ココロに残った本たち~2023上半期~
一昨年から続く読書ブーム。
これはもはや習慣化がなされたといっても良い!?
note「僕が本を精読する理由と多読する理由」でも書き残した通り、今年は「月5冊読むなら、3冊~4冊は新しく手にした本、1~2冊は過去に読んだ本で読み返したいと思った本を読む」という自分なりの読書スタイルが確立された感がある。
そんな感じで読み進めた2023年上半期は再読した本を含めて約40冊。
この中から、恒例の(?)「上半期、いちごる的ココロに残った本ベスト5」を選出しよう!
第5位 革命のファンファーレ(西野亮廣)
キングコングの西野さんの著作。オンラインサロンをはじめさまざまな分野で確固たる地位を築いている西野さんだが、この本に魅かれた理由は、そのような分かりやすい成功者の後光からではなく、「彼が何を言わんとしているか」、ということによる。
西野さん原作のヒット映画「えんとつ町のプペル」で彼が伝えようとしていたこと、そして某大学での卒業式での講演にココロ動かされた人ならば、期待している何かがこの本にはきっとあるはず。(ちなみに、プペルも卒業式の講演も、イノベーターとしてのマインドセットに通じている)
第4位 ゼロ・トゥ・ワン(ピーター・ティール)
CPA交流会で知り合った先輩会計士(A先輩)が、ご自身のFBで紹介されていた本。
その方とは、CPA交流会で談義しただけでなく、その後共通の知人を交えての小規模な会食で、その生き方や考え方に感銘を受ける。
得てして人は自分の興味の範囲の世界に留まりがちだから、その殻を破るには他の人のおススメする本などを読むといい!という『 非常識な読書のすすめ 』の主張に納得せざるを得ない読書体験。
この本の冒頭には、こんな問いかけがある。
「賛成する人がほとんどいない、大切な真実とは何だろう」
(著者 ピーター・ティールが採用面接で聞くようにしている質問らしい)
この問いへの自分なりの回答を持っている方には是非とも一読を進めたい!
ちなみに、この問いと、2022年下半期いちごる本ベスト5だったローランドさんの「俺か俺以外か」は、同じことを意味していると思われる。より砕けた形で同様の考え方に触れたければこちらも併せて読むとよいかも。(少しギャグ要素も多いが。。)
なお、A先輩との会話や彼のFBで紹介された本としては、他に『ディズニーCEOが大切にしている10のこと』、『カーネル・サンダース』も読んだが、『ゼロ・トゥ・ワン』に関心を示した人なら、こちらも同様に得るものがあるかも。
第3位 イノベーションのDNA(クレイトン・クリステンセン)
本書を読むのは、半年ぶり2回目である。
1回目の時には特段の印象を受けなかった本ではあったが、ひょんなことから再読することになった。
するとどうだろう。
この半年間くらい自分が経験し、広がった視野の中に位置づけてみると、なんとヒントの多いことか!
イノベーティブな発想をするために必要なコト(イノベーターには大切な5つのスキルがある!)、それを社会に実装していくための組織のあり方(イノベーターだけではイノベーションは起こせない。また逆に実行力あるプロ経営者だけでもダメ。それがまさに組織に求められる多様性。)など、参考になる部分が多い。
この本の再読をすることで、一度読んだけでは本の評価は下せないことを痛感した。(特にお気に入りの著者が書いた本ならなおさら)
本は世の中に星の数ほどあり、その全てと出会うことは出来ないのだから、1冊1冊との出会いを大切にして、丁寧に接していきたいとつくづく思いましたー。
※この本についてのもう少し詳細な感想はこちら☞いちごる読書note(LINK)
第2位 脳の右側で描け(ベティ・エドワーズ)
今年もGWに何か新しいことをしてみたいと思い立つ。
(去年は高校数学に手を付けるも挫折。。)
そんな折、『ピクサー流創造するちから』を再読していたところ、その中で紹介されていたのがこの本。
「絵を描くスキル自体やそれを習得するプロセス」、「人がなぜ絵を描かなくなるのか」についての筆者の洞察、「絵を描くということが持つ可能性の広さ」などは、少し言葉を置き換えれば、僕がゴルフを通じて伝えたいことを説明できてしまう。
物事の本質は同じなのだと再確認させてくれる名著。
何よりも、この本の書いている通りにやれば、楽しみながら自分の中にある絵心を発見できる。
画用紙や鉛筆など、ちょっとした準備で心豊かになれるこの本の方法、もっと流行るといいのになぁ!
第1位 文学入門(桑原武夫)
こちらの本を手にしたきっかけは、高校の後輩(Yさん)。
Yさんは確か大学時代に文学を専攻していて、今もSNSなどでたまに読んだ本などを紹介している。
ある日、Yさんが村上春樹さんの本について触れていたこともあり、気になって初めて村上さんの作品(『海辺のカフカ』)を読んでみた。
正直に言うと、1回読んだだけじゃよくわからなかった(笑)。
だけど、多くのファンが新作が出るたびに長蛇の列を作っているのには何か理由があるはず。そこからそもそも「文学とは何か?」という興味に発展し、手にしたのが本書。
1950年5月出版。
とても古い本だけれど、いちごるを文学の道に一歩踏み出させるのに、十分な内容であった。
筆者の願う文学の楽しみ方は「常識を疑う姿勢」の一例としても参考になる。
また、なぜその楽しみ方が普及していないかの歴史的視座に立つ分析もユニークで興味深いものがある。
自身の経験に照らしても、桑原氏の主張が「文学に取り組むに値する真理を突いている」といちごるの直観が言っている。
巻末に紹介されている「近代小説50選」は折に触れて読み進めたい!
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というわけで、読書キャリア(事実上の)3年目を迎え、ますますその可能性の広さを感じています。
下半期も素敵な本との出会いがありますように!
(参考)[2023年上半期読んだ本リスト]
※印→繰り返し読みたい本リスト入りした本
◆1月-7冊
1.イノベーションと企業家精神(2回目)※
2.ローマ人の物語24-賢帝の世紀(上)
3.ローマ人の物語25-賢帝の世紀(中)
4.ローマ人の物語26-賢帝の世紀(下)
5.拝啓人事部長殿
6.一生モノの「学ぶ力」を身につける
7.経済社会の学び方(2回目)※
◆2月-5冊
8.パラレルキャリアをはじめよう!
9.地政学入門
10.明日を支配するもの-21世紀のマネジメント革命
11.小さな声、光る棚-新刊書店Titleの日常
12.革命のファンファーレ
◆3月-4冊
13.ジョブ理論(3回目)
14.ジョブ理論完全理解読本
15.社員をサーフィンに行かせよう-パタゴニア経営のすべて-新版
16.Airbnb Story(2回目)※
◆4月-10冊
17.ゼロ・トゥ・ワン※
18.ブルシット・ジョブ※
19.ピクサー流創造するちから(2回目)※
20.カーネル・サンダース
21.起業のファイナンス
22.ローマ人の物語27-すべての道はローマに通ず(上)
23.ローマ人の物語28-すべての道はローマに通ず(下)
24.取締役の心得
25.ディズニーCEOが実践する10の原則※
26.非常識な読書のすすめ
◆5月-7冊
27.旅のラゴス
28.スターバックス成功物語(2回目)※
29.公益資本主義
30.海辺のカフカ(上)
31.海辺のカフカ(下)
32.イノベーションのDNA(2回目)※
33.ことばと文化(2回目)
◆6月-8冊
34.文学入門※
35.サードプレイス
36.歴史とは何か(2回目)※
37.ハックルベリー・フィンの冒険(上)
38.ハックルベリー・フィンの冒険(下)
39.ゼロ・トゥ・ワン(2回目)
40.脳の右側で描け
41.ガリレオ・ガリレイ