#44「パーソナルトレーニングで健康被害多発」の記事を見て、競技スポーツ選手にかかわる立場から思うこと
実際の記事はこちら
読んでみて課題と感じたのは、
・提供側(トレーナー)の義務について
・受け手側のリテラシー向上
以上2点でした。
そして、これは一般の方向けのみならず、我々競技スポーツ業界においても共通する内容だったので、
今回は自分がパーソナルトレーニングを実施する際の心構えや、気をつけないといけないよな〜と感じたことを書いていきたいと思います。
競技スポーツ選手へのパーソナルトレーニング実施の際に気をつけていること
私は今回の記事のような運動不足解消やダイエットといった分野ではなく、
「競技スポーツ選手のパフォーマンス向上」
を専門としています。
その中で私自身は
・チーム専属コーチ(トレーナー)
・競技スポーツ選手のパーソナルコーチ(トレーナー)
両方の立場を経験していますが、
今回は特にパーソナルで関わる選手に対して指導する際の心構えがいくつかあるので、以下に挙げていこうと思います。
①医師のみならず我々トレーニング指導者も持っておくべきインフォームドコンセント
これについては、先日上げた記事の中でも少し触れています。
この記事内では、
通常のインフォームドコンセントを、我々トレーニング指導者に当てはめると、
となり、特に個人のトレーニング指導にあたる際に、この当たり前のことをせずにトレーニング指導をしてしまっている指導者の話を聞く機会がよくあります。
私個人的には
メリットについてばかり話をする人よりも、デメリットについても触れてたり代替案を提示できる方の方が信頼できると感じるので、
受ける側としても、この
デメリットやリスク、代替案についてしっかりと説明してもらえるかどうか?
を、トレーナーを選ぶ際の判断材料の1つにできると良いと思います。
②選手の価値はチームでの結果が全て
これは、私がパーソナルトレーニングを実施する際には必ずお伝えしていることなのですが、
ということを、最初に共有します。
パーソナルトレーニングは、あくまでチームトレーニングの効果を最大化するための補完的な位置付けであり、メインではないということです。
これを認識しておかないと
チームにおけるトレーニングや試合でのパフォーマンスがあまり良くない状態の時などは特に
パーソナルトレーニング内での内容や数値を上げることによって安心し、
1番大事なピッチ上での結果に向き合うことができなくなる(逃げてしまう)ことがリスクとして考えられます。
その内容のクオリティを高めたり成果を出すこと自体はとても重要なことですが、
それだけに満足せず、
それをどうやってピッチ上でのパフォーマンスに活かすのか?
を、常に考えて行動することが
選手、さらにはパーソナルトレーニングを提供している側の価値を高めることに繋がるはずです。
③チームトレーニングの内容をできる限り把握し、何を補完できるかを考える
この過程を踏まずに、
選手からの一方的な要求や指導者側の専門分野のみからアプローチしてしまっている場合、
それが選手の傷害リスクを高めてしまうことにも繋がってしまいます。
もちろん
それは選手自身が理解した上で取捨選択するべきことだ!
というご意見もありますが、
特に若い選手に関しては、そこまでトレーニングにおけるリテラシーが高い訳ではありません。
実際にトレーニング内容について把握する際には、
・オフから試合までの大まかな流れ
・ウエイトトレーニングやフィットネストレーニング実施のタイミングと主な内容
・オフの設定(1ヶ月のスケジュール)
・個別に与えられているトレーニングプログラム等
以上を最低でも把握しておきたいと思っています。
この内容と、
・実際に選手を評価して出てきた課題
・選手の希望
を汲んだ上で、
選手の抱える問題解決のために、何に取り組む(取り組まない)べきかを一緒に考えていきます
一緒にが大事かなと。
なぜかというと、
選手の責任と自主性を高めなければ、毎日見れるわけではない選手のパフォーマンスを高めることは難しいからです。
④自分の専門分野以外について口出ししない
①のインフォームドコンセントの内容でも
デメリットやリスク、代替案についても説明できることは大切だとふれましたが、
加えて、
自分の専門外のことには深く介入しない
あるいは、
他の信頼できる専門家を紹介する
ということはとても大事なスタンスだと思います。
目的はあくまで
選手にとってプラスになるか?
ですから、
自分がその選手の全てを管理することではないですよね。
1番気をつけていること
さて、ここまで競技スポーツ選手のパーソナルトレーニングを実施する上での私の心構えや気をつけたいことについていくつか挙げてみました。
こうやってみてみると、
事前に把握しなければいけないことなどは多いですが、
実際にプログラムを組んでトレーニングを継続していく段階になれば、
そこまで頻繁に連絡を取ったりはしないようにしています。
もちろん選手側からの連絡があれば対応しますが、
その際にも必要最低限の内容にとどめるよう努めています。
理由は、
選手の自主性を促し、
依存関係にならないようにしたい
からです。
その選手とこれから先もずっと一緒に歩んでいく
ということは、ほとんどありません。
その選手が、自分が関わっている間だけでなく
自分が関わらなくなってからも、どう成長できたか?
も、やりがいの1つだと思って仕事をしています。
まとめ
まとまりの無い記事になってしまいましたが😅
今回の内容と併せて、こちらの記事も読んでいただけると、
現場専属コーチ(トレーナー)と、パーソナルコーチ(トレーナー)2つの立場から、どうやって選手のパフォーマンスを向上させるかの苦悩がみえるかもしれません(苦笑)
よって、これからは
チーム専属と、こういったパーソナルで関わる外部のトレーナーがどう連携して行けるか
が、鍵になってくるのではないかと個人的には感じています。
「お互いが相手やその環境を慮り、同じ目的に向かって行動していく」
組織において活動していく上でも欠かせないことですよね。
「都合のいい男」を目指して 笑
最後に、最近目にしたツイートを引用したツイートがこちら
「都合のいい男」
結構需要があるのではないかと思うし、
自分の現在の立ち位置にもリンクする部分があるので、
このスタンスで行くのも面白いなと感じています。
以上、「パーソナルトレーニングで健康被害多発」の記事を見て、自分の立場に置き換えて色々考えたことを綴ってみました。
ご参考にしていただける方がいらっしゃれば幸いです😊
それでは、最近寒暖差も激しく体調崩しやすいので、皆さん体調管理には気をつけてくださいね。