迷うことなく追いしょうゆしてしまったのはやっぱり私日本人だから致し方ない。
バゲットにソースをたーっぷりつけて、いただく。イカはほぼカロリーなしでも(と思い込んでいる)、ソースとバゲットで台無しっていうのは世の常。
正直言って、しょうゆと合わせたらさらなる天国だったので、今月はもはや日仏伊共演の一皿、といってもよいのかもしれない🇯🇵🇫🇷🇮🇹
今月もイカを堪能することができて、幸福の福なのであった。
星1つじゃなくて3つ!です!⭐️⭐️⭐️