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私を変えた『お姫様ごっこ』

自己肯定感が底辺の知りたがりだったので、自信をつけるヒントになりそうな本はたくさん読んだのだけど、幸川玲巳さんの『1日5分のお姫様ごっこ』はものすごくよかった。

出逢う知識って、そのときどきで異なる影響を与えてくれるもの、ときに些細だったり、ときに劇的だったりすると思うけど、この1冊は自分にとってまさに『ブレイクスルー』だった。

内容は、かいつまんで書くと「自分の中に小さなお姫様と、それを全肯定してくれる従順な執事を設定して、対話をシミュレーションして、自己イメージを変革する」というもの。
お姫様は自分の潜在意識、執事は自分の顕在意識だとも、最初に説明がある。

例えば、起きて朝一番、執事になりきって台詞をイメージする。
「姫様、おはようございます。今日も姫様はやはりお素敵ですね。ご機嫌いかがですか?」
そうしたら次は姫役として、自分の感情と感覚をありのままに伝える。
「ええ、いい気分だわ。ありがとう」
こんな風に、朝起きたときと夜寝る前にあわせて5分、姫と執事の会話をイメージする。

別に姫に限らず、『大奥様とばあや』『じいと坊っちゃん』など自分がしっくり来るものでいいらしい。

イメージワークというものに妙に惹かれていたときに出会った。想像だけで作れる、自分の頭の中だけにあるお守り。それってどんなモノよりも確かだし、なにより楽しそう!
『お姫様』というワードに若干のむずがゆさを覚えながらも、「想像の中だけなら、別に誰に見られるわけでもないし。いっか」と、すんなり実践した。

お姫様のイメージは、昔好きだったコバルト文庫の主人公。
執事のイメージは、執事コスがあったソシャゲキャラから取った(アガートラーム)

呼ばれ方は日によって「姫様」だったり「お嬢様」だったりする。

はじめて初日で効果てきめんだった。

愕然とした。

はじめは5分と言わず、現実で何かが起こるたびに、従順な執事になりきって小さな姫に優しい言葉をかけるのをイメージした。

が、頭の中では実際逆のことが起こっていた。

「それくらいは我慢しなくてはいけませんよ」
「優しくされたら、あなたは成長できません」
「そんな風に小さなことを気にしてたらダメですよ」

どれだけ、自分が自分に対して厳しい目を向けているか思い知った。

その度に「あなたはニセ執事ね!解雇よ!」と言って、全肯定執事をイメージすることを繰り返してましたが。びっくりしたな〜。

驚きながらも、『執事と脳内で会話する』ことに確かな効果を感じて、とにかく話しかけた。

「こんな甘いことばかり考えてたら、自分勝手になって成長できず、嫌われて一人ぼっちになるんじゃないか?」って不安に襲われたら、執事に「姫様はそう悩まれているんですね。悩まれているってことは本気で向かい合ってるってことですよ。素晴らしいことです」。

「ああ〜、なんかこんな自分にいつまでも優しい言葉をかけてなんて付き合ってられない!飽きた!」と思ったら、「今までしたことないことを習慣にしようとしてるんです。疲れてしまうのは当然です。休んでいいんですよ。それに、自分になかなか優しくなれない姫様だって、いいんですよ」と。

『姫と執事になりきる』だけで、普段の生活ではなかなか出てこない、自分に対する優しい言葉が少しずつ出るようになってきた。

そして数日後のある夜、ベッドの中で思いついた台詞に、ポロポロと涙がこぼれてしまった。

「たとえ姫様が、暗いところにいて汚いものにまみれてボロボロだとしても、私にとっては、たった一人の尊くて大切な姫様ですよ」

ああ、そうかぁ。
私は私にこう言ってほしかったんだなぁ…。

前から「幼い自分に現在の自分が声をかけて癒やす」ワークはやっていたけれど、なかなかイメージできなかったんだよね。

結局どこかで「自分で自分を褒めても虚しいだけ…」「今の私だって傷ついてるのに、大人役なんてし続けられない…」っていう気持ちがぬぐえなかった。

それが『姫』と『執事』っていう役がつくだけで、そのあたりの壁がスッとなくなった。
(自分がゲームマンガのオタク気質なのもあるんだろうけど)
あとなぜか、女性性への気恥ずかしさや居心地の悪さみたいなものもキレイに消え去った。

後で知ったことなんだけど、どうやらこのやり方は『自愛』ワークとしてかなり理に適っているらしい。

知識も一期一会、そして出逢うタイミングなんだろうけど、これは本当に出逢えてよかった!!!

これからも脳内の姫と執事と一緒に生きていくよ。

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