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5分でわかるギリシャ哲学! 洞窟の比喩 宗教はアヘン ナチズムはヘロイン
かのプラトンは、人間を閉じ込める誤解や迷信のことを「洞窟」と暗喩していた。
マルクスは「宗教はアヘン」という格言を残したが、「人民はパンを求めている」とも述べた。
ロマン主義という言葉は、ローマ後期の「パンとサーカス」という愚民化政策のサーカスの方に起源をもつ言葉であるが、誰にでもパンが必要なことは確かだろう。
それが故に、「人民はパンを求めている」という言葉を鑑みれば、「愚民はむしろサーカスを求めている」というのが事実なのだ。
パンを求めることは生きるために必要なリアリズムであって、「腹が減っては戦は出来ぬ」ということが「もののあはれ」だろう。
ドイツロマン主義というものはロマン主義の中でもっとも有名なものであるが、ドイツという言葉もロマン主義という言葉も、どちらも平民=非貴族という意味を示す語源を持っている。
このことを考慮すればナチズムとは、まさにオルテガが唱えた「大衆の反逆」であったのだ。
追記するが、オルテガは精神における貴族性を重視しており、身分としての貴族性を重視していなかったことは明らかにしておく。
ちなみに、ヘロインという化学物質はアヘンを基に化学合成によって製造するものであって、ドイツのバイエル社が精製法を確立したものであり、気分を昂揚させる作用ではなくて、鎮静させる作用を持っている。
ヘロインとは使用するだけで多幸感を発生させる現実逃避であって、つまりはドイツロマン主義の酩酊の親戚であるとも言えよう。
ナチズムとはプロテスタントやドイツロマン主義、ドイツ観念論から発生したイデオロギー的な宗教であることは事実であるが、「宗教はアヘン」という格言を考えた上で、「ナチズムはヘロイン」という格言を筆者は残したいと思う。
CMのアクションシーンで有名な鷲のマークの大正製薬が「ファイト一発!」である。
そして、ユダヤ人の虐殺で有名な鷲のマークの第三帝国が「ヘイト連発!」であると覚えれば、このことは頭に入りやすい。
人間の誤解が人間を「洞窟」に閉じ込め、観念的な煽動を行う宗教が「アヘン窟」を作り上げるものであるとすれば、ナチズムというヘロインは人間の世界を「ガス室」に変える。
世界には電子顕微鏡を使わないとわからないことも多く存在するが、このガス室の中では脳の認知能力が破壊されて、目で視て分かることすらわからなくなってしまうのだ。
公共の結果を考えず自己満足に生きることを求め、正義を求めないが故に文明を破綻させる野蛮人には、このヘロインはまさに効果覿面の薬物であると言えるだろう。
余談ではあるが、ヘロインは殆ど白人専用のドラッグであるという統計結果があり、日本人には体質的に合わないらしい。
ヒトラーの演説は御涙頂戴を多用したものであったが、彼には「悲劇のヒロイン」願望ならぬ「悲劇のヘロイン」願望があったのかも知れない。
筆者は、「悲劇のヘロイン」よりは、「喜劇のコカイン」の方が、幾分かはマシではないのかと考えている。
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