ビフィズス菌属の優勢が腸内細菌叢の多様性と頑健性に関連していることが明らかになった
Bifidobacterium(ビフィズス菌:ビフィドバクテリウム)とLactobacillus(乳酸菌:ラクトバチルス)はヒトの健康に有益であり、これら2属の多くの菌株はプロバイオティクスとして広く利用されている。
American Gut Project(AGP)が公開した2つの大規模データセットと腸内メタゲノムデータセット(NBT)を用いて、これら2属と腸内細菌叢の群集構造との関係を解析しました。
メタ解析の結果、ヒトの腸内細菌叢では、Lactobacillus(乳酸菌:ラクトバチルス)ではなくBifidobacterium(ビフィズス菌:ビフィドバクテリウム)が優勢な属の一つであることが示されました。
また、ビフィズス菌の相対的な存在量は、ラクトバチルス菌が存在する場合に増加しました。さらに、この2つの属は、優勢な属の中のいくつかの酪酸産生菌と正の相関を示し、両者はα多様性(ある1つの環境での種多様性)、β多様性(異なる環境間の種多様性)、腸内細菌叢の頑健性と関連していました。
さらに、Bifidobacterium(ビフィズス菌)が存在し、Lactobacillus(乳酸菌)を含まないサンプルは、Lactobacillusのみを含むサンプルよりも高いアルファ多様性を示し、より頑健であった。さらに他の属との比較から、腸内細菌叢の頑健性においてBifidobacteriumが重要な役割を担っていることが検証されました。
AGPデータセットから得られた11,744サンプルの多変量解析により、Bifidobacteriumは人口統計学的特徴、ライフスタイル、疾患と関連することが示唆されました。
以上のことから、乳製品や全粒粉の摂取によって促進されるBifidobacteriumのメンバーは、腸内細菌叢の多様性と頑健性を維持する上で、Lactobacillusよりも重要であることが示唆されました。
今回の研究により、Bifidobacteriumは優勢な属として、American Gut Projectを用いて調べた腸内細菌叢の多様性と安定性の面で重要な役割を果たすことが示されています。
ビフィズス菌は、乳酸菌よりも腸内細菌のα多様性と安定性を高めるのに有用であることがわかり、さらに全粒粉の摂取や果物の摂取は、ビフィズス菌の存在量を増加させる可能性があることがわかりました。
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