ユガ

2021年に行われた,podcast番組を制作しているTOCINMASHとフェリシモが…

ユガ

2021年に行われた,podcast番組を制作しているTOCINMASHとフェリシモが共同企画をした「500色のいろえんぴつ」の題名を使ってお話を書くことが楽しく,2022年になってからツラツラと書き綴り始めました。 隙間時間を色で埋めていただけたら幸いです。

最近の記事

息子の入院・最終話

精巣捻転〜手術〜退院。 小さく切って、 チョコチョコっと手術するからか、 次の日には退院です。 しかし、術後直後より、次の日の方が ズキズキするようで、微熱も出てきました。 ぴっちりしたジャージも履けないようで、 ゆったり目のものを持ってきて正解。 (術後は、患部に大きなガーゼを当てられ、 術後用のオムツを履かされています) カニ歩きしかできず、ちょっと笑える姿ですが、 痛くて大変な本人の前で笑うのは、御法度。 真面目な顔をして、着替えを見守ります。 荷物は、枕だけ

    • 息子の入院・その6

      明け方の片タマの痛み〜救急搬送〜 精巣捻転が判明〜緊急手術〜隔離病棟へ。 ベテラン(多分)大先生と、俊敏(きっと)若先生の 執刀により、無事タマのねじれを治され、 固定する手術も施され、病室に帰ってきた息子。 麻酔が完全に覚めるまでは、 せん妄(せんもう)という、うわごとや、 少し変な行動をとりがちだという 説明どうり、起きようとしたり、 何かをしたいと朦朧としつつも訴えます。 静かな方が良いかと思い、 我々は病棟を出ることにし、入院のための 荷物を作りに家に帰りました

      • 息子の入院・その5

        片タマ痛い〜救急搬送〜緊急手術〜 隔離病棟への移動。 ここまでで、明け方4時から7時です。 息子は、「精巣捻転」と言う症状になり、 もし、この症状の処置が遅いと、 血流がないタマ(精巣)は 壊死してしまう可能性のあるものです。 小さい子から青年までの比較的若い子に多く、 痛みを訴えるのが明け方が多いと言う。 言葉を明瞭に話せる年齢ならば、 親も動きやすいですが、 この症状は、痛みがひどすぎて 下腹部にまで痛みが上がっていき、 のちに嘔吐につながるので、小さいお子さんは 表

        • 息子の入院・その4

          明け方,片タマが痛くて救急搬送された次男。 精巣捻転と診断が下り,緊急手術が決定。 不安な顔をしながら 緑の術衣の小児外科医に連れられて、 いよいよ銀の扉の向こうにある手術室へと いってしまいました。 朝4時に救急依頼を出して、処置。 その後6時に手術が決定。 なんと、まだ朝でした。(笑 息子と別れた我々はというと、搬送処置室で 様々な手術に対する同意書にサインをし、 訳がわかるような・わからないような状態で、 家族控室へと連れられていきます。 エレベーターを降りると

        息子の入院・最終話

          息子の入院・その3

          夜中に息子から、 タマが痛いので病院に行きたいと起こされ、 慌てて救急車を呼び、病院に搬送されている親子。 ピーポーピーポー… 「救急車が侵入します!」 ピーポーピーポー… 普段は避けて先に見送る救急車、 今日は自分たちが乗っています。 「皆、どいて〜道を開けて〜!」と、 半分祈りながら、しかし 息子が痛がっている横で、妙に冷静に (あ、ここで曲がって堤防に出て… なるほどなるほど。 信号もこの先少ないし近いわな。) などと、頭の中で地図を展開する母。 病院の影が見え

          息子の入院・その3

          息子の入院・その2

          こんにちは。 息子の入院のお話、続きです。 明け方4時頃に、青白い顔で 「片球がありえないほど痛い」と、 訴えた息子。 #8000で相談後、 (中学生までの救急判断相談はこちら) よし、救急車を呼ぼう! 多分この症状は「精巣捻転」で、 タマを守るのは時間との勝負なんだから…!と、 覚悟を決め、救急依頼(119)を。 「どうされました?事件ですか?事故ですか?」 「あの、息子がタマが痛いって…」 「救急依頼ですね」 「はい。えっと…そして住所は宇治市…」 「なるほど。ご住所

          息子の入院・その2

          息子の入院

          こんにちは。 今日は息子の入院騒ぎのお話を書きます。 (私の素人考えと判断で書き綴ります) 入院前日、中学の部活動を転向して初めての 公式な陸上記録会があり、 緊張しながらも参加した次男坊。 元陸上部の親バカが、応援と心配で 見に行った目の前で,短距離には欠かせない クラウチングスタートの形も様になり, フライングもせずに無事100mを 疾風のように走り抜け(親バカ全開)るのを見、 同じクラブの子達の 「あいつ今までなんで陸上してなかったん?」 と言う会話を横耳で聞きつつ

          息子の入院

          383: あの子みたい。意外と割れないガラスの靴のタフネス色

          森の奥深く あなたが知っている あるいは知らない場所にある色屋の話。 キラキラキラ くるくると回る女性のドレスの裾が 広がるたびに,夜会用の靴やジュエリーが ホールの光を反射して光る。 幼い私たちはホールの隅っこにかたまって, 大人達があまり手をつけない料理を 次々と手に取り,一通り楽しんでから, テーブルの下に潜り込み,テーブルクロスの裾を そっと持ち上げ,優雅そうに,しかし 忙しく動き回る足元の美しい光を楽しんでいた。 「あ。」いとこが指をさす。 指さす先には,先日

          383: あの子みたい。意外と割れないガラスの靴のタフネス色

          363: 嬉しい時って跳ねるんだ!と気づいた日の驚き色

          森の奥深く あなたが知っている あるいは知らない場所にある色屋の話。 ザワザワ。 講堂の中は,生徒たちの声が絶えず流れ サワサワと,時には音量が上がり ザワザワとその空間を満たしていた。 「静かに。今から式典を始める」 そう大きくない音量で発せられた声で, ピタリとざわめきが止み, 生徒たちが並ぶ列の横を通り抜け 校長が壇上に上がった。 「今日は皆さんの揃った顔が見られて 嬉しいです……」と始まった式, 退屈な話が続くのだろうと, うんざりした顔を作りかけたその時, 「

          363: 嬉しい時って跳ねるんだ!と気づいた日の驚き色

          343: 風に吹かれて夜に消えた魔女のお気に入り帽子色

          森の奥深く あなたが知っている あるいは知らない場所にある色屋の話。 びゅぅ。 風が横を通り過ぎていった。 “秋の風は好きだけれども, こうもびゅうびゅう吹かれると 皆早足になるし、枯葉は落ちちゃうし, 秋の名残を楽しむには不向きになっちゃうわね。 今日は市場を回って, 色々と冬支度するつもりだったのに。“ ふぅ。 深い紫と紺色の混じった,天辺がまあるく 頭まわりの縁には光沢のあるリボンが巻かれ, 小さな花束の飾りがチョんとついた 帽子を被った比較的小柄な女性が,ため

          343: 風に吹かれて夜に消えた魔女のお気に入り帽子色

          323: 水面から海底に届いたモーニングコール色

          森の奥深く あなたが知っている あるいは知らない場所にある色屋の話。 キラキラキラキラ… 海面から,美しい声の光の粒が落ちてくる。 それはしばらく海底の砂をキラリと光らせた後 儚く消えていく粒だったけれど, 最初に気がついた噂好きの魚が 綺麗だったんだよ〜と皆に話して周り, それを聞いたタコが,それなら一度観に行こうと 壺から這い出て見に行って, 美しいなとつぶやいたものだから, それならオレたちも見に行こうと, 様々な海の生物が観に行って, 最後に,幻と言われている人魚に

          323: 水面から海底に届いたモーニングコール色

          303:ジャングルの探検で見つけた森の王様のような果実色

          森の奥深く あなたが知っている あるいは知らない場所にある色屋の話。 ぴー!ぴちぴちっ‼︎… ガサガサ…クワっクワっ! …そこかしこから聞き慣れない音がする。 その度に背筋がきゅっと伸び, 冷や汗がどっと出る。 案内付きとはいえ,いつも行く 色屋さんの森とは趣が全く違う… 野生みが強いと言うか,緑の濃さや空気まで 濃いような…数歩先は明るいはずなのに ぽっかり暗闇が待っていそうな… つまりば、この森こわーい! 色を採取すると言う仕事を 請け負っている僕としては,こんな

          303:ジャングルの探検で見つけた森の王様のような果実色

          283: かけるだけ。でも、それなりに見栄えするバジルソース色。

          森の奥深く 貴方が知っている あるいは知らない場所にある色屋のはなし。 「突然きてごめんなさい。 どこに行ったらいいか分からなかったんです…」 「大丈夫ですよ。 まずはお腹に温かいものを入れましょう。 パスタは食べられますか…?っと思いましたが、 今切らしていました…鶏肉ならあるな…」 「少しお酒を垂らしたミルクです。 出来上がるまで時間がかかると思うので, これで温まっていてください」 「ありがとうございます…」 柔らかい香りが私を包んでいる。 ゴトごとゴト。 色屋さ

          283: かけるだけ。でも、それなりに見栄えするバジルソース色。

          263: ほほをなでる太陽色の果実のささやき色

          森の奥深く あなたが知っている あるいは知らない場所にある色屋の話。 サクっ。 外側の見た目とは違う,鮮やかな黄色が テーブルの上にさっと光を広げた。 「お久しぶりですね」 「ええ,こうしてお会いするのは久しぶりです。 いつも,あなたが送ってくれるパイナップルは 美味しくいただいています。 仲良くしてくれているケーキ屋さんにも お裾分けすると,とても喜んでいますよ。 この農園のパイナップルは, 味がギュっと詰まって甘くてとろけるようだって。 スイーツのしがいがあるって。」

          263: ほほをなでる太陽色の果実のささやき色

          243: 他愛もない話に一喜一憂する乙女心色

          森の奥深く あなたが知っている あるいは知らない場所にある色屋の話。 口元を手で隠し、 嬉しそうにくすくすと笑う彼女。 頬は楽しさと恥ずかしさで ピンク色に染まっている。 ああ。可愛いなぁ。 そいうい僕も,ほっぺたはずっと熱い。 これから秋の旅行… (といっても遠出はできないんだけれども。) 話で盛り上がっている。 ここのご飯は美味しそう。 ここは見どころなんじゃ無い? そういえば、昨日カコが言ってたんだけど… あの映画見たいんだよね〜。 え?そうなの?アレってそう言

          243: 他愛もない話に一喜一憂する乙女心色

          223: ベリーを摘みに行く軽快な足取り色

          森の奥深く あなたが知っている あるいは知らない場所にある色屋の話。 ふんふふ〜ん♪ 甘酸っぱい香りが立ち込める ベリー農園のどこからか、鼻歌が聞こえる。 時には遠く、気がつくと,すぐ近くに。 あっているのかあっていないのか 捉え所のないリズムがゆるゆると聴こえる。 「八塩さ〜ん!ベリーのカゴ、 いっぱいになりました〜!」 ハタと鼻歌が途切れる。 「保冷バックにそっと移しておいておくれ! 潰すんじゃないよ!!そぅ〜っとだよ!」 「は〜い!(ちょっとつまみ食い)」 「食べ

          223: ベリーを摘みに行く軽快な足取り色