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2冊目_戦略ストーリーの「骨法10カ条」

読了メモ「ストーリーとしての競争戦略」/ 楠木建 /2010

この本を読みながらずーっと思い出していたことがある。

僕にとってのマーケティングの師匠であり、コカ・コーラジャパンでマーケティングのヘッドディレクターをされていたベッシャーさんという方がいるのだが、僕がクライアント商材のマーケティング・プランニングについて相談しに行くと、いつも口ぐせのようにこうおっしゃってくれた。

「What is the Story ? その商品がもっているストーリーはなあに?何に困っているどんなひとが・なぜどんな価値を感じて・喜ぶの?そこにはどんな社会的な意義がある?」

どんな商品にも、生み出されたときには本来ストーリーがあるはず。マーケティング担当者は足元の目標数値に追われてそれがみえなくなってしまうのを、その単純な質問がいつも原点に立ち返らせてくれる。

ベッシャーさん、ありがとうございます。引き続きアメリカンクラブでビール飲ませてください😂😂😂

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戦略ストーリーの「骨法10カ条」
①エンディングから考える
→「競争優位性」と「コンセプト」をはっきりイメージする。ストーリーの「一貫性」こそが競争力の源泉となる。

②普通の人々の本性を直視する
→「誰をどのように喜ばせるか」と同時に「誰に嫌われるか」をはっきりイメージする。

③悲観主義で論理を詰める
→コンセプトを固めるまでは、徹底的にリアルに悲観主義で。固めたら、そこからは楽観主義で。

④物事が起こる順序にこだわる
→因果関係を意識し、時間展開のなかでストーリーを徐々に練り上げる。

⑤過去から未来を構想する
→「これから」と「これまで」のフィットをよくよく考える必要がある。従来の自社の戦略ストーリー上に自然につながる構想でなければならない。

⑥失敗を避けようとしない
→事前に戦略ストーリーをもち、組織で共有する。失敗を事前に明確に定義しておく。失敗はフィードバックがかかりにくいため、失敗しても失敗だとわからないことのほうが多い。

⑦賢者の盲点を衝く
→「他社と違った良いことをやる」これが戦略。どうも引っ掛かる常識にぶつかったときは、なぜその常識が信じられてきたのか、その論理をじっくり考える。個別の構成要素の上にあるシンセシス(綜合)のレベルで戦略の宿命的なジレンマを解決する。これが腕の見せ所。

⑧競合他社に対してオープンに構える
→そのストーリーが本当に優れていれば、実際のところ模倣の脅威はそれほど大きくない。

⑨抽象化で本質をつかむ
→つねにファクトに潜むWhyを考えるクセをつくる。具体的なケースを冷凍(抽象化)しひとまず「冷凍庫」(知識ベース)に入れておき、必要なときに自分の文脈で「解凍」(具体化)して応用する。

⑩思わず人に話したくなる話をする
→いちばん大切なのは、ストーリーを話している人自身が「面白がっている」こと。自分自身が面白くて仕方がない。これが絶対条件。「共犯意識」が大事。ストーリーを全員で共有していればひとりひとりが自分の仕事に根拠をもって日々の仕事に取り組める。ストーリーの登場人物のひとりであることがわかれば「自分の問題」になり、「明るく疲れる」ことができる。こうしてビジネスは総力戦になる。

少なくとも自分では「世のため人のため」と信じられることでないと10年20年と続く仕事としてもたない。
優れたストーリーには、必ずといってよいほどその根底に自分以外の誰かを喜ばせたい、人々の問題を解決したい、人々の役に立ちたいという切実なものが流れている。世の中捨てたものじゃない。


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