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『顧客解像度』の重要性

コロナ禍に突入して1、2年経った頃だったでしょうか。朧げにしか覚えていませんが、その頃に感じた事をふと思い出したので記したいと思います。


コロナ蔓延による打撃と対策

 観光業にとってはコロナという突如現れた未知の病原体の存在は脅威であり、それは経営に大きな打撃を与える事となりました。予約でいっぱいであった客室は毎日キャンセルの電話が鳴り続けスタッフの給料もままならない程に経営が落ち込む所も多く、已む無く廃業に追い込まれる所もありました。それは当時特集されていた旅館にとっても同じで、かなりの期間客室が埋まらない事に悩まされていたそうです。しかし、ココの女将さんは考え方をシフトさせ、正に時代を乗り切る策を投じました。

客室

付加価値

 その策とは客室に付加価値を設けて一室あたりの単価を大幅に上げるという戦略でした。


 ここで言う付加価値とはどういったものかと言うと、客室が空いているのであれば空いている隣合わせの部屋をくっつけてしまい大きくし、もちろん料金は上がるものの、言わばスイートルームのような優越感を味わえる様にしたんです。他にも特典的なサービスを付与していたと思いますが詳しい内容は忘れてしまいました…


 要は使っていない部屋を無駄に空けておくのではなく、空いているのであれば顧客の満足度向上に充ててしまえ!!という考えです。

それによって競合との『差別化』を図ることに成功させた事例だと思います。


成功の条件

 このサービス展開はどの旅館がやっても通用したのか?というとそこは難しいと思います。この旅館が上手く行ったのには恐らく条件があったと考えます。

成功の条件

【条件】

①スイートルーム化した部屋と総客室数のバランス。

②料金設定(他の一般客との差)。

③スイートルームを設けた場所。

④特典として付加したサービス内容。

⑤部屋自体を広くしたことで密を避ける効果もあり当時の個室というマイナスイメージを払拭し競合との差別化を実現させた。


 これらが絶妙にマッチして成し得た業だと思います。

 そしてこれらの所業はセンスによるものなのでしょうか?…


営業とは

 以前読んだ著書の中に営業についてのノウハウを述べた一文がありその言葉を借りますと、「営業とは商品の良さを伝えることでは無い。営業とは顧客のニーズ(困りごと)を知ることだ」とありました。

 これを当てはめて考えると今回の旅館の女将さんが成功した要因は顧客の声を細かく理解していたこと。そして狙うターゲット層を何となくではなく、しっかりとした解像度で把握していたことだと思います。


まとめ

 何か新事業を始めようとする時、「ターゲットが誰なのか?」がズレた状態だったり「抽象的」な状態でサービスを構築していくとサービス内容と価格帯が合わなかったり、そもそもニーズの無いサービス展開をしてしまう羽目になりかねないと思います。


 なので何をするにも『細部まで行き届いた顧客目線の想像(仮説)』は最大限に労力を使うべきところであって、その細かな設定があるからこそ、『再現性』が生まれたり『修正箇所の明確化』が出来たりするのだと思います。


 以上、私の最近の思考においても、この『顧客解像度』がしっかり把握できていなかったなぁと書きながら反省しております。

 時々、自分の扱っている取り組みに対しても『俯瞰的』に『客観的』に見直す事が大事だなと感じました。




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