「科学コミュニケーション」についてはさまざまな説明がされている。もちろん、おおまかには同じことを言っているのだが、これぞ!という明確な定義はない。
それは、個々人の立場や経験が異なることや、それぞれが目指す「科学コミュニケーション」が多様であることの現れだとも言える。
例えば、以下のウェブページ(講義録)からも科学コミュニケーションの多様性を感じることができる。
という川本氏の言葉からも、自分なりの科学コミュニケーションを持つことが大切だと感じる。もちろん、それを考える際には科学コミュニケーションに関わる事柄について学ぶことは欠かせない。
ちなみに、僕が「科学コミュニケーションとは何か」と聞かれれば、「科学に関する話題について、双方向的かつ対等なコミュニケーションを行おうとする理念や活動」と答えるだろうか。
以下には、科学コミュニケーションに対するいろいろな説明文を掲載した。「科学コミュニケーションとは何か」を考える際の参考になるだろう。
科学コミュニケーションに関する説明例
上記は書籍もしくは論文などからの抜粋だ。
インターネット上にも、科学コミュニケーションに関する解説が掲載されているウェブサイトがあるので、気になる方はいろいろと調べてみてほしい。以下に、例を二つ挙げる。
科学コミュニケーションは一方向講義の否定ではない
ここで留意して頂きたいことがある。それは、科学コミュニケーションの推進は一方向的な講義や講演会の否定ではない、ということだ。科学コミュニケーションは、従来の一方向的な科学啓蒙へのアンチテーゼのような役回りもあるが、それはあくまで一側面と考える方が良い。
「双方的かつ対等なコミュニケーション」ではなく、(分かり易い)一方向的な講義で科学を知りたいという方もたくさんいるだろう。
ただし、より社会と密接に関係した科学の話題(例えば、環境や政策に関わるもの)を扱う際には、科学コミュニケーションという理念が不可欠となってくることも忘れてはならない。