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デザインはあなどれない

本づくりにとって大切な「デザイン」


弊社が本づくりを行う上で大事にしていることのひとつに「デザイン」があります。デザインはいわば本の顔であり服装です。初対面の人と出会ったとき、外見によって第一印象が決まるように、デザインを蔑ろにしてしまっては、せっかく良い内容でも伝えられずに終わってしまうかもしれません。

もっとも、デザインに正解はないし、私たちも未だに本をつくるたび、試行錯誤の連続です。それでもなるべく読者の方が手に取りたくなるような、自室の本棚に飾っておきたくなるような、そんな本を目指して、紙質や本の厚み、判型や書体選びにいたるまでこだわり抜いています。そして、自分たちなりに納得できるものを世に送り出しているつもりです。

そんなこだわりが通じたのか、少しずつ弊社の本の、特にビジュアル面に対する褒め言葉をいただく機会が増えてきました。さらには「遊泳舎の本を全部揃えている」というような、「著者買い」ならぬ「会社買い」をしたという声も耳にすることがあります。近年では、編集者自身がブランド化した「編集者買い」は増えてきたけれど、「会社買い」はそこで働くスタッフの姿が見えやすく、本のカラーを統一しやすい小さな会社ならではなのかもしれません。

もちろん、本づくりにおいては著者の方やクリエイターの方の力が大きく、他にもデザイナーや印刷会社など、あらゆる人々の協力がなくては一冊の本を完成させることができないのは当然です。そうした人々の想いを背負って生まれた本を、一人でも多くの方に届けるための助けとして、私たちのささやかなこだわりが意味を持つならこれほど嬉しいことはありません。

デザインの可能性は無限大


弊社にとって、デザインはまさに心強い武器のひとつなのです。もちろん、それはどんな会社にも、どんな業界にもいえることでしょう。そんな企業にとってのデザインの重要性と、上手な活用法を教えてくれる一冊が、先日発売した『GOOD DESIGN FILE 愛されつづけるデザインの秘密』です。

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著者の高橋克典さんは、これまでに外資系企業5社のトップを歴任し、数々の企業を売り上げアップに導いてきました。彼が提案する経営術には、多くの予算を割けない零細企業やフリーランスでも実践できる「低コスト」、新規参入者でも市場に立ち向かいブランドイメージを確立できる「高効率」、そしてロングセラーを生み出し長期的に会社を助ける「安定」といった、危機の時代を生き抜くためのヒントが詰まっています。それらのヒントを繋ぐ鍵が「デザイン」です。

みなさんの目の前に、AとBの二つの製品があります。機能や品質はほとんど同じですが、値段はBよりAの方が3割も高いです。ところがAのデザインはとても魅力的で、一目で気に入ってしまいました。みなさんなら、どちらの製品を買いますか?
(「はじめに」より)

高橋さんは、「数百円の製品から一千万円を超える製品にまで、通底している課題は全く同じ」といいます。本書では、100年以上前に誕生した歴史的な逸品から、21世紀の革新的商品まで、時代を問わず様々な製品を紹介しました。さらに、世界を代表する高級ブランドから、私たちが日常的に使っている文房具や調理器具まで、身近なものもそうでないものも扱っています。

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どの製品も、誕生の裏側には、壮大なストーリーや、開発者の苦悩が隠れています。先人たちの思考法や壁の乗り越え方からは、きっと今の私たちが学べることがたくさんあるはずです。

制作上のこだわり

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それぞれの製品にまつわるエピソードは、すべて見開き完結。その後につづくコラムも見開き完結なので、一日一ページずつ、空いた時間に読むこともできます。忙しくてなかなか読書の時間が取れない方にもおすすめです。

また、すべての製品が、日本画家・彩蘭弥さんによって美しいイラストで描き出されました。発売年やメーカーといったデータも掲載しているので、カタログのようにパラパラと眺めて楽しむこともできます。デザインによって成功した製品を選び抜いているので、デザインに関わる仕事をする上で、資料として持っておいてもきっと役に立つはずです。

「サントリー角瓶」とキッコーマンの「しょうゆ卓上びん」が描かれた迫力満点のカバーはもちろん、金のインクが光る本体表紙のシックなデザインにも注目です。

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直接デザインに関わる方も、そうでない方も、仕事をアップデートするための教科書として、優れたデザインの資料集として、寝る前に一ページずつ読める教養として、本書をぜひ自宅の書棚に迎え入れてはいかがでしょうか?

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【お知らせ】
本に挟める栞型POPをつくりました。
ご興味をお持ちいただいた書店さん、ぜひご連絡いただけると嬉しいです!


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