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「まずは親を超えなさい!」を読んで
だいぶ温かくなってきました。
花粉がすごくて花粉症の家族は急遽耳鼻科へ行きました。
僕は幸い花粉症ではないですが、体はそこらじゅうがかゆいです。
今受講しているHole理論コーチングのスクールで紹介された本を読みました。
「まずは親を超えなさい!」 / 苫米地 英人 氏
コーチングの神髄ともいうべき内容で、非常に良かった。
2009年7月初版発行。13年前の本。
略して”まず親”。
力が湧いてくるというか、コーチングの世界に来たんだなと思えるような内容。
苫米地氏は脳機能科学者なので”感覚的な”話ではなく、科学的に解説してあるので、僕のように左脳をフル回転させて仕事している人間にはとても論理的理解が進みやすい内容でした。
人間が本来持っている機能や性質を解説した上で、日々のマインドをどう持っていくと幸せになれるかが書いてあります。
順番や内容は僕が脚色した上に、感想や考えもふんだんに入れてレビューします。長文になってしまいました。
コーチングで使う用語(横文字)がたくさん出てきますが、私も勉強のつもりで出来るだけ随時書いてます。
言葉の意味を拾いながら勉強するのって新鮮できらいではないですww。
1.不安がループする脳の仕組み
1)RASとスコトーマ
RAS(Reticular Activating System)とは脳幹の基底部にあるフィルターシステムで、日本語訳は網様体賦活系。
役割は目の前に起こる様々な現実のどれを認識してどれを認識しないかを振り分けるフィルターの役割。
RASによって現実に起こっている多くの情報がフィルタリングされ、その時、関心がある重要な情報以外は遮断される。脳は多くのエネルギーを消費するため、出来るだけエネルギーを無駄に使わないようにするために備わっている仕組み。
重要な情報にフォーカスが行くという意味で「心のレンズ」ともいえる。
RASによってフォーカスが当たるので当然当たらない部分が出てくる。これを盲点:スコトーマという。スコトーマは元々は眼科で使う用語だが、コーチングでは心理的盲点の意味で使う。
意識すると見えるが、意識してないと見えないのがこれ。
例えば、不安が強い場合、「不安だ、不安だ」という気分でいると、不安なことばかりに意識が集中していろんなことが不安に思えてきて、最重要の関心ごととなり、不安がループしてしまうのはRASが不安なこと以外をフィルタリングしているからに他ならない。
不安に感じること意外がスコトーマになっていて、フォーカスは不安なことだらけ。
あせったり不安になったりしたとき、「視野が狭まる」というのは正にこのこと。
2)ブリーフ(Belief):信念、固定観念
過去のネガティブな経験、他人の強い声など、心が大きく動いたものを情動記憶といい、この情動記憶が積み重なって出来る信念、「私はこういう人間だ」という自身で持っている固定観念をブリーフという。
「体験的な記憶としての信念」と「言葉として聞いた情報を受け入れた結果としての信念」がある。
持っているブリーフによって、生きづらさを感じることが多くある。特に親との経験で作られたブリーフは小さいころ、無意識のうちに潜在意識に強烈に刷り込まれていてこれが原因で前向きに人生を送れないことが多くある。
ネガティブなブリーフはなかなか壊せない。
まさしく、「過去と他人を生きている」状態と密接に関係しているのが
”自分自身に対するブリーフ”。
自分の意志で成長や成功を遠ざけているわけではなく、あなたという人間について語る周囲の人々によって、いつのまにか無意識のうちにそうさせられてしまっている。
自身が持っているネガティブなブリーフに基づいて、RASのフィルタ機能が活性化すると、起こっている現実に対してポジティブな側面が見えなくなるスコトーマが生まれる。
3)ブリーフシステム(Belief System):信念体系
自身が持っているブリーフをもとに現状を維持させようとする仕組みのこと。
人間の体には現状を維持させる機能としてホメオスタシスと呼ばれるものがある。
例えば体温。
大体36度前後が平熱と思われるが、風邪をひいて体温が上がった時は下げる方向に働き、逆に寒い場所で体温が下がると体温をあげて体の機能を維持しようとする仕組み。
これがフィジカル面だけでなく、メンタル面にもあって不安や恐怖から安定した心の状態へ戻そうとする仕組み。
ブリーフシステムとは、自身が持っているブリーフがホメオスタシスの機能を利用してRASのフィルタリング機能を活性化させ、ハビット(無意識の思考のくせ)とアティチュード(選択)をコントロールして、安定した状態、つまりコンフォートゾーンへとどまるようにする仕組み。
コンフォートゾーンを外れた場合、「恐怖・不安」を作り出して現状へ引き戻して維持する。
ネガティブなブリーフがある場合、コンフォートゾーンの中には不安がうようよ。
ホメオスタシスで引き戻されるからやはり、不安がループする。
ここで言う、”現状”とは今のことを指すだけでなく、今の延長線上のことも含む概念。
この流れを断ち切るにはブリーフを変えなければ、未来永劫不安なまま。
2.不安から脱して「生きづらさ」を消すプロセス
1)ゴールを設定する(アファメーション)
実現したい未来の自分らしい自分の状態を設定する。
過去から脱却し、未来に目を向ける。
自身が達成したい未来を忠実に再現して言語化し、幻覚が見えるまでイメージする。
ワード(言語化して)
ピクチャー(イメージを再現し)
エモーション(その時どんな気持ち、感情か)
でゴールを醸成する。
簡単に書いているがこの中で一番難しい。
目を未来に向けるトリガーが何か必要。
だからゴールを見つけるためにはたくさん行動することが必要。
★セミナーへ行ったり、環境を変えたり、普段離さない人と会話したり、いままでやってみたいと思ってきたけど、やってこなかったことに触れたり、とにかく、新しいことに触れてみること。ささいなことでもいいから毎日新しいものに触れる。⇒Something New
★閉じ込めていた気持ちを開放する。
From Me To Youで”自分から”話しかける、”自分から”書く
⇒Something Output
★「どう思われているか?」
「どう思われたいか?」
ではなく、
「どうしたいか」
「どうありたいか?」
「どう影響を与えたいか?」
で行動する。
ハビット(思考の習慣:くせ)とアティチュード(態度:無意識の選択)を後者に向ける。
自分が良かれと思ったことを自信をもってやる。⇒Something Give
★ささいなWantTo(やりたい)を積み重ね、日々のSmallGoalをつくり、ハビット(習慣・癖)化をしていくことでGoalの言語化の精度が高まり、イメージ・エモーションの角度も高まっていく。⇒Something Small Goal
2)ゴールに合わせてブリーフを変える(セルフトークのコントロール)
ブリーフ(信念・固定観念)はセルフイメージの積み重ねで出来ていて、セルフイメージは情動記憶から自分に向けて発せられたセルフトークによって作られている。
つまり、セルフトーク(自分自身に語りかける会話)のコントロールによって強烈な親ブリーフを変える。
また、セルフトークは無意識のアティチュード(選択)も創っている。
★具体的な方法としてのマインドセットは、”演じない”こと。
「真面目」 ブリーフ
「過剰な謙虚」ブリーフ
「過剰な丁寧」ブリーフ
「有能な人」 ブリーフ
「いい人」 ブリーフ を捨てる。
「謙虚」な態度でいることによって、無用な軋轢を生むことなく、無難な人生が送れるかもしれない。
しかし、謙虚な行動をするたびに本来の自分よりも低いセルフイメージが無意識に刷り込まれ、気づいた時には他人の人生を生きていて、自尊心や困難に立ち向かう柳のメンタルが崩壊している。
たとえ困難な会話になろうと”演じず”、自分から切り出していく必要がある。
★自分を通す
自分の都合を優先させる
決めたプライベートの予定は仕事の都合で変えない
悪くないのに謝らない
★褒められた時、へりくだる習慣をやめる。
「たいしたことないです」ではなく、
素直に「ありがとうございます」と言う。
★ささいな成功のたびに「よくやった」・「私はできた、すごい」と声掛けをしてあげる。⇒Something I couldへの意識のフォーカス。
★失敗した時や困難な会話に望むとき、ネガティブセルフトーク(恐怖・不安)が出てきたら、一呼吸おいて自身の状態を客観的に把握して、言語化する。(メタ認知)
「焦っているな。」
「僕に出来るのか。」
「失敗しそうだ。」
「しなければいけない」
「仕方がない」
その上で、
「自分らしく行こう、失敗しても何とかなる。」
と前向きなセルフトークを言葉で発して、耳で聞き、脳へ伝える。
ぶつぶつ言う。
★ ゴールに向けたポジティブなセルフトーク。
「できなかった、失敗した」ではなく、
「私らしくない、次へいこう」などとする。
これらによって、セルフ・エスティーム(自尊心)とエフィカシー(自己効力感:未来の自分に対する自信を持ち、困難な課題に立ち向かう力)を高め、醸成することができ、ブリーフを変えることにつながっていく。
セルフエスティームが高く内面的に充実している人ほど「しなければいけない」「仕方がない」というセルフトークに遭遇した時、無意識はこれを回避するように働く。(創造的回避)
3)未来から見た今の出来事の意味・解釈(ビジュアライゼーション)
Back To The Future:×
Back From The Future:〇
描いたゴールから今起こっている出来事の意味・解釈を考え、「主体性」「主人公感」をもって取り組む。
義務感(haveto):× 強制的動機、他人軸
使命感(wantto):〇 建設的動機、自分軸
(主体性、主人公感、プレイヤー)
真面目、謙虚な人は自分の中に無意識のhave to(しなければならない)を処理するブリーフは多くあるが、want to(したい、やりたい、やってもいい)を処理するブリーフがない。
自分が設定した未来のゴールからその出来事を見ることで、have toがwant toに変わる解釈が出来れば、ゴールに向けたマイルストンであるというビジュアルが描ける。
wantoでないものは避ける、逃げればよい。
★主人公は他人を頼るし、他人を頼ることで、主人公化する。
桃太郎は周りに頼れるわき役(いぬ、サル、きじ)が居て、自分にない力を頼ることで主人公として活躍できている。
ワンピースのルフィもドラゴンボールの孫悟空も同じ。
自分の人生の主人公になること。
話しかけづらい人には、その人とコミュニケーションがうまい人を頼る。1人でなく2人以上で臨むことを意識してみると頼りやすくなる。
主人公になるために、頼ることが必要であると意識できれば、スコトーマが外れ、今までは、考えもしなかった、見えてなかった「人に頼って話しかける」などの手段、技術を有効活用するという方法が見えてくる。まさに視野が広がる瞬間。成長の瞬間。
観客ではなくプレイヤーとしてピッチに立ち、仲間と共にゴールを目指す。
3.最後に
これらのプロセスを踏むことで恐怖と不安が渦巻いていたコンフォートゾーンの外の世界へ行けるようになる。つまり、コンフォートゾーンが広がる。
「恐怖や不安」を感じたら、コンフォートゾーンを出ている証拠。
ホメオスタシスは必死に引き戻そうとしている証拠。でもここで引き下がらず、上記の3つのプロセスと手段を使ってコンフォートゾーンへ引き戻す力を広げる力に変えることがゴール達成の原動力になる。
特に、困難な場面に遭遇した時、大きな恐怖と不安が襲い掛かってきたとき、ゴールから出来事を見て、「どう思われたいか?」ではなく、「どう在りたいか?」視点で行動できる癖をつけていきたい。
1000回失敗してもいいくらい位の心持でアウトプットして突っ込む。
演じない。
始めの一歩は考えずに足を出す。
批評する側のドリームキラーは放っておく。
そして身近なチームへアウトプットして、集団でも困難に立ち向かう力をつける。(コレクティブエフィカシー)
その中心になる。発言を始める、まとめる。
リーダーという言葉の解釈について
これまでリーダーと言うと組織の部門長や部長、プロジェクトのリーダーであって、そういう立ち位置に来た時に考えればよい概念、役割だと思っていた。
でもこの本を通じてその解釈が間違っていることに気がついた。
リーダーとはリードしていく人材。役職や職位、部署なども全く関係ない。
会社であれば取り組むべき課題(ゴール)に対して、主人公として周りを巻き込んで力を借りて困難を乗り越える舵を切っていく人材であることに気がついた。
自身のプライベートでも全く同じ。自身の不安な状況に対して力を借りて、自分という船が大海原を進むよう、多くの人の力を借りて舵を切っていく。
リーダーであるという強い自覚を持つことで自分の人生の主人公になれる。
だから自らが設定した課題に対して困難に立ち向かうリーダーに必ずなる。
親を超えるとは・・・。
親から受け継いだネガティブなブリーフを壊して変えていくこと。
そして、自分の人生の主人公になる、リーダーになることを意味する。
以上、長々とありがとうございました。