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【日本一周 東北編17】 温泉郷に癒されて

・幻想的ノスタルジア  筆者:明石

 基本的スタンスとして格安旅行を標榜する我々にしては珍しく、今夜は銀山温泉にある高級旅館に宿泊する。山形市から移動すること1時間30分、とても温泉郷などありそうもない田舎道を走った先に、銀山温泉は突如として現れる。無事駐車を済ませた我々は、宿のスタッフが運転する車に移り、銀山温泉のメインストリートへと移動した。

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 一帯を包む硫黄の香りが鼻孔をくすぐる。通りの中央には銀山川が流れており、その両側に旅館が立ち並んでいる。どれもいかにも温泉旅館といった古風な外観で、ライトアップされた姿が闇夜に映えている。通りに立つガス灯が街に大正ロマンの色を添えている。山奥という立地と、辺りが暗かったことから、選ばれし者のみが到達できる秘境のように感ぜられた。

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 スタッフに案内されて、今夜の宿「永澤平八」に入館。チェックインの手続きを済ませると、GoToトラベルクーポン1万円分が手渡され、改めて本制度の凄まじさを実感する。宿泊する部屋は三階の山側の和室。身長が170㎝強あると見える女性スタッフから、宿の説明を受けたのち、銀山温泉を散策する運びとなった。

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千と千尋の神隠しを思わせる外観


 ノスタルジックな雰囲気を醸す通りを歩いていると、温泉郷らしく、足湯を発見する。折角なので、足を浸けてみると、予想外の高温に度肝を抜かれた。適温と思しき隣の足湯に移りたい気持ちでいっぱいだったが、先客が退く気配を見せないので、浸けては出しての繰り返しで、激熱足湯に留まった。ふと、iPhoneの懐中電灯でお湯を照らすと、数多の利用客の足の垢が浮いていることに気付いてしまい、鳥肌が立ったのはここだけの話である。

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 夕食の時刻が近づいたので、宿に戻る。夕食の机に置かれているは、刺身、すき焼き、名物とうふてん、その他細々としたsomethingである。料理は随時追加で運ばれてくるといった形式で、米沢牛のステーキやアユの塩焼きなど魅力的なものが散見されたが、細々としたsomethingが口に合わないのと、白米の到着が遅いのとで、どこか不満げな表情を隠しきれない我々であった。ステーキは白米と一緒に食べなきゃポテンシャルが十分に発揮されないでしょうが!!

 食事が済むや否や、他の客に先を越されぬよう、足早に貸切露天風呂へ急ぐ。風呂は、浴槽はもちろん、床や壁までヒノキで造られており、室内でありながらも、床下・床上から外気が流れ込んでくるため、半露天と言ったほうが適切な感じだ。外気を全身に受けながらの身体&頭洗いは、苦行とも呼べる辛さであったが、その分湯船に入った時の気持ちよさは格別である。

 風呂上がり。しばらく部屋で体を休めたのち、再度散策へ繰り出すことになった。旅行先では基本半袖半ズボンで過ごす私であるが、今回に限っては、温泉郷の雰囲気に最大限浸るため、敢えて浴衣に着替えて外に出た。時刻は22時過ぎ。各旅館のライトアップが終了していたため、通りには暗さが目立ったが、闇夜に佇む静かな温泉旅館も乙なもので、寒さに耐えつつシャッターを切るのであった。部屋に戻ると、眠気が来るまでひたすらゴロゴロした。明日が旅の最終日。最後まで楽しみ切るためにしっかり睡眠をとった。

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 8時からの朝食に合わせて起床。昨夜夜更かしをしなかったため、十分な睡眠時間が確保できた。朝食の席に着くと、焼き鮭、煮物、湯豆腐、納豆など、普段朝食をとらない私にとっては、多すぎる品目が並んでいたが、どれも大変美味しかったため、ペロッと完食した。白米が先に提供されたことに感動!

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 食後、チェックアウトまで時間に余裕があったので、銀山温泉の朝の姿を見ることにした。宮島と共に、朝日に照らされた通りを散策する。昨夜とは異なり、各旅館の建物の細部まで見ることができ、夜には味わえざる趣を享受して部屋に戻った。部屋には二度寝から覚めたばかりと思われる釧路と明石の姿が。彼らは朝散策をしない代わりに二度寝を選択したのであって、常識的に考えればもう出発をすべきところを「やっぱり散歩してこようかな」なんて言うもんだから、宮島とイライラを募らせた。時間泥棒め。

 彼らの帰りを待ったのちチェックアウト。湯煙立ち込める街並みに後ろ髪を引かれつつ、この地を後にした。


・メンバー

明石、尾道、釧路、宮島

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