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【ちょっと息抜き本紹介】井上卓也『グッドバイ、マイ・ゴッドファーザー』

 先週から大学の授業が始まり、なかなかビブリオを書く時間を作れていませんでした・・・
 申し訳ないなと思いつつ、今日もゆるっと本紹介をしていきます。

 今日は井上靖さんの息子、井上拓也さんによる『グッドバイ、マイ・ゴッドファーザー』です。



『蒼き狼』の後に読む

 私が井上靖作品の虜になったのは昨年の冬。
 学校の先生に勧められて『蒼き狼』という本を手に取りました。
 ここでそのビブリオはしませんが、とにかくこの本がすごかったんですね。

 モンゴルに生きる1人の青年の人生を、ここまでの迫力を持って描ける作家がいるのかと驚嘆しました。

 一つ一つの文章の重み、輝き、繊細さ、そして力強さが違う
 読み終わった後も、しばらく言葉が出ない程、感動に打ちのめされました。


『風林火山』の衝撃

 こうして井上靖作品の沼にハマったわけですが、次に手に取ったのは『風林火山』でした。
 これもまたとんでもなく素晴らしかった。

 武田信玄という有名どころに光を当てるのではなく、そのそばに仕えた軍師・山本勘助の視点から武田軍の栄枯盛衰を描いていくーー。

 アメリカの図書館でたまたま見つけたのですが、あっという間に一気読みしてしまいました。


作者を知って本をもっと深く読む

 この二作品に心を奪われた私は、作者・井上靖をもっと知りたいと思ったわけです。
 そこで見つけたのが、この『グッドバイ、マイ・ゴッドファーザー』でした。

 この本は、井上靖という作家を息子の視点からありのままに描いたエッセーです。
 確かに、作品を知っていても、その作者について知ろうとする人は少ないと思います。
 しかし、この本を読んだから言えることーー

 作者を知ると、本の彩度が高まる。

 井上靖という作家の人間的側面を知ったことで、
 彼がどういう時期に書いた文章なのか。
 彼は作家になる前にどういった経験をしていたのか。
 どうして、彼はああやって物語を綴ったのか。

 という部分がさらに読み解けるようになったんですね。

 その本の作者を知ることで、読書体験はさらにさらに深いものになると確信しました。

 『グッドバイ、マイ・ゴッドファーザー』、よければ手に取ってみてください。

『グッドバイ、マイ・ゴッドファーザー』井上卓也
本の長さ:181ページ
出版社:文藝春秋
発売日:1991/6/1
ISBN-10:4163453202


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