【続編】コロナショックでドラッグストアも大変です…!
今回は、以前に投稿した話の「結果報告」などをお伝えします。
※これは、私の実体験を基にした話です。業界全体に必ずしも共通するとは限りません。その点はご了承下さい。
この記事を書いてから、あっという間に2年が経ちました。
振り返ると、マスクや除菌・消毒関連品に加えて、「在宅消費」が伸びたおかげでカップ麺・レトルト食品・冷凍食品・ジュース類やお酒・お菓子が良く売れた様に思います。
地方のドラッグストアでは「食品」を豊富に取り揃えている為、コロナ渦でも毎日一定の来客があり、安定して仕事があった事は有り難かったですね。
また自粛期間中にSNSやYouTubeを見る機会が増えた事で、そこで「バズった商品」が即完売する(転売される事も)という文化もできましたよね。
YOLUシャンプーやメラノCC、トラネキサム酸やレチノール配合コスメ辺り(特にプチプラコスメ)は、その代表例ですよね。笑
ただ現場で働いている従業員は、各メディアで発信される情報や、緊急事態宣言・蔓延防止措置などに影響されながら、ドタバタした日々を送る事となりました。
【お店の状況はどうだったのか?】
かねてから「人手不足」に悩まされているドラッグストア業界ですが、コロナ渦においてさらに深刻化した様に思います。
「休校措置が取られ、子供の預け先が無いので働けない。」「高校・大学などからアルバイト自粛要請が出たので働けない。」
といった相談が従業員さん達から相次ぎました。
また、それに伴う突然の欠勤や遅刻・早退も多かったですね。
アルバイトさんが不在という事は、レジ・清掃・賞味期限チェックをする人がいなくなるという事です。
そこで店長をはじめとする「正社員」が、医薬品の接客・売場の管理や作り替え・本部からの連絡処理などの社員業務を後回しにして、「アルバイトさんの代わり」を担う事になったのです。
また、お休みされる方の中には、登録販売者(研修期間を終えた資格者)の方もいて、資格者不在(法令違反状態)の時間帯が発生してしまい大打撃を受けました。
本部スタッフによる応援が無かった為、一部のパートさん達にかなりご協力を頂きましたが、大半は正社員が「残業・休日出勤」をして、その様な状況をカバーする事となりました。
(※幸い私の職場では残業代が付きました。)
法令違反の時間帯を作らない事はもちろんの事、お店を営業している以上は「お客さんの日常生活を守る責任」があるのです。
コロナ渦でも、土日祝日や夜遅くまで仕事をされている方も多く、仕事帰りに立ち寄られるお客さんをよく見かけました。
(地方ではあまりリモートワークが根付いていないからでしょうか…?)
【メディアで批判された「あの働き方」もあった!?】
本当にどうにもならない時には、半日以上の「ツーオペ営業」や、やむなく「数時間のワンオペ営業(資格者の正社員のみ)」をした事も多々あります。
もはや「お店がお店として成立していない」状態とも言えます。
(某飲食チェーンのワンオペは、メディアで批判を浴びましたよね…。)
元々ツーオペで組んでいた所に「急な欠勤」が出てしまったり、ツーオペ時に片方が「休憩」に行ってしまうと、どうしても部分的にワンオペになってしまう訳です。
(※長時間の勤務時に、全く休憩を取らないのは「法令違反」になります。でも時々、休憩時間を返上して仕事をしていましたが…。)
セルフレジがある訳ではないので、レジに入って「お客さんを捌く事」が優先となります。
夕方などのピーク時間帯は、食品や日用品を「買い物カゴ満タン」に買い物をされるお客さんも多く、2人体制でもなかなか大勢のお客さんを捌く事ができません。売り出しの日ともなると尚更です。
店内の奥の方まで「レジ待ちの大行列」ができてしまった事も何度かあります。
その為、ワンオペ営業の時はもちろんですが、ツーオペ営業でもピーク時間帯にはレジから出る事ができずに「電話や接客」を無視し続けました。
(緊急時用の「接客ロボット」が欲しいなぁ…と常に思っています。笑)
中には、私達がレジから出て来るまで気長に待って下さった方もいらっしゃいますが、クレームに繋がった事例の方が多いですね。
(クレームはお店ではなく、十分に人材を確保できなかった本社に入れてほしいですね…。笑)
本部からの応援も無く、出勤できる人が誰もいないので仕方ない事ですが、お客さんには申し訳ない事をしたと思っています。
【職業を変えた人も…。】
コロナ渦にリモートワークやワーケーションなどの新しい働き方が浸透して、「働き方」を見直した方も多いかと思いますが、周りでもドラッグストア勤務をやめた方もちらほらといました。
先ほど述べた通り、「家庭や学校の事情」で出勤が難しくなってやむを得ず退職した方もいれば、お客さんの攻撃的・暴力的な態度や悪質なクレーム(いわゆるカスタマーハラスメント)に恐怖を覚えたり呆れ返って退職した方もいるのです。
(そういう方々を「お客さん」と呼んで来店させて良いのか疑問に思いますが…。)
正社員は上記の理由だけでなく、また別の理由で職業を変えています。あらゆる職業の方に共通する理由かもしれませんね。↓
結論から言うと、私の体感的に、コロナ渦においてドラッグストア業界では「働き方改革」はほとんど行われていないのです。
会社によっては行っている所もあるかもしれませんが、働き手が減ったり人件費が削られている事もあって改革は難しいのです。
このコロナ渦に、安定して仕事があり、給料も毎月もらえた(+残業代も付いた)事は有り難かったと思っています。
しかし、いくら「お客さんの日常生活を守る責任」があると言っても、心身を壊してしまったり、やりがいが感じられなくなってしまっては意味がない訳ですね。
【今後どうなる?】
ドラッグストア業界では、このコロナ渦で働き手が減り、人件費削減も相まって少人数での営業が当たり前になってきた様に思います。
ツーオペ以下で営業し、レジで「多くのお客さんを捌く事」を優先して、電話や接客を無視する事も珍しくなくなりました。
しかしながら、お客さんの中には「何かしらの相談をしたいからお店に来ている方」もいらっしゃるのです。
現在の営業体制では、結果的にお客さんに迷惑をかける事になってしまっています。
また、ここ数年で「ネット通販」がより便利で魅力的な物になり、利用される方も増えたと思います。
食品や日用品がお値打ちに手に入ってポイントも貯まるし、化粧品やお薬だってわざわざドラッグストアに行かなくても手に入ります。流行りの商品の取り扱いも、ネット通販の方が小売店よりも早い可能性がありますよね。
お店を構える以上は、お客さんにお薬に関する「正しい情報」やプラスアルファの「アドバイス」などを伝える必要があります。
そもそもそれが「登録販売者の本来の役割」ではないでしょうか?
現状、店舗に接客ロボットや遠隔接客ツールが無い以上は、いざお客さんが相談に来られたら対応できる様な営業体制にしておかなければなりません。
だからこそ、この営業体制をこの先も当たり前にして欲しくないですし、「登録販売者の存在意義」や「人を雇ってお店を構える意義」を見直して欲しいと思っています。
ドラッグストア業界においても、「働き方改革」や「労働環境改善」が少しでも進んでくれる事を願うばかりです…!
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