【植物が出てくる本】『園芸少年』魚住直子
前回の記事で、初めて「本の紹介」記事を書いてみましたが、
書いていて楽しかったので、これからも時々書いてみようと思います。
今回は、図書館のティーンズコーナーにあった本です。
『園芸少年』魚住直子(講談社:2009年)
高校に入学したばかりの篠崎、大和田は、ひょんなことから、園芸部として活動することになります。そこに、頭に段ボールをかぶったまま過ごしている、一年生の庄司も加わって……。園芸初心者ながら、試行錯誤で植物の栽培にトライする男子高校生3人の、成長の物語です。
男子高校生3人のキャラは、「こんな高校生、いるかな?」という感じがなくはないですが、
植物好きとしては、楽しめるポイントが満載でした。
園芸部で育てているたくさんの植物について、生長や世話の様子が丁寧に描かれています。
ざっとピックアップしてみると……
(種子から栽培)
・ストック
・ペチュニア
(ポット苗を植え付け)
・マリーゴールド
・ルピナス
・ラベンダー
・ニチニチソウ
(ホームセンターでポット苗を購入)
・ジニア
・メランポジウム
・ペチュニア
・サルビア
(園芸部で元々育てていた)
・パンジー
・シクラメン
・ベゴニア
・バーベナ
・アメリカンブルー
・ゼラニウム
・ハナニラ
・サルビア
特に、種子から栽培していたペチュニアとストックの生長が、少年たちの心の変化とリンクするように描かれ、
ほのぼのとした読後感です。
ストックは関東では夏~秋まきですが、この物語では春に種子をまいているためか、なかなか芽が出ません。
ストックはどうなるのだろう? という心配はしかし、終盤でしっかり解消されます。
この植物が、ちょっとヤンチャな大和田と、どこか冷めた篠崎という、一見噛み合わなそうな二人をつなぐ、キーアイテムにもなっています。
植物を育てたことがある方、枯らしたことがある方には、共感できるポイントが多い物語ではないでしょうか?
私も植物好きでありながら、栽培は下手で、結構、枯らした経験豊富なのですが😅
諦めず、丁寧に植物に向き合うと、やがて生き生きとした姿を見せてくれる。それは、人に対しても言えることなのかもしれない……、と思える本です。